Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

避難訓練「おはしの約束」

2011-11-17 19:10:58 | 特別活動
 昨日,避難訓練がありました。
 避難の鉄則として「おはしの約束」というのがあります。

 普通はこう言われています。

 「お」……押さない
 「は」……走らない
 「し」……しゃべらない

 しかし,私は「そうではない」と伝えました。

 「お」……お話しない
 「は」……話さない
 「し」……しゃべらない
 
 つまり,「口を閉じなさい」ということです。
 非常時には,これを徹底しなければなりないと思います。

 話をしていては,教師の指示が徹底しません。
 放送も聞こえません。

 もちろん「押さない」「走らない」も大切でしょうが,一番重要なのは「しゃべらない」であることは間違いないと思います。
 とにかくしゃべっては駄目なのです。

 指示や放送が聞こえない結果,命を失うことにもなりかねないのです。



 私は毎年このような指導をしています。

 3月11日の東日本大震災。
 
 あの激しい揺れの中で,3年生の私のクラスの子は机の下に入り,黙って耐えていました。

 長時間,黙って耐え抜いた子どもたちの態度は,本当に立派でした。


 先月,休み時間に防犯警報が鳴ったことがありました。
 これは,不審者が校内に侵入したときなどに鳴る警報なのです。
 
 そのときも,私はまず子どもたちを黙らせました。
 廊下にいた子たちを全員教室に入れました。
 その上で,「先生が教室から出たら,鍵を掛けなさい」と言って,現場の確認に行きました。

 警報が鳴った原因は誤作動だったのですが,もし本当に不審者が入ってきていたとしたら,そして,もし騒いでいて私の指示を聞き逃したとしたら,命の危険にさらされていたかもしれません。

 今回の避難訓練も立派でした。
 1人もしゃべっていなかったと思います。
 整然とした態度で避難できました。

工業地帯と工業地域 2

2011-11-16 21:08:58 | 社会
 資料集を見ていたAさんが,次のように発表した。

「古くから工業が発展している京浜・中京・阪神は工業地帯と呼ばれますが,そのほかの北九州・瀬戸内・東海・京葉・関東内陸などの地域は工業地域と呼ばれます」

 Aさんは,社会の資料集をしょっちゅう読んでいる。読み込んでいる。
 だから,このように書いていることに気付いたのである。

 「工業地帯は戦前から工業が盛んだったところです。戦後新しく増えた工業地帯を,それまでの工業地帯と区別するために工業地域と呼ぶことにしたのです」と説明した。

 しかし,この説明では,北九州が工業地域になっていることには納得いかない。

 「かつては4大工業地帯といっていましたが,工業生産額から見ると,他の工業地域よりも低くなってしまったため,北九州は4大工業地域から引き落とされ,最近では3大工業地帯といいます」といって,まとめた。

 「これらの工業地帯に共通していることは何ですか」と聞き,ノートに作業させた。

 ・海沿いである。
 ・太平洋側に多い。
 ・人口が多い。
 ・機械工業が盛ん。
 ・川が流れている。
 ・高速道路が近い

などが出された。

 これらが,工業地帯ができる場所の条件となるのである。
 海の近くだと,原料の輸入や製品の輸出がしやすい。
 製品を高速道路で送ることができる。
 大きな川があれば,工業用水を得やすい。
 
 最後に「このように工業地域や工業地帯が広がっているところを何と言いますか」と聞いた。
 「太平洋ベルトです」と答えて,授業を終えた。

工業地帯と工業地域 1

2011-11-15 21:06:49 | 社会
 社会で「工業生産と工業地域」の授業を行った。
 13日のサークル例会で模擬授業した部分である。
 
 まずは,教科書にある,工業地帯・工業地域とその生産額を表す図を読み取らせる。

 「中京工業地帯はどこですか」「その工業生産額はいくらですか」と,資料の見方を確認していった。

 「9つの工業地帯・工業地域が出ています。1位から9位まで順位をつけなさい」と言って,教科書に記入させた。

 その順位をノートに記述させた。

 順位は次のようになる。

 1位 中京工業地帯
 2位 阪神工業地帯
 3位 関東内陸工業地域
 3位 瀬戸内工業地域
 5位 京浜工業地帯
 6位 東海工業地域
 7位 北陸工業地域
 7位 京葉工業地域
 9位 北九州工業地域

 順位をつけたり,ノートに書いたりしているうちに,あることが気になってくるはずである。
 「“工業地帯”と“工業地域”はどう違うのだろうか」という疑問が思い浮かぶのである。

