Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

TOSS体育全国セミナーに参加して

2008-07-27 23:07:59 | 教師修業
 昨日,「TOSS体育全国セミナーIN東京」に参加してきました。
 2003年に初めて参加してから,6年連続参加になります。

 今回も大きな学びがたくさんありました。

 私は運動が苦手です。特にボール運動が駄目です。子どもの頃,体育はあまり好きではありませんでした。小学校のときの評定が,5段階で2だったことがあります。

 しかし,私はこれを自分の武器としています。
 自分が楽しめる内容であるかどうかを,体育の授業をつくっていくときの指標にしています。
 「自分が楽しめるということは,どの子も楽しめるはずだ」という思いがあります。

 今回は,そんな授業がとても多くあったと思います。
 いつもは子役として参加するのは,多くても3つぐらいにしていますが,昨日は気合を入れて6つに参加しました。
 体力的にはグロッキーですが,どんな授業なら楽しいと感じることができるのかを体感することができました。

 また,今回は新指導要領に対応した授業ということで,根本先生も新指導要領に即してコメントしていました。
 新指導要領において,どのように授業づくりをしていけばいいのか,具体的に分かりました。

 昨年は授業者,今年は一般参加者ということで,気楽に参加できました。
 しかし,何となく張り合いがありません。やはり自分が授業するのが一番学べると実感しました。
 また授業者として参加できるよう,努力していきたいです。

「志村魂3」を見て 2

2008-07-25 00:02:05 | 教師修業


 セリフや立ち居振舞いは,完全に確定されていました。

 例えば,志村けんの姿がおかしくて,役者さんが思わず笑いをこらえながら演技しているような場面がありました。
 また,「松竹新喜劇」の中で,ダチョウ倶楽部の上島竜兵が,役名ではなく思わず「志村さん」と呼び掛けてしまうといった場面がありました。
 いわばハプニング・NGです。会場も大爆笑に包まれました。

 しかし,これらは実際にはハプニングではありません。
 台本どおりだと思われます。
 インターネットで調べてみましたら,各会場でこの場面が同じように演じられていることが分かりました。

 志村さんの笑いにはアドリブは一切ありません。徹底的につくり込まれているのです。

 公演のパンフレットの中に次のような志村さんの言葉があります。

「たとえば松竹新喜劇って,アドリブみたいに見えるところも実は全部決まっていて,それをいかにも今日偶然言ったみたいにやってたんだ。それってすごく高度なことなんだよね。『8時だヨ!全員集合』も同じで,何度も何度も稽古してアドリブを全部出し切って,取捨選択したものを生放送の本番で使ってた。だから本当の意味でのアドリブは,ほとんどなかったんだ。」
 
 これは,授業づくりにも通じる部分があると思いました。



 パンフレットに,次のような言葉もありました。

「それから目の前でお客さんが反応してくれるのは,やっぱり気持ちいい。この場面ではこのぐらいの笑いがほしいとか,次に笑う前に,ここは静かにさせたいとか,自分が計算した通りの反応があると,特に気分がいいんだ。(中略)
 そうそう,舞台が終わった後,テレビのトーク番組がつまらなく感じるようにもなったなぁ。だって,私生活を暴露したりとか,どうでもいいことをしゃべってるわけじゃない?「もういいよ,そんなの」って,つい思っちゃって(笑)。コントとしてやる分には,別に構わないんだけどね。」

 志村さんの舞台にかける思い,笑いに対するこだわりが垣間見えました。

「志村魂3」を見て 1

2008-07-24 23:59:20 | 教師修業
 7月23日,志村けん一座公演「志村魂3」を見に行きました。

 志村けんは,私にとって子どもの頃からのアイドルです。志村けんの生き方や,笑いを追求する姿勢に大変感銘を受けています。

 志村けんをネタにした授業「夢に届くまでのステップがある~志村けんに学ぶ~」をつくったほどです。http://homepage2.nifty.com/kenkayo/shimuraken.htm
 その授業の中に,このような場面があります。

「志村さんの現在の夢は何でしょう。
 いつかまた舞台をやりたいという夢に向かって,志村さんは今もコント作りに日夜励んでいます。」

 志村さんの夢がまさに実現したのです。それが2006年から始まった「志村魂」です。
 今年は初の全国巡業ということで,仙台でも公演が行われると聞き,大変楽しみにしていました。
 私の席は3列目(先行予約でよい席が取れました)。本物の志村けんを目の前にし,大変感動しました。

