Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

わたしが生まれてから 2

2008-02-29 23:32:21 | 社会
 ここで正解の発表である。しかし,ただ発表してもつまらない。まだ引っ張る。
 
 生まれたときの写真を見せる。看護婦さんに抱きかかえられて,お母さんと対面したときの写真である。お母さんの顔でばれるので,そこは見えないように隠して提示。でも,誰なのか子どもたちは分からない。

 次に生後10日目の写真。まだ分からない。
 次に2歳の写真。「これを見せたら,分かっちゃうなあ」といいながら出す。やっぱり子どもたちは分かった。自分だったと知って,驚きの表情のA君。また,クラスで一番大きいA君が,あんなに小さい服を着ていたのだということで,ほかの子も驚く。

 次に話題を変える。
 「子どもが生まれたら,お父さんやお母さんは最初に何をするかなあ」と投げ掛けてみる。すると,「名前を付ける」という。
 「そう。名前を付けるんだよね。昨日,先生はCさんに『Cさんは,どうしてCっていう名前になったの?』と聞いてみたんだよ。そしたら,『知らない』と答えたんだ」苦笑するCさんのお母さん。「みんなは,自分の名前がどうして今の名前になったか知ってる?」と聞いてみる。大半は知らないようであった。

 「実は,今日はある人から手紙をいただいています」といって,Bさんのお母さんからいただいた手紙を読んだ。その名前にいろいろな意味が込められているということを理解させるようにしたかったのである。

 その後,ワークシートを配り,これから小さいころのことをいろいろ調べてみる方法にどんなものがあるかを考えさせた。
 
 授業は大変に盛り上がった。モノが子どもたちをひきつけたのである。
 おそらく,次回までに多くの子が自分の生まれたときの身長や体重,名前の由来などを聞いてくるはずである。
 授業参観で行ったので,保護者もこの授業を見ていたのである。家庭での話題として出るであろうことは容易に想像できる。

わたしが生まれてから 1

2008-02-28 23:28:54 | 社会
 生活科の「わたしが生まれてから」の単元が始まった。導入で,子どもたちに興味・関心を持たせなくてはならない。それが追究活動につながっていく。

 今日,授業参観で第1時間目の授業を行った。授業は,有田和正氏の追試である。

 事前にA君,Bさんの家庭に協力を仰ぎ,0歳(生誕時),1歳,3歳のときの身長と体重を知らせていただいていた。
 また,A君の家庭からは,小さいときに使っていた衣服,靴,それらを身につけていたときの写真などを届けていただいた。
 Bさんの家からは名前の由来について,手紙をいただいた。

 授業が始まって,いきなり帽子,靴下,手袋を取り出して,私がかぶってみせた。「わー,ちっちゃい」「誰の?」「誰かの落とし物?」「赤ちゃんのじゃない?」と騒ぎ出す。保護者が参観し,緊張感あふれる雰囲気が,一気に解放的な雰囲気となる。

 「先生の子どものじゃないの?」というので,「そうではありません。実はこの中の誰かのものなのです」と伝えた。授業参観で小さい子も来ているので,その子ではないかという子がいたが,そうではないと伝えた。この帽子や靴下を使っていた張本人のA君は,まるで気づいていない様子である。

 有田先生の実践では,このあと早い段階で誰のものかを教えているが,私はもっと引っ張ることにした。

 続いて,靴を提示する。履いてみようとすると,「やめて」「壊れちゃう」と子どもたち。さらに,よだれ掛けや服などを提示。A君,そろそろ感づいたか。教科書で顔を隠して恥ずかしそうにしている。

 続いて,リボンで作っておいた生誕時の身長を提示。「うわー,小さい」と子どもたち。1歳6ヶ月,3歳6ヶ月,1年生,2年生と提示していく。
 
「いったい誰だと思うか,指をさしてごらん」というと,いろいろな人のところをさしている。まだ誰なのか全然分かっていない。A君も別の人を指さしており,どうやらまだ分かっていなかったようである。

 次に体重の提示。生まれたときの体重3330gと同じ重さの粘土を出して,抱っこさせてみる。「赤ちゃんだからね,やさしく抱っこできる人だけに触らせてあげる」というと,希望者殺到。もう完全に授業参観ということなど,忘れている様子である。張本人のA君もだっこしていた。全く自分だと気づいていない。

