Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

キンボール普及指導者講習会 2

2008-03-24 00:05:31 | 教師修業
 レフェリーの動きは思ったよりも難しかったです。判定が自分の手に掛かっているかと思うと,いまひとつ自信を持って行うことができませんでした。
 
 H先生から指摘されたことは次のことです。
<アシスタントレフェリーとして>
・立ち位置を工夫したほうがよい。もっとプレイヤーの近くまで行ってよい。
・復唱の声が聞き取りにくいときがあった。もっと大きい声で,繰り返し言ってよい。
・しっかりとボールを追っている点がよい。

<ヘッドットレフェリーとして>
・反則名を,ジェスチャーと声ではっきりと伝えるようにするとよい。
・自信を持って判定してよい。


 また,今日は東日本放送と河北新報の取材が入っており,私は東日本放送の取材を受けました。教員の参加が私だけだったからです。

 「今日,参加した動機は」「学校ではどのような実践をしてきたか」「どのような効果が見られたか」「どのようにして広めていきたいか」などの質問をされました。
 
 テレビカメラを向けられての質問であったので,緊張し,しどろもどろになってしまったため,うまく伝えられたか自信がありません。

 キンボールのよさは,誰もが楽しめるところだと考えています。
 運動の得意・不得意という技能面や意欲面の差がリセットされ,今もっている力で,全力でプレイできるところです。

 現行の学習指導要領では,バスケットボール,サッカー,ソフトボールのほかに「その他のボール運動を加えて指導することができる」と記述されています。
 この部分を解釈すれば,キンボールの実践は可能でした(拡大解釈し過ぎているという指摘はありました)。

 しかし,まもなく告示される新学習指導要領では「それぞれの型に応じたハンドボールなどのその他のボール運動を指導することもできる」という記述が入ると思われます。
 ゴール型,ネット型,ベースボール型という,それぞれの型に応じたものでなければいけないというわけです。
 キンボールは,どの型にも属さないので,学校体育では取り上げることが,これまで以上に難しくなってしまいます。

 私はキンボールの教材としての価値に自信を持っています。それだけに今回の指導要領の記述は残念です。

キンボール普及指導者講習会 1

2008-03-23 23:58:50 | 教師修業
 本日,利府町総合体育館で行われた「宮城県キンボール体験会および普及指導者講習会兼交流大会」に参加しました。
 私が参加したのは,キンボールマスターとC級レフェリーの資格を取得するためです。私と同様の方が6名いました。

 最初にウォーミングアップとリードアップゲームを行いました。
 講習会には全員で36名の参加がありました。しかし,顔見知りの人は少なく,最初はみんな緊張しています。1人で参加されている方もいます。小学生から60歳台と思われる方まで,体育指導員や大学生,家族連れ,私のように教員,車椅子の方まで,さまざまな参加者がいます。

 ウォーミングアップを担当したH先生は,そういった緊張を和らげるための言葉掛けを随所に入れていきました。

 例えば,「幸せになる準備運動をします」と投げ掛け,「手のひらと手のひらをぴったりと合わせてください」と指示されました。そして,「しわもぴったり合っていますか。これが『しわわせ』です」
 また,伸脚のときにも,「ミッキーマウスって,どんなポーズをするか知っていますか」と投げ掛け,「こんなポーズです」とポーズをとってから伸脚の動きをしました。
 
 このようなユーモアによって,笑いがこぼれ,心がほぐれてきました。
 これらは「寒いギャグ」とも受け取れますが,何を言うかというよりも,誰が言うかというキャラクターの問題もあると思います。
 
