Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

台上前転の授業 1時間目 2

2008-06-18 00:08:25 | 体育
 子供たち数名に,頭をつけないで回る方法を示範させた。
 すると,子供たちは「着いてる。着いてる」という。
 そこで説明する。
「そうです。たしかに頭の後ろがついてしまいます。頭をつけないつもりで回ると,結果的に頭の後ろが少しつくぐらいになります。最初から頭の後ろをつけようとすると,苦しいし,けがをする人も出ます」

 「頭をつけないようにして回る練習します」と指示し,練習させた。

 次は,マットの幅を限定しての前転である。
 ビニールテープを50cm間隔に貼る予定だったが,時間がなかったため,マットの縫い目で説明した。
「この縫い目の間から落ちると,川に落ち,ワニに食べられてしまいます」と説明し,練習させた。

 その後,テストで評定である。
「まっすぐ回れるかどうかテストをします。8枚全部のマットを回ってきたら,先生マットでテストを受けます」

 マットは2箇所用意し,片方は私が,もう片方は実習生が評定していく。
 「合格」「不合格」でテンポよく評定していく。合格の子は後ろで待機させ,不合格の子はやり直しさせる。

 まっすぐ回れていない子は,例外なく頭のてっぺんを着いていた。頭頂部を着くと,回転方向が変わってしまうのである。

 最後に3名男子が残ったが,「へそを見る」「頭を着けないようにして回る」ということで,何とかクリアーした。

 次回から実習生の実践となる。

台上前転の授業 1時間目 1

2008-06-17 23:53:08 | 体育
 台上前転の授業をスタートした。
 今回,私が授業するのは今日だけで,残りは教育実習生が授業する。

 はじめに基礎感覚づくりである。
 腕支持感覚,逆さ感覚,リズム感覚などを育む動きづくりを毎回行ってきている。4月と比べ,かなり身についてきていると感じる。

 4人1組でマットを1枚用意させる。8グループあるので,全部で8枚のマットが用意される。
 私の場合,きちんと並べることはしない。バラバラでいいのである。

 最初にゆりかご。私が示範し,動きのイメージを持たせる。ゆりかごの最後に立ち上がる。

「立ち上がるには,お尻とかかととの距離が短い方がいいだろうか。長い方がいいだろうか」

と問い,予想させる。長い方がよいという子の方が多かった。
「では,試してみなさい」と指示する。

 数分後,結果を聞く。ところが,どちらか分からないという曖昧な答えの子が多い。そこで,「どちらかはっきりさせなさい。もう一度試してみなさい」と指示した。結果は,半々であった。
 
 そこで,短い派,長い派の代表の子各2名に示範させた。
 長い派の子供たちの様子を見て,立ち上がるときにはお尻とかかととの距離が近づいていることが分かった。つまり,距離は短い方が立てるのである。

 「お尻とかかとをピッタンコして,立てるように練習しなさい」と指示した。
 分かったことを生かしてできるようにしていく。分かる力とできる力の連結を図っていく。

 次は,まっすぐ前転することの練習である。これが台上前転では,大切な基礎技能になる。
 
「まっすぐ回るには,どこを着いたらよいだろうか。
 ①てっぺん ②後頭部 ③つけない」

と問い,予想させた。②が圧倒的,③が少数,①はゼロである。その後,それぞれの方法を試させた。

 結果,やはり圧倒的に②であった。
 
 たしかに正解は②なのだろうと私も思う。
 しかし,子どもに「後頭部を着けて回りましょう」と指示して,通じるだろうか。
 初めから後頭部を着けて回ろうとするのは,結構苦しいものである。下手をすると,首を痛めることになる。
 私は「頭をつけないで回りなさい」と指示したほうがよいと思っている。頭をつけないつもりで回ると,結果的に後頭部がかすかに着くぐらいになるのである。