 舞台は,第1幕「バカ殿様」「コントライブ」,第2幕「津軽三味線」「松竹新喜劇『人生双六』」「おまけ」で構成されていました。
 3時間,全く飽きることがありませんでした。
 志村さんも自身のブログの中で,「昨日仙台公演 凄かった お客様の笑い声 拍手、歓声 なんか今までで一番って感じでした」と述べているほどです。

 ただ楽しむだけでなく,楽しませるためのいろいろな原則があることを発見しました。



 「バカ殿様」のコントの最初のほうで,ダチョウ倶楽部の「ヤー」の掛け声に合わせて観客全員が「ヤー」と声を合わせる場面,志村けんの「アイーン」に合わせて観客全員が「アイーン」と合わせる場面がありました。

 これはまさに根本正雄先生がいう「同一動作の原則」です。
 みんなで声を掛ける。みんなで同じ動きをする。
 そうすることで,心がほぐれ,会場が一体となるという効果があります。



 コントライブのときに感心して見ていたのですが,志村けんの笑いは「変化のある繰り返し」で構成されていることが多いことを発見しました。
 どこか1ヶ所変化をつけることによって,笑いを取るのです。
 それがどんどん繰り返されていくのです。

 変化のある繰り返し。
 これは見ている人をぐいぐいと引き込んでいくコツです。

TOSS授業技量検定 3

2008-07-20 00:53:52 | 教師修業
 講師の先生からは,次のようなコメントがあった。

<吉川氏>
・余裕が感じられる。
・対応力がある。
・個別評定が甘くなったところがあった。
・女性を1人残さず,2人残したところは配慮があってよかった。
・背伸びの運動で,手を握っていない先生がいたのをどうするか。
・「扇子」「仮面ライダー」のような言葉で指示しても,いまの子どもたちは分からないのではないか。
・導入がよい。見本を見せながら行い,ほめている。やることがはっきりしているので,分かりやすい。

<間嶋氏>
・ラジオ体操は奥が深い。しっかり行うと息が切れるほどである。
・自分の学校で,体を回す運動のときに「仮面ライダー」の指示をしてみたところ,大変有効であった。
・対応が上手である。
・C表の入口に来ていることを意識して授業をつくっていく必要がある。素材をもっと膨らませていく必要がある。

 
 今回の結果は,次の通りである。
・授業の始まりのつかみ 8.5
・子どもへの目線 8
・あたたかな表情,対応 8.5
・明確な発問,指示 8.5
・心地よいリズム 8
●合計 41.5
●認定級 22

 昇級はならなかったが,課題としていた「授業の始まりのつかみ」はこれまでで最高点である。

 前回の受検の際も指摘され,今回も指摘されたのだが,今後はC表を意識した授業をつくっていく必要がある。
 C表を意識するとはどういうことなのか,素材を膨らませるとはどういうことなのかを考えていきたい。
 他の授業者へのコメントの中で,「C表は全体構想である」「起承転結を作るとよい」というものがあった。このあたりが,今後の参考になりそうである。

TOSS授業技量検定 2

2008-07-20 00:51:40 | 教師修業
 背伸びの運動では,子役の先生の動きにやや問題があった。
 この運動では手を軽く握らなくてはならない。しかし,指先が伸びている先生が多かったのである。
 そのことには気付いたが,流してしまった。当然のことながら,講評で指摘を受けた。

 次に手足の運動である。
 ここで個別評定を入れた。ここが授業の山場である。
 「1・トン,2・トン……」の「ト」のときだけ踵を着くのである。模擬授業で大人相手であるから,できるだろうと思っていたが,そうではなかった。

 最後に評定した女性の先生2人がハイヒールのような靴を履いており,できなかったのである。脱いでもらい,再テストしたが,結局なかなかうまくできなかった。
 ここは評定の基準がかなり甘くなったが,「合格」と判定した。

 ここでは「合格」と「不合格」の2つでしか評定しなかった。
 同じ合格でも,レベルは多様であった。かなり上手な先生もいれば,おまけで合格のような先生もいる。

 あとから考えると,ここは点数で評定することにすればよかった。
 「10点満点で評定します。今日は,4点以上が合格です」とすれば,基準がより明確になった。
 最後の2人の先生も「4点」という評定にすれば,誰もが納得されただろう。