 その後,2人組でのジャンケンやスキンシップのある動きを取り入れていました。
 
 導入にユーモアやスキンシップの動きを取り入れ,参加者の心をほぐしていくあたりは,体ほぐしの考えに相通ずるものを感じました。
 
 その後,私たち6名は別室で講習と筆記試験を受け,午後からは実際にレフェリーの実技を行いました。

なべなべそこぬけ

2008-03-22 23:26:59 | 体育
 準備運動の中に体ほぐしを取り入れることがある。
 子どもたちの心と体の緊張を十分にほぐすことができれば,体育の得意な子と苦手な子の意欲面の差もリセットされ、主運動にもスムーズにつながっていく。
 誰でも手軽に取り組めるネタに「なべなべそこぬけ」がある。
 私も1年,2年,3年,6年で実践したが,いずれも盛り上がり,成功した。


1.2人組で行う

「太鼓がなった数でペアを作ります。できたら腰を下ろします。」

 リズム太鼓を2回鳴らし、2人組を作らせる。男女が混ざったペアがあったら大いに褒め、みんなで拍手をする。みんなで拍手をすることで気持ちが高揚し、よい雰囲気ができていく。

「『なべなべそこぬけ』をします。元気よく歌いましょう。」

 声を出して歌いながら動くことで、子供たちの心が解放されていく。


2.4人組や8人組で行う

 次にリズム太鼓を4回鳴らし、4人組を作らせる。クラスの人数の関係などで4人組ができない場合、3人組や5人組も認めていく。

「4人でもできるかな。」

 子どもたちは「できる」と言う。しかし、やってみるとできないこともある。どう動いたらいいのか分からないのである。
 教師が手助けしたくなる場面だが、「どうやればできるかなあ」と言いながら、子どもたちの様子を見守る。
 そのうち、必ずあるグループがやり方を発見するものである。周りのグループは、それを見て真似し始める。
 教師が教えなくても、グループ同士で学びの輪が広がっていく。

「8人でもできるかな。」

 やり方を4人組のときにつかんでいるので、自信がある。
 成功すると、拍手をしたり、「ヤッター」という歓声を上げたりする様子がどのグループでも見られる。


3.クラスを2つに分けて行う

 次にクラスを大まかに2つに分ける。

「こんなにたくさんの人数でもできるかな。無理だろうなあ。」

 挑発するような言葉を掛けていくことで、子どもたちはのってくる。どんどん授業に引き込まれていく。
 1グループずつ行わせる。できたときには拍手をさせ、雰囲気を更に盛り上げていく。


4.クラス全員で行う

「いよいよ全員でやってみます。みんなの気持ちがそろっていないとできないぞ。」

 全員で大きなひとつの輪を作る。成功すると、歓声が響き渡る。そして、教師は力強くほめる。
 全員で1つのことを成し遂げたという達成感を得ることができる。

ジャンケンゲーム 3

2008-03-21 01:14:27 | 体育
■ボール運動編

●変身ドリブル
 1人1個ボールを持つ。
 両手でドリブルしながら自由に移動し,教師が10秒後に合図図をしたら,相手を見つけてジャンケンする。

「勝ったら,右手でドリブルします。負けたらそのまま両手で続けます。また合図があったら,別の相手とジャンケンをします。勝つたびに,両手ドリブル→右手ドリブル→左手ドリブル→片手交互ドリブル→上がりとなります。」

 ゲームは3分間程度行う。

 
 チーム対抗ならば,次のような運動も考えられる。

●ドリブル関所ジャンケン
 チームを作り,1列に並んでおく。
 関所には,別のチームの子を配置しておく。
 スタートの合図で,先頭の子は関所の子どもを目指してドリブルしていく。

「関所についたらジャンケンをします。勝ったらドリブルをしながら自分のチームの場所に戻り,次の子と交代です。負けたら,関所の子どもの後ろにあるコーンを回ってから,自分のチームのところに戻ります。」