指導と評価の一体化

2008-06-16 01:29:47 | 教師修業
 根本正雄氏のソフトバレーボールを使った体ほぐしの運動です。

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指示2 ソフトバレーボールを使った運動遊びをします。
  ① 3人組になります。
  ② 1人は新聞紙で作ったバットを持ちバッターとなります。
  ③ 1人は,ソフトバレーボールを持ち,バッターにトスを上げたり
    ピッチャーになり投げたりします。
  ④ 1人は,バケツを持ち守りにつきます。
  ⑤ 打ったボールがバケツに入るように打ちます。
 
 バケツの中にボールを入れるには,バッターがフライを打てるようなボールをピッ
チャーが出す必要がある。
 最初子供たちは思い切り打ってしまうので,ボールが頭を越してしまいバケツで
キャッチできなかった。あるいは,ボールを打つのが弱くて飛ばなかった。
 
 そこでグループを回りながら,子供の実態に応じてボールを投げる距離や速さなど
を変えるようにさせた。
 前からボールを投げたり,横からボールをトスさせ,どちらがよいかをバッターに
選択させた。自分の打ちやすい向きを見つけさせていった。

 「今度は,1分間で何点とれるかグループで競争します。1人3点取れたら交代し
ます」と評価し競争させた。真剣な動きで子供は熱中していった。競争化することに
よって,グループの協力,意欲は高まった。1分経過した後,得点を発表させ勝敗を
確認した。
 
 指導と評価の一体化を図ることによって,子供の動きは高まっていった。指導だけ
するのではなく,常に目標がどれだけ達成できたのかを評価していくのである。

『体育の達成目標と授業改革 中学年』(P.28 明治図書 2003年)

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 この模擬授業を,実際に受けたことがあります。

 そのときは,たしか2回戦行われたと記憶しています。
 1回戦で優勝したチームの動きを見て,どこが上手なのかを考え,そのチームの工夫を共有化しました。
 その後,2回戦を行いました。
 工夫を生かしたチームは,得点が上がります。
 そのときは気付きませんでしたが,指導と評価の一体化が図られていたのです。


2人組での評価活動

2008-06-15 22:16:25 | 教師修業
 根本正雄氏は,林恒明氏の「壁逆立ち」の授業を分析し,次のように述べています。

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 かべ逆立ちをしている子供の周りを5回くぐるという方法は素晴らしい。
 「数を数える」のと同様に活動と評価が一体になっているからである。「5回」という数が達成目標になっている。黙って一人で行うよりも友達が数えてくれた方が意欲がわいてくる。「最後までがんばろう」という強い意志が生まれるのである。
 友達との関わりによって動きが高められるように仕組まれている。教師の評価でなく子供同士の活動がそのまま評価活動になっている。
 林氏の授業が子供の意欲を高め,活性化し,楽しく技能が習得されていく秘密がここにある。
 一人でできるのではなく,みんなの力によってできていく。他との関わりによってできていく評価の方法が,低学年では適している。

『体育の達成目標と授業改革 低学年』(P.26~29 明治図書 2003年)

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 達成目標を示すことで,指導と評価の一体化が図られています。しかも,子供同士の関わりの中で,評価活動が行われています。
 壁逆立ちくぐりは,私も準備運動で取り組ませていますが,指導と評価の一体化という観点からその意味を考えたことはありませんでした。


習熟度に対応する授業づくり

2008-06-14 23:45:57 | 教師修業
根本正雄氏は次のように述べています。

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体育科の習熟度の違いに対応する授業づくりは,どのように行ったらよいのか。TOSS体育授業研究会では次の手順で実践してきた。

1)教材の習熟過程を明らかにする。
2)習熟過程に基づき診断的評価をする。
3)診断的評価に基づき,習熟度別グループをつくる。
4)習熟度別グループごとに指導する。
5)習熟度別グループの目標が達成できたか評価する。

『体育の達成目標と授業改革 低学年』(P.28 明治図書 2003年)
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 4)指導→5)評価という流れになっています。
 「指導→活動」という流れの授業は多いです。しかし,「指導→活動→評価」という流れになっていなければ,子供の力は伸びていかないと思います。
 指導と評価の一体化を図ることを心掛けていきたいです。