 「何か『はてな?』と思うことはありますか」と聞くと,予想通り「工業地帯というのと工業地域というのがある」という。

 「工業地帯と工業地域というのは,どう違うのですか。どういうふうに区別しているのですか」と聞いた。

 子どもは,教科書の前のページを見て,次のように説明した。

 「多くの工場が集まり,工業生産が盛んな地域を工業地域という。その中でも特に帯のようにつながっているところを工業地帯という」

 何だか分かったような,分からないような説明である。
 瀬戸内だって北陸だって帯のように連なっているではないか。

 「工業地帯と工業地域ではどちらが規模が大きいということですか」と問うと,「工業地帯だ」という。

 それに対して,おかしいという子も出た。
 3位,4位は工業地域で,5位が工業地帯なのである。

 次のように言って,子どもを更にゆさぶる。

 「北九州工業地域となっていますが,これは北九州工業地帯ということもあります」

 子どもの「はてな?」はさらに大きくなる。
 「どうして最下位の北九州が工業地帯なのだ?」

選挙の投票で

2011-11-13 23:25:47 | 教師修業
 本日,宮城県議会議員選挙があった。

 選挙に行って,いつもやってみるくだらないことがある。

 投票用紙を折り曲げて,置いておくのである。
 すると,すぐに開く。

 4つ折りにして置いてみる。
 やはりすぐ開く。

 ならば,もう1回折ってみたらどうだろう。
 多少時間が掛かるが,開くのである。

 思いっきり力を込めて折り目を付けてみる。
 これはさすがに開きにくいようである。

 あまり長時間やっていると,怪しまれるのでほどほどにしておく。

 これはただの紙ではない。
 開票しやすいように,折っても開く特殊な紙を使っているのである。


 投票所で「はてな?」と思うことのひとつに,鉛筆がある。

 必ず鉛筆である。
 しかも,いつも2Bである。

 なぜなのだろうか。
 ボールペンやサインペンでは駄目なのだろうか。

 調べてみると,理由は2つあるようである。

 ひとつは字写りを防ぐためであるという。

 ボールペンやサインペンでは,インクが他の用紙についてしまう可能性がある。
 汚れるばかりでなく,紙同士がくっついてしまう恐れもあるという。

 もうひとつは,経費の削減であるという。

 鉛筆は,ペンに比べると安価である。
 ちなみに2Bなのは,力のない方でも書きやすいようにという配慮からのようである。
 だったら,4Bとか6Bでもいいのではと思うが,たぶん擦れて汚れてしまうから駄目なのであろう。 

研究授業を行って 2

2011-11-12 21:04:19 | 教師修業
 逆に「私なら絶対に座らせておく」と,立たせたことに対しての批判があった。
 この先生からは,これらのシーンは異様に映ったのであろう。
 
 立ち歩かせたら,余計に騒がしくなるのではないかと考えているのだと思う。

 「立ち歩く」「廊下に出る」「騒ぐ」のは,ドーパミンの不足が原因である。
 ドーパミン不足への防衛反応として動くのである。
 動くことでドーパミンの分泌を促しているのである。

 ところが,これが教師にとっては授業の妨害に映る。
 他の子どもたちにとっても邪魔になる。

 その結果,子どもを叱責し,怒号が響き,恐怖によって子どもを抑えるようになる。
 
 私のような対応をしていくと,子どもたちは「合法的に」動くことができる。
 あくまでも教師の指示に従っているだけなのである。

 教師自身がそのように指示しているのであるから,授業の妨害にはならない。
 また,教師の指示に従っているのだから,他の子にとってもそれが邪魔には映らない。
 
 先日,別の学年の研究授業があった。

 45分間,1つの学習を座りっぱなしで行っていた。
 先生方からは「しっとりとした授業」「落ち着いた授業」という言葉が聞かれた。

 しかし,私はそう受け止めなかった。
 この学年も,2割近くの子が発達障害傾向を持っているはずである。
 子どもにとっては相当きついだろうと感じた。
 緊張によって,子どもが自分を抑えている様子が見て取れたからである。

 「心地よい緊張」ならよい。しかし,ここで見られたのは「束縛」である。

 案の定,この研究授業の次の時間は乱れた様子だったという。

 私の学校は,特別支援教育の研究開発指定を受けていた。
 今でも,特別支援に関してては最先端を行っている学校の一つのようだ。
 全国から視察の方も訪れる。

 しかし,研究期間が終了して3年が経過し,教員も大半が入れ替わった。
 特別支援教育への対応スキルを持っている先生と持っていない先生との差が,歴然としている。

 校内で特別支援教育の基本スキルをもう一度学習していく必要があるのではないかと感じている。


研究授業を行って 1

2011-11-11 21:01:52 | 教師修業
 私の勤務校は,学区に児童福祉施設があることもあり,虐待などの「第4の発達障害」も含めると,2割以上の子が発達障害の傾向を持っていると考えられる。
 
