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尖閣諸島を譲ったらどうなるか 1

2012-12-25 22:59:14 | 社会
 尖閣諸島は現在日本が実効支配しているが,世界第2位の軍事大国となった中国が領有を目指して動いている。

 尖閣諸島は歴史的に見ても明らかに日本の領土である。

 しかし,自信を持って尖閣諸島が日本の領土であるといえる日本人は少ない。
 中には「日中で半々にすればいい」「小島の1つや2つ,中国にくれてしまえ」というような暴論を言う者までいる始末である。

 これは日本の学校教育において領土の問題を取り上げてこなかった結果ともいえる。
 教育の責任は大きい。

 仮に日本が中国に尖閣諸島を譲ったらどうなるのであろうか。
 暴論を言っている者たちは,そのことを深く考えたことがあるのだろうか。

 尖閣諸島を譲ってそれで終わるという保証は全くないのである。

 尖閣諸島を譲ったということは,他の土地についても日本は譲る可能性があるということを中国に示すということになってしまうのである。
 なめて見られるのである。

 尖閣諸島は小さな島であり,仮になくなったとしても,多くの日本人にとって生活が変化するということは少ない。

 しかし,一度譲歩してしまえば,次に中国が求めてくるのは沖縄であることは間違いないといわれている。

 中国での反日デモでは,「沖縄を日本から奪い返せ」という主張をしている者もいる。

 歴史的に見れば,明や清は琉球と君臣関係を結ぶ冊封体制を敷いていた。
 琉球は中国を宗主国として朝貢を行っていたのである。
 琉球が中国の支配下にあった時代があるのは確かである。

 琉球王国が薩摩藩の支配下に入ったのは江戸時代初期の1609年であり,明と薩摩の両属の領土となった。
 日本に編入されたのは明治維新後である。
 1872年に琉球藩となり,清との交易も禁じられた。
 1879年に廃藩置県が断行され,沖縄県となったが,清が撤回を要請し,分割案も浮上。
 最終的には日清戦争で日本が勝ったことにより,日本に編入されることに落ち着いたのである。

 このような歴史があることから,中国に世論には沖縄を奪還せよという意見があるのである。

 中国の主張は沖縄だけにとどまらないかもしれない。

 日本は遣隋使,遣唐使など中国に朝貢していた歴史がある。
 さらにもっと歴史を遡れば,239年に卑弥呼が魏から金印を授かったといわれている。
 また,57年に倭の王が漢の光武帝から金印(漢委奴国王印)を授かったともいわれている。
 この金印を授かった国は魏や漢の従属国ということである。

 このような歴史を盾に,中国が日本そのものを領土として主張してくる可能性すらあるのである。

 そのような理不尽なことがありえるのかという意見もあるだろう。
 しかし,実際に中国はブータン,チベット,南シナ海周辺などで理不尽な主張をし,実効支配を強めているのである。

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