ジャンケンゲーム 2

2008-03-20 00:53:43 | 体育
 具体的なジャンケンゲームの内容を考えてみる。

■器械運動編

まずはペアでの運動である。
●ジャンケンおんぶ
「2人組になり,足ジャンケンをします。負けたら勝った人をおんぶして,10歩歩きます。」

●ジャンケン手押し車
「2人組になり,手押し車をします。足ジャンケンで負けたら,手押し車をして10歩歩きます。」

●ジャンケン馬跳び
「2人組になり,馬跳びをします。足ジャンケンで負けたら,馬跳びを10回します。」

 「ジャンケンおんぶ」「ジャンケン手押し車」は,根本正雄氏が飛び込み授業をする際に必ず取り入れているものである。スキンシップにより,子どもの心が開かれていくのである。
 1回戦が終わったら,別の相手を探してジャンケンをしていくのもよい。

●ジャンケン足開き
「2人組になり,手でジャンケンをします。負けたら板1枚分ずつ足を開いていきます。手やおしりをついたら負けです。」
 これは,2人組でなく,3人組やチーム対抗などでも可能である。また,左右開脚だけではなく,前後開脚も取り入れると陸上運動の準備運動としても有効である。


 チーム対抗ならば,次のような動きもある。

●鉄棒ぶらさがりジャンケン
 偶数のグループを作り,1つの鉄棒に2つのグループが1列で並ぶ。
「チーム対抗で豚の丸焼きをします。片手を離してジャンケンをします。ジャンケンに勝ったら次の子と交代します。負けたらそのまま残ります。3分間でたくさん勝ったチームの勝利です。」
 
 同様の方法で「ふとんほしジャンケン」もできる。

●壁のぼり倒立ジャンケン
「壁のぼり倒立の姿勢でジャンケンをします。勝ったら次の子と交代します。負けたらそのまま残ります。3分間でたくさん勝ったチームの勝利です。」

ジャンケンゲーム 1

2008-03-19 23:56:01 | 体育
 体育の準備運動の中で,ジャンケンゲームは多く取り入れられる。

 子どもたちは,単調な運動はあまり好まない。
 2人組で交代しながら馬跳び,手押し車,おんぶをさせるだけでは,盛り上がることは少ない。
 しかし,ジャンケンを取り入れると,生き生きと楽しんで取り組む。
 ジャンケンを取り入れた活動は,子どもたちの心と体をリラックスさせる効用があるようである。

 ジャンケンの特性とは何でだろうか。
 それは,「どちらが勝つかわからない」ということに尽きるであろう。
 
 身体的能力に関係なく,誰でも勝てるチャンスがあるときに,子どもたちは盛り上がるのである。
 
 また,個人的な勝利だけでなく,グループでの競争という要素を組み入れれば,子ども相互の連帯感がさらに育まれていく可能性がある。
 
 ジャンケンを取り入れた準備運動は,たしかに有効ではあるが,楽しいだけでは教育的な価値は薄れてしまう。
 根本正雄氏はジャンケンおんぶ,手押し車などを取り入れているが,これは基礎感覚づくりが第一義である。
 ジャンケンは外発的な動機付けに過ぎない。
 楽しんだ結果として,身体的な技能や体力の伸び・定着が図られるような内容を取り入れていく必要がある。
 さらに,仲間づくりにつながるような内容であれば,最適といえるだろう。

準備運動で体ほぐし 3

2008-03-18 00:20:40 | 体育
 このような効果が期待される体ほぐしの運動として,渡辺氏は次のような条件を考えている。

●どの子にとってもやさしい(易しい・優しい)運動であること
●声がけ,スキンシップなど,他者とのかかわりのある運動であること
●主運動の場やモノ,簡単な動きを取り入れた運動であること

 この3つの条件を充たした運動を準備運動的に取り入れていくことは,効果があったという。
 このあとに実践した主運動のマット運動では,運動の際に自然と手が差し伸べられたり,アドバイスが行われたりしたということである。