開脚跳びの指導~4時間目~ 4

2008-06-11 01:54:54 | 体育
 1・2番目に発表したグループが掛け声を掛けながら跳び,成功していたのを見て,3・4番目のグループは何も感じなかったのであろうか。普通は「あのようにやればいいのか」と感じ取って,工夫するのではないだろうか。
 今回は,他グループの演技の工夫を自分のグループの演技に生かすことができなかった。

 学びを広めていくためにも,16人での演技をさせたかったが,時間の都合でできなかった。
 A評定の8人組とB評定の8人組を合体させればよかったのである。
 そうすればA評定のグループの工夫が取り入れられ,全体のレベルアップが図れたはずである。
 そして,成功すれば,一体感を感じ取り,ハッピー感を持って授業を終えることができたはずである。

 以前,5年生で授業したときは,工夫を話し合わせるのではなく,私が「トーン・トン,トーン・トン」と太鼓でリズムを取っていった。
 その結果,グループのみならず,クラス全体,学年全体でのシンクロを成功することができた。

 今回も,私が太鼓でリズムを取れば成功したかもしれない。しかし,それぞれのグループで工夫することにこそ教材の価値がある。

 教育実習の都合で,次回から台上前転の授業に入るが,機会があればもう一度チャレンジしてみたい。

 参観していた学年主任からは,次のようなコメントをいただいた。
・太鼓に反応して動いている子供たちの姿がすばらしい。太鼓が動きを引き出していた。太鼓が鳴ると,条件反射のように動いていた。
・集合のさせ方や,跳び箱の準備の仕方など,マネージメントが勉強になった。
・肥満気味の子も少なくないのに,どの子もきちんと跳べていて,すごかった。

開脚跳びの指導~4時間目~ 3

2008-06-11 01:53:05 | 体育
 2人組の次に,時間の都合もあって,いきなり8人組での演技とした。
 これはかなり強引な展開であった。2人組→4人組→8人組とスモールステップで持っていくべきであった。

 「どんなリズムで跳んだら,グループの動きがそろうでしょうか。グループで相談しなさい」と指示した。
 2つのグループはすぐに話し合いを始めた。
 Aさんのグループは,その場でジャンプしながら,「トーン・トン,トーン・トン」と声を掛け合っている。
 また,R君やNさんは跳び箱を跳ぶときに「ハイ」と声を掛けるという工夫を話し合っていた。
 残りの2グループは,あまり話し合いをしていなかった。そのうちの1つのグループは全く話し合っておらず,練習でもバラバラであった。このグループには,発達障害など配慮の必要な子が複数おり,私の指示の仕方が悪かったのかもしれない。

 いよいよ発表タイムである。
 相互評定を取り入れた。ただ何となく友達の演技を見るのではなく,評定するのである。
 動きがぴったりとそろっていたらA,まあまあそろっていたらB,そろっていなかったらCと観点を示した。

 最初のグループは,「トーン・トン,トーン・トン」と声を掛けながらの演技である。見事であった。他のグループからも認められ,文句なしのAである。

 2番目のグループは「ハイ」と声を掛けながらの演技。若干乱れたが,すばらしい。A評定である。

 声を出すことで息がそろう。呼吸がそろうことで一体感・達成感・連帯感が味わえる。シンクロのすばらしさが味わえたのである。

 3番目のグループは全く話し合っていなかったグループである。声も出さず,黙って跳んでいる。当然失敗である。友達の目も厳しくC評定である。私は,「どんな工夫をしたのですか。もう一度話し合いなさい」とやや厳しく注文をつけた。

 4番目のグループも,黙って跳んでいる。黙って跳んでいては,息はそろわない。Bであった。

 3番目のグループにやり直しをさせる。結局黙って跳んでおり,評定もBであった。

開脚跳びの指導~4時間目~ 2

2008-06-10 23:50:35 | 体育
 次に跳び箱の並べ替えである。
 シンクロ用の場を2箇所設置する。これも短時間で協力して行うことができた。
 しかし,場の設定にやや問題があった。小マットの数が足りないため,片方は大マットで行うこととなったのである。
 