 勤務校では「授業中に立ち歩く子がいる」「子どもが廊下に出ていってしまう」「騒がしくて収拾がつかない」というような声が,先生方からよく聞かれる。

 私の授業では,そういう状態になったことはあまりない。

 だいぶ前であるが,10月18日に国語「古文に親しもう」の研究授業を行った。
 今回の研究授業の中にも,前述のような状態にならないための手立てをいくつか組み入れていた。

 例えば,学校の研究テーマの一つである「ユニバーサルデザインの3原則」に則った授業展開もそのひとつである。
 テンポのある授業もそうである。
 また,いくつかの学習を組み合わせた「ユニット学習」もそうであるし,授業展開の見通しを黒板の端に示したこともそうである。

 大きいのは「子どもを動かせたこと」「子どもを歩かせたこと」である。

 「プリントを取りに来なさい」と言って,子どもを歩かせる。
 「全員立ちなさい。枕草子を読みます」と言って,子どもを立たせる。
 「百人一首をします」と言って,子どもを動かす。
 「書けたら,持ってきなさい」と言って,子どもを動かす。

 しかし,このことを見て取ったのは研究主任のH氏だけであった。

 授業後の検討会で,H氏以外からこのことに関するプラス評価はなかった。

「注文の多い料理店」の矛盾点?

2011-11-07 22:36:23 | 国語
 予定進度より遅れていますが,「注文の多い料理店」の授業が終わりました。

 この物語は,注意深く読むといくつかの矛盾点があると思います。

 ひとつは犬です。
 犬が生き返っているのです。

 「注文の多い料理店」は,「現実の世界」→「不思議な世界」→「現実の世界」と展開していく物語です。

 最初の「現実の世界」で死んだはずの犬が,最後の「現実の世界」の場面で生き返っているのです。

 私なりにいろいろと解釈してみましたが,どういうことなのか,いまだに分かりません。
 インターネットで話題になっているサイトもありましたが,納得できる説明はありませんでした。

 宮澤賢治流の「ユーモア」と解釈するのがよいのかもしれません。

 もうひとつは,「西洋料理店」の料金への認識です。
 
 山奥で「料理店」を発見したとき,「しんし」の1人が「このうちは料理店だけれどもただでごちそうするんだぜ」と言い,もう1人もそれに同意します。
 しかし,金属類を外す場面では「勘定は帰りにここで払うのだろうか」と言い,もう一人も同意します。

 最初は無料の認識で,急に有料の認識に変化したのはなぜなのでしょうか。

 ここも釈然としません。

 私の読みが浅いのでしょうか。

「瞬足」

2011-11-03 22:20:00 | 教師修業
 子どもたちの履いている運動靴のブランドを調べてみると,1位はおそらく「瞬足」(アキレス)であろう。

 年間100万足で大ヒットと言われる靴市場で,昨年600万足の売り上げがあったという。

 「瞬足」がターゲットとしているのは3歳~12歳の子どもたちである。
 その人口は1137万人というから,約半数が「瞬足」を履いているということになる。

 今日,靴屋に行って,子ども靴のコーナーを見てみた。
 すると,様々なモデルの「瞬足」が所狭しと並んでいた。

 「瞬足」の大きな特徴は,底である。
 通常の靴と違って,左右非対称なのである。
 
 写真を見れば分かるように,スパイクが,右足の内側と左足の外側に付けられている。
 
 写真は「WINGBLADE」というモデルであるが,このモデルだけではなく,その他のものも非対称なのである。
 
 なぜこのようになっているのか。

 小学校のトラックと関係がある。

 小学校最大のイベントといえば,運動会である。
 運動会で転倒シーンを目にすることも少なくない。特にコーナーでの転倒が多い。

 小学校のトラックは狭いので,コーナーがきつい。
 あまりの急カーブに,コーナーを曲がるときに遠心力に負けてしまい,バランスを崩して転倒するのである。
 
 それで,踏ん張りが効くように両足とも左側にスパイクをつけることになったそうである。

 「狭いトラックでも力一杯走れるシューズを」という開発者の思いがあったという。

 子どもの夢をかなえる靴なのである。

 最近では,サッカー用,長距離用なども開発されている。

 子ども向けの靴だからといって侮れない。

節電の感謝状が届く

2011-11-01 20:42:10 | 教師修業
 節電の感謝状が届いた。
 
 学年全体で取り組んだので,今日全員に感謝状を渡した。

 「経済産業省資源エネルギー庁長官」と書いてある。
 「長官だって。何だかすごいな」という声が聞かれた。

 夏の節電は終わったが,これをきっかけにして環境問題を考えられる大人になってほしい。
 環境問題に興味を持ち,地球規模で物事を考えられる人間になってほしい。