 温かい教え合い,かかわり合いが生まれたのである。
 心も体もほぐれた状態から,「温かい言葉」,「温かい触れ合い」が生まれ,「温かい人間関係」が育つ。

 渡辺氏の実践のように,毎回準備運動的に体ほぐしの運動を入れていくという方法は,体育を通しての学級づくりの有効な手段のひとつであろう。

準備運動で体ほぐし 2

2008-03-17 00:18:48 | 体育
 渡辺氏は,かかわり合いを重視した学習で大切なのは,他者へのかかわり(声がけ,ジェスチャー,スキンシップ,表情など)を「発信する側」と「受信する側」の心と体のほぐれ具合であると述べている。

 そして,意欲,技能に大きな個人差がある子供たちが,共に学び,共に力を伸ばし,共に喜びを分かち合っていくには,「心と体の温かさ」が豊かなかかわり合いのキーワードとなると述べている。

 子どもは,さまざまな性格を持っている。
 体育に関して言えば,私は「発信型」の子と「受信型」の子がいると思う。
 
 「発信型」の子は,自分から進んでどんどん運動し,体育が得意である。
 休み時間などにも外に出て活発に遊んでいることが多い。
 性格的にも明るく,クラスのムードメーカーとなっている場合も多い。

 「受信型」の子は,体育が苦手な場合が多い。
 自分から進んで運動に取り組むということは少ない。
 性格的に内気な場合も少なくなく,自分から積極的に仲間づくりができないような子である。

 「発信型」の子だけが心と体がほぐれていてはいけない。
 それでは,一部の子だけが満足する体育授業になってしまうからである。
 「受信型」の子も,心と体が十分にほぐれ,授業を受け入れる姿勢ができていないと,楽しい体育授業は成立しない。
 双方の心と体の緊張が十分にほぐされていれば,楽しく学びあう体育授業ができる。

準備運動で体ほぐし 1

2008-03-16 00:29:28 | 体育
 体ほぐしを準備運動で行うことがある。
 体ほぐしとは,心ほぐしでもある。

 熊本県益城町立広安西小学校の渡辺泰生氏は,子どもの学習に対する心と体の緊張をほぐすために,毎時間授業のはじめに体ほぐしの運動を設定したという(『体育科教育』2004年4月号)。

 体ほぐしの運動のウォーミングアップ効果について,渡辺氏は,次の3点を挙げている。


1.気持ちのウォーミングアップ
 運動への不安感がほぐれ,体を動かすことの楽しさを求めて学習に取り組める。

2.かかわり合いのウォーミングアップ
 お互いの気持ちがつながり,教え合いや励まし合いが活発になる。

3.動きのウォーミングアップ
 楽しみながらも体を慣れさせ,主運動での身体操作につながる。


 私が注目したのは,「かかわりあいのウォーミングアップ」である。
 豊かなかかわり合いが生じることによって,緊張感がほぐれ,楽しく学び合うことができるのではないかと考える。

子どもが心を開く場面

2008-03-15 23:45:24 | 教師修業
 根本正雄氏は,飛び込み授業の際,準備運動にジャンケンおんぶを必ず取り入れているという。
 そのことについて,次のように書かれている。

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 飛び込みの授業をしていて,子供が必ず心を開く場面がある。1年生から6年生まで共通している。
 それは「足ジャンケンおんぶ」というゲームである。2人1組になって足ジャンケンをする。負けた人は,勝ったら人をおんぶして10歩歩くのである。
 このゲームを行なうと,どの学年からも必ず歓声が上がる。「あっ,負けちゃった」「やったー」「勝ったぞー」という声があちこちから出てくる。
 子供の表情は一変する。緊張していた顔に笑顔が出て,表情が和らぐ。声を出すことによって緊張がほぐれるのである。 子供の歓声と声を聞いて,子供の緊張が解けたことを理解する。

http://www.chiba-fjb.ac.jp/masao_n/jikiden/05.html 
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 飛び込み授業では,子どもも緊張している。
 初めて会う先生との授業であるから当然である。
 その緊張のバリアを,スキンシップを伴う準備運動で取り払っていくのである。