ポストづくり 5

2008-02-25 23:47:52 | 社会
 ポストづくりが大詰めである。
 いくつか「はてな?」が残っていた。

 まずは点字である。集配時刻のところに点字が書いてあった。第一発見者はA君である。しかし,何と書いてあるのかが分からない。調べたくても,調べる手段を分かっていないようであった。
 本当なら,図書室にある点字の本を見つけるようにうまく仕向ければよかったのだが,私はA君にいきなり点字一覧表を見せた。すると,A君の目が変わった。家に帰ったから調べに行くというのである。これが金曜日のことであった。
 今日,結果を聞いてみた。お姉ちゃんと一緒に調べに行ったという。しかし,何と書いてあったのか解読できなかったそうだ。今日もう1回行くから,点字表をもう1日貸してほしいという。
 彼はポストの学習を通して,福祉への興味関心を持ったのである。すばらしいことである。

 また,ポストの中がどうなっているかという「はてな?」もあった。
 今日,生活科の授業が始まると,Bさんが私のところに駆け寄ってきた。金曜日の学校の帰りに,ポストの中を見るため,友達のCさんと集配の車を待っていたというのである。そして,中を見せてもらったという。すると,中には袋が入っていなかったのだそうである。はがきと封筒がそのままポストの中に入っていたという。Bさんの偉いのは,ここで質問をしたことである。

 「クラスのみんなは袋が入っていると言っていたのですが,どうして入っていないのですか。」
 すると,集配のおじさんは「ここのポストは小さいので,袋が入らないんだよ」と教えてくれたそうである。
 さらに質問が続く。
「袋の色はどんな色なんですか。」
「青い袋とオレンジの袋があるよ」

 もうすぐ3月であるが,ようやく追究の鬼が育ってきた。

TOSS授業技量検定を受けて 2

2008-02-21 23:43:15 | 教師修業
 「C表を意識した授業を」というのは,自分の課題に即して考えれば,「授業の始まりをもっと工夫せよ」ということだったのであろう。

 今回の結果は,次の通りである。

●授業の始まり(15秒)のつかみ 7
●子どもへの目線 8
●あたたかな表情,対応 8
●明確な発問,指示 7
●心地よいリズム 7
■合計 37
■認定級 24

 「授業の始まりのつかみ」が,またしても得点が低い。
 意識して授業していないのだから,低いのは当然である。
 「あっ。そういえば自分の課題は『つかみ』だったんだ」と気づいたのが,情けないことに点数発表のときだったのである。これでは話にならない。

 今回いただいた講評をまとめる。

【西野氏】
・話し方が1本調子で,抑揚がない。
・C表を意識した教材はよかった。
・難しい内容がある。ジャンプしている。
・既習事項を生かして成功する体験を積ませていくとよい。
・そして,徐々にレベルアップさせていくようにする。

【高橋氏】
・C表受検を視野に入れて精進してほしい。
・新しい技術を使う。
・説明が長くなったところがある。
・言葉を削る。削りまくる。極端に削る。
・作業から入っているのはよい。作業させながら新たにルールを入れていくという点はよい。
 

 今回いただいた指導を,普段の授業に生かしていくようにする。検定のときだけ意識しても意味はない。普段から意識していく。

TOSS授業技量検定を受けて 1

2008-02-20 23:40:52 | 教師修業
 2月20日,TOSS授業技量検定を受検した。受検は今回で5回目となる。
 過去の4回の結果は,次の通りである。

●授業の始まりのつかみ  7 6 8 7
●子どもへの目線     7 8 8 8
●あたたかな表情,対応  8 7 9 8
●明確な発問,指示    8 7 9 8
●心地よいリズム     7 7 8 8
■合計          37 35 42 39
■認定級         24 25 22 23

 技量検定のありがたいのは,自分の課題が明らかになることである。
 過去4回とも,点数が低いのが「授業の始まり(15秒)のつかみ」である。
 当然ここに力を入れなければならなかったはずである。

 しかし,私は今回,「授業の始まりのつかみ」に力を入れていなかった。

 私の現在級は22級であり,本来ならC表の受検が可能である。D表はクリアーしている。
 前回の受検の際,講師の高橋氏,西野氏に「C表を意識した授業を考えるべき」という示唆をいただいた。

 そこで今回私が力を入れたのが,教材の斬新さであった。
 今までにないネタをやってみようと考えたのである。
 しかし,このような考え方自体がとんでもない勘違いだった。
 
 今回考えたネタは,音楽「『あんたがたどこさ』は何拍子?」である。
 5分という限られた時間の中で,どのようにパーツを組み立てていくか。そのような授業の組み立てばかりを考えていた。その結果,あれもこれもと詰め込みすぎたような授業になってしまった。

 C表の検定項目は次のとおりである。

●授業の始まり(1分程度) 20
●子どもへの目線 10
●声の明るさ,さわやかさ 10
●明るくおだやかな表情 10
●指示発問の明確さ 20
●授業の流れ,リズム 20
●授業の組み立て 10