 TOSS体育セミナーでのよさこいソーラン,向山氏の阿波踊りなど,体育での個別評定の場面を何度も見てきた。考えてみると,点数での評定が多い。単に「合格」「不合格」だけでは,基準が曖昧になるからであろう。

 その後,ほめ言葉を所々に入れながら,ラジオ体操を進めていった。

 体を前後に曲げる運動のとき,「ゾウさんが水浴びをします」と指示した。
 すると,子役の先生から「なるほど」と声が聞かれた。この指示は,イメージ化しやすく,有効であったという実感を得た。

TOSS授業技量検定 1

2008-07-19 23:49:17 | 教師修業
 7月19日,榴ヶ岡市民センターで行われた「第1回TOSS宮城模擬授業例会」に参加した。私はTOSS授業技量検定を受検した。6回目である。
 審査員は間嶋祐樹氏と吉川誠仁氏である。

 過去5回の結果は次のとおりである。
・授業の始まりのつかみ 7 6 8 7 7
・子どもへの目線 7 8 8 8 8
・あたたかな表情,対応 8 7 9 8 8
・明確な発問,指示 8 7 9 8 7
・心地よいリズム 7 7 8 8 7
●合計 37 35 42 39 37
●認定級 24 25 22 23 24
 
 今回のネタは,体育「子どもの動きを引き出すラジオ体操の指示」である。
 
 受検にあたって,特にポイントを置いたのは「授業の始まりのつかみ」である。第1声をどのように言うか。いかにして授業に引き込むか。
 
 次のように行った。
 「ラジオ体操第一をします。
  まずは伸び伸びと背伸びの運動。
  さんハイ。
  (示範しながら)1,2,3,4……。
  上手です。もっと上手になれます。」

 第1声は,単刀直入に「ラジオ体操第一をします」である。
 そして,いきなり活動させ,ほめ言葉を入れるよう意識した。
 活動し,ほめられれば,心が解放されていく。

 体育の授業の特性としては,活動が入ることがある。
 何の前置きもなく,いきなり子役の先生方を動かすことができる。

社会科見学のまとめ

2008-07-14 00:03:42 | 社会
 7月9日に浄水場に見学に行きました。午前中に見学に行き,5時間目はそのまとめをしました。
 まとめは,写真を使って行いました。

 私は見学中に写真を撮っていました。その目的は2つです。
 1つ目は子どもの活動を記録するため。これは学級通信に載せました。
 2つ目は浄水場の仕事の工程を記録するためです。これは授業で活用します。

 仕事の工程順をバラバラにして,A4用紙に9枚の写真を貼り付けました。印刷機で印刷します(できればカラーが望ましいでしょうが,白黒でも十分です)。
 子どもたちに配布し,「浄水場のはたらきの順に番号を書きましょう」と指示します。
 こうすることで,先ほどの見学が子どもの頭の中で再構築されていきます。

 全体で番号を確認します。
 その後,写真を1枚1枚はさみで切り,ノートに順番に貼らせます。
 「ノートに順番に貼ります。できたら,1枚1枚にどんなことをしている場面か説明を書きなさい」と指示しました。
 コメントは簡単なものですが,どの子もしっかりと書けていました。
 
 この後は,「水新聞」を作ります。
 新聞では,1人1人関心を持ったことを中心に書いていきます。
 教師が押さえてほしい部分を書かない子もいます。
 そういうことを防ぐためにも,写真を活用してまとめさせることは有効だと思います。

ラジオ体操の指導 3

2008-07-13 23:29:57 | 体育
 1番目の背伸びの運動と,13番目の深呼吸は,動きが似ている。
 しかし,実際はこの2つは全く異なる動きである。

 かんぽ生命のサイトによると,次のようになっている。

(1)背伸びをする
 ポイント
 ・手は軽く握る。
 ・腕を上げたとき、耳の横にくるように上げる。
 ・息を吸いながら、ゆっくり腕を上げる。
 ・かかとは上げない。
 ・息を吐きながら腕を横から下ろす。

(13)深呼吸
 ポイント
[1]の動作
 ・指先まで伸ばす。
 ・ゆっくりと息を吸う。
[2]の動作
 ・息をゆっくりと吐く。


 違いはいくつかある。
 まず手である。
 背伸びでは軽く握り,深呼吸ではまっすぐに伸ばす。
 また,背伸びでは真上に上げるが,深呼吸では手を上げながら,斜めに開くようにする。胸を開くためである。
 この違いを子どもに理解させるためには,どんな指示か有効だろうか。