 教材・ネタが斬新であるかどうかなどということは,検定項目には関係ないのだ。
 自分の弱点である「授業の始まり」が15秒から1分になり,しかも配点も20点になっている。
 

ポストづくり 4

2008-02-19 23:37:22 | 社会
 子どもたちがポストづくりに燃えている。昨日,今日でかなり進んでいる。休み時間に作業を進めているグループもあるほどである。

 現時点でどのグループにも共通しているのは,投函口の穴を開けていることと,郵便マークを書いていることである。
 また,ほとんどのグループが,投函口にひさしを取り付けている。
 鍵穴もほとんどのグループが開けている。実際に鍵は取り付けられないので,綴りひもで結んでいるグループもある。

 投函口を2つ作ったグループで,その2つの区別をしっかりと書いているのは1グループだけである。ほかのグループは調べてきていないのである。今後の動向を見守りたい。

 また,集配時刻を書いているグループが2グループである。
 子どもたちは,そこに点字が記されていたことを見学の際に発見しているはずである。今後,点字をつけようとするグループがあるかどうか。

 最大の課題は,ポストの中がどうなっているか分からないことである。
 まだどのグループもそこまで目が向いていない。
 きちんと調べるグループが出てくるかどうか。追究の鬼は生まれるだろうか。

シュートゲーム 4

2008-02-18 23:52:45 | 体育
 2月8日以来のシュートゲームである。悪天候のため,10日ぶりとなった。

 変更点は,次の通りである。
 ①円の半径を約5mから約3mに変更
 ②コーンを4つ置いていたのを,1つに変更
 ③コーンに当たったら2点,内円を通過したら1点とする

 ①について。攻撃の工夫が生かされなかったのは,コートが広すぎたためである。コートが広すぎるため,パスを回しても敵がすぐに追いついてしまうのである。
 ②③について。得点の機会を増やすことで,ダイナミックなゲーム展開ができるようにした。円を通過したら得点になるので,コーンは1つでもいい。

 前回までで特に大きな課題として残っていたのは,攻撃の作戦の工夫である。特に,ボールを持っていない子の動きである。
 15日に公表された新しい学習指導要領案では,ゲーム領域で「ボールを持たないときの動き」「ボールを受けるための動き」という言葉が,低・中・高ともに入っていた。ここは重要な課題である。

 子どもたちに,次のように投げ掛けた。
「攻めの作戦を考えなさい。特に重要なのは,ボールを持っていないときにどこに動くかです」

 あるグループが考えたのに「パスパス作戦」「ぐるぐる作戦」というのがあった。この2つの作戦は,ネーミングが違うが内容は同じである。
 味方同士ですばやくパスを回し,敵をまどわす。そしてスペースを見つけたら,すぐにシュートするというものである。
 子どもたちの様子を見ていると,パスをもらうために声を出したり,積極的に動いたりしていた。
 円を小さくしたことにより,パスも通りやすくなり,この作戦は十分に機能していた。
 
 一方,作戦を考えていなかったチームがあった。このチームは負けた。作戦を考えずにやみくもに蹴ったたけでは負けるのである。どんなに力が強くても,しっかりと作戦を立てたところには勝てない。戦術の重要性を学んでほしい。
 
 今日の試合結果は,8対2,6対6,4対2,3対1となった。
 前回までと比べて得点がぐっと増えた。
 これは,ルールの変更が大きかったと思う。

キックベースボール

2008-02-16 00:02:42 | 体育
 昨日から体育館でキックベースボールの授業をしている。
 
 「ボールを蹴ってのベースボール」は,現行の学習指導要領解説にボール蹴りゲームの例示として挙げられている。
 個人的見解としては,これをボール蹴りゲームと捉えていいのかについては疑問である。他のボール蹴りゲームがサッカー型ゲームにつながっていくのに対して,ボールを蹴ってのベースボールだけがベースボール型ゲームへつながるからである。
 私はベースボール型ゲームの初歩段階として捉えて指導を行った。

 ベースボール型ゲームとしては,7月にティーボールの授業を何度か行っている。今回は,そのルールをボール蹴りにしただけである。したがって,子どもたちはルールをすぐに理解した。

 守備のルールは,捕球した者の周りに全員集まり,手をつないで輪を作る。そして「アウト」と大きな声で叫ぶというものである。

 攻撃については,7月に行ったティーボールでは,ストレート型で,1塁とホームの間をアウトになるまでの間に何周したかで得点を決めた。今回は,ダイアモンド型にした。1塁まで行ったら1点,2塁まで行ったら2点という具合である。