(1)背伸びの運動
 「天井から吊り下げられたようになります。」

 「腕をまっすぐ上げて,耳にくっつけます。」

(13)深呼吸
 「腕を斜めに上げて,胸を開きます。」

 いまいちである。
 特に深呼吸の方が「AさせたいならBと言え」の指示になっていない。

ターザンロープを使って

2008-07-12 23:59:02 | 体育
 7月11日,体育。本来は水泳の予定だったが,天候不良のため行えず,体育館でターザンロープを使った授業を行った。

 ねらいは基礎感覚づくりである。現在担任している4年生は,基礎感覚が十分に育っているとはまだ言いがたい。腕支持感覚や高さ感覚,振りの感覚を育てていく。

 まずは感覚づくりを意識した準備運動をし,その後ターザンロープの準備をした。
「え?何するの?」というのが子どもの反応であった。体育館にロープがあるのは分かっている。しかし,いったい何のためのロープなのかは分かっていない。つまり,体育の時間にロープを使って運動をするのは,子どもたちにとって初めてというわけである。

 体育館にありながら,全く活用されていない教具。それがターザンロープである。

 子供たちを8人ずつ4列に並ばせ,「おりかえしの運動」の要領で行っていった。

「走っていってロープにタッチします。」

「なるべく高い所にタッチします。」

「みんなはライオンです。肉がぶら下がっています。」
 ライオン歩き(4本足でくまさん歩き)で移動し,ロープのこぶにタッチして折り返す。
 
「みんなは兎です。にんじんがぶら下がっています。」
 うさぎ跳びで行う。

「みんなは蜘蛛です。蜘蛛の巣に獲物がかがっています。」
 蜘蛛歩きで移動し,ロープを登る。

「1人がターザン,1人がライオンです。ライオンがターザンに襲い掛かります。」
 ターザン役の子はロープをつかんで待つ。ライオン役の子は4つ足の姿勢でスタートラインで待つ。スタートの合図で,ターザンはロープを登り,ライオンはターザンめがけて走る。ライオンが膝立ちの姿勢で腕を伸ばし,ターザンに触れることができたらライオンの勝ち。逃げられたらターザンの勝ちである。
 昨年の2年生では,登れる子はあまり多くはなかったのだが,さすがは4年生。多くの子が逃げることができた。
 同様の運動を,うさぎ跳び,蜘蛛歩きでも行った。

「ロープにつかまって,川を渡ります。島に着地できたら合格。島に着地できない場合は,川にいるピラニアに食べられてしまいます。」
 最初に肋木にのぼり,ターザンロープをつかむ。そして,マットめがけて出発である。
 
 今回の授業は,内容的には完全に低学年向きである。
 しかし,子供たちは熱中して取り組んだ。1時間では飽き足らず,「次の時間も続けてやろう」というほどであった。教室に戻ってからも,「次の体育でも,ターザンロープをしよう」とリクエストが相次いだ。

浄水場で「はてな?」の追究

2008-07-10 00:15:04 | 社会
 7月9日(水)に,社会科の学習で浄水場見学に行きました。

 まずは会議室で説明を受けます。脳みそフル回転!ものすごいスピードでメモしていく子どもたち。

 いよいよ見学に出発です。普段見ることのできない場所だけに,興味津々で見ていました。これまでの社会の時間に,浄水場のしくみについては教科書を使って学習はしてきました。しかし,もちろん見るのは初めてです。
 
 「百聞は一見に如かず」と言います。でも,事前に授業で浄水場のしくみを取り上げていたからこそ,より深く,関心を持って見ることができたのだと思います。有田和正氏の言うように「百聞があって一見が生きる」です。

 見学が終わってから,浄水場の方を質問攻めにする子どもたち。飽くなき探究心には感心するばかりです。

 これまでの授業などを通して,子どもたちの中には「はてな?」が蓄積されています。校外学習の目的は,「はてな?」の追究だと私は考えています。「はてな?」を持っていない子は,見学など別に来なくてもいいのです。見学に来ても,何となく眺めているだけというのでは,意味はありません。

 見学によって解消された「はてな?」もありますが,見学したことによって新たに発見された「はてな?」もあります。