 場を2ヶ所作り,8対8で行わせている。
 ただし,本校の体育館は狭いため,交錯する場面も多く見られる。これが第1の問題点である。
 第2の問題点として,熱くなりすぎる男子がいるということである。これはクラス経営の問題である。今日は,得点を巡って胸ぐらをつかんで殴りかかった子がいた。本気になるのはいいのだが,殴りかかるのはいけないので厳しく叱った。

 それにしても,熱くなりすぎるほど熱中するネタであるということはいえそうである。

ポストづくり 3

2008-02-15 23:30:01 | 社会
 前回の授業後,ポストを調べてきた子の数は,32名中20名であった。期待通りである。帰り道に見たという子がほとんどだが,わざわざ出掛けて見にいったという子も少なくない。
 Aさんは「家の近くにポストがない」といって,調べる前からあきらめ気味だったのだが,今日聞いてみるときちんと調べてきていた。この子のおたよりノートには,「もっとたくさん『はてな?』を発見したいです」と書かれてあった。
 B君は,学校の帰りにポストを開けて集配している場面を見たという。これは貴重な場面を目撃したといえる。
 父親が郵便局に勤めているC君は,父親にいろいろな質問をして調べたという。

 今日は,まず学校に一番近いポストに葉書を出しに行った。そして,さらにポストを調べてくるのである。20名が調べてきたとはいえ,12名は調べていないのである。最低限の情報は共有しなければ,ポストづくりに全員が参加できない。

 11時にポストのある場所に着いた。すると,集配の車がちょうど来ていた。その停車位置から考えて,これからポストを開けるところだったのだろうと思うのだが,5分ほどそのまま停車していて,なぜか発車してしまった。突然子どもたちが大勢現れ,ポストを調べ始めたので,おそれをなして立ち去ったのだろうか(そんなことはないだろう)。
 ちなみにポストには10時30分が集配の時刻と記してあった。つまり,30分ほど遅刻してきたのである。
 
 D君は,集配に来る時刻が書いてある紙をよく観察していた。そして,触ってみたときにボコボコしていることに気づいた。よく見ると,点字なのである。「どうして点字がついているのだろう」「点字で何とかいてあるのだろう」という新しい「はてな?」が生まれた。
 
 学校に戻ってきてから,4人1組でポストづくりを始めた。

 先ほど見てきたポストは差出口が1箇所だったのだが,2箇所のポストを作っているグループも多い。自分で見学してきたものを元にしているのである。
 子どもたちは,かなり熱中して取り組んでいた。
 カッターなどを使う危険な作業は私が手伝った。私も熱中しているうちに,ざっくりと指を切ってしまった。
 今日2時間作業をしたが,まだ続きそうである。

ポストづくり 2

2008-02-13 00:01:32 | 社会
 実は,この授業の最初の5分ほど,休み時間の過ごし方について説教をし,暗い雰囲気で授業に突入した。しかし,このパフォーマンスでムードが一気に盛り返した。

 子どもたちの反論が続く。「上になんかついていない。雨が入ってくるじゃないか」「自由に蓋が開けられたら,泥棒が手紙を取っていってしまうじゃないか」という。
 
 どこに投函口があるのか聞くと,前だという。そこで,黒板に絵をかいてみた。すると,「入り口はそんなに大きくない」「2つ入れるところがあるんだ」「1つのもあるんだ」などといちいち反論してくる。完全に授業にのっている証拠である。
 
 「どうして2つあるのか」と聞くと,わからないという。多い意見は,「片方がはがきで,もう片方が封筒だ」というものである。「本当かなあ」と揺さぶると,「帰り道に見てみよう」「お父さんに聞いてみる」という声が聞かれる。
 さらに「ひさしみたいなのがついている」「雨が入ってこないように屋根がある」という子もいる。
 
 「ポストに入れた手紙を郵便局の人が集めに来ます。どうやって取り出すのかな」と聞く。「こうかな」といって,投函口のところに手を突っ込むパフォーマンスをする。突っ込んだのはいいが,手が抜けなくなる。子どもたちは爆笑しながらも反論する。
 私はこのようなパフォーマンスが好きなのである。パフォーマンスのし過ぎで,子どもたちには不真面目な先生という評判である。
 
 最後に,今日出た「ポストのはてな?」をノートにまとめた。
・入り口は2つあるのか。
・どうして2つあるのか。
・屋根はついているか。
・郵便マークはどれも同じか。
・鍵穴はついているのか。
・鍵はどんな形か。
・集めに来る時間は決まっているのか。
・中に袋があるのか。それはどんな色か。
 
 多くの子がポストに興味を持ったという実感がある。確かな手ごたえを感じた。
 おそらく結構な数の子が,帰り道などにポストを見てくるはずである。
 鍵や袋を確認するには,郵便集配の車が来るのを待っていなくてはならない。そういう子も何人かいるのではないかという気がする。