 「1人で連続して跳んでいきます」と指示し,跳ばせる。踏み切りの感覚をつかませる。
 大マット側は,感覚がなかなか掴めないようであった。特に1拍子のリズムで跳ぼうとしている子は,跳べなくはないが,若干無理があったように感じた。小マット側は難なく跳べていた。

 「2人組になって,2人で動きをそろえて開脚跳びの連続跳びしなさい」と指示。
 2人のシンクロである。
 イメージが掴めないようなので,2人の子に示範させてから練習に入る。
 2人で相談しているペアもあれば,闇雲に跳んでいるペアもある。当然リズムを相談しているペアの方が上手である。
 上手に跳んでいた2つのペアに示範させ,イメージの強化を図った。「トーン,トン・トーン・トン」の2拍子のペアと,「トーン,トーン」の1拍子のペアである。
 さらに相談させて,練習させる。
 
 ここで評価・評定が必要であった。指示・説明→活動はあったが,評価・評定がなかったため,自分のペアができたのかできなかったのかの確認が。はっきりとはされなかったのである。もちろんいくつかのペアには評価の言葉を言っていったのだが,全てのペアには対応できなかった。これは私のミスである。

開脚跳びの指導~4時間目~ 1

2008-06-10 23:47:06 | 体育
 シンクロ跳び箱の授業を行った。根本正雄氏の実践の追試である。
 今回の授業は,学年主任と2名の教育実習生に参観していただいた。

 準備運動では,リズム太鼓に合わせての走,スキップ,ケンパー・ケングー,手足走り,アザラシ,うさぎ跳び,足打ち跳び,かえる倒立,壁のぼり倒立,手押し車をしていった。
 このあたりは,教師が指示を出すというより太鼓が指示を出すという感じである。太鼓のリズムが動きを引き出しているのである。
 4月初めの段階でできる子があまりいなかった足打ち跳びやかえる倒立の達成率が,このところぐんと上がってきている。継続の力であろう。

 次に,跳び箱の準備である。
 あらかじめ跳び箱を置く位置にマーカーコーンを置いていた。スケッチブックに書いた図を提示しながら,どこにどのように跳び箱を置くかを指示していった。
 場づくりは,3分でできた。新幹線はやてのスピードである。
 
 開脚跳び,向き変え跳びリレーと行っていった。
 
 向き変え跳びリレーは「今度はグループ4人で合計20回跳びます。だれが何回跳ぶか,作戦を立てなさい」と指示していった。どこのグループも話し合い,作戦を立てていた。
 20回跳び終わったら,グループ全員で「フィニッシュ!」と叫ぶ。
 それを見て取って順位をつけるのだが,ほぼ同時でよく分からないところもあった。そのため順位の発表のとき,実際と違うところもあったようだが,子供たちからは特に文句などは出なかった。
 ここで勝負にこだわって文句が出るようでは,学習の雰囲気,授業の勢いが損なわれる。そのような暴言の出るクラス経営ではいけない。

開脚跳びの指導~3時間目~

2008-06-06 23:17:41 | 体育
 3回目の開脚跳びの指導を行った。

 準備運動として取り上げているのは,ほぼ毎回同じであるが,次のような運動である。
①太鼓に合わせた走
②腕立て回り
③スキップをしながら擦れ違った友達とハイタッチ
④足打ち跳び
⑤くまさん歩き
⑥かえる倒立
⑦ケンケンパー,ケンケングー
⑧ブリッジ
⑨アザラシ
⑩壁登り倒立
⑪うさぎ跳び
⑫馬跳び
⑬手押し車
 
 移動→技→移動→技の繰り返しになっている。
 
 このあと,今日は8人組での連続馬跳びを行った。子供たちにとって初めての動きである。体育館の端から端まで,馬跳びをしていく。7人の馬を跳び終ったら,すぐに自分が馬を作る。この繰り返しである。
 
 連続して跳んでいくこの動きは,シンクロ開脚跳びに直接つながる。以前,5年生で実践したときは,この馬跳びの段階でシンクロさせたことがある。見事に成功した。
 しかし,今回は難しい。馬跳びができない子がいるのである。跳び箱は跳べるのに,馬跳びができないのである。
 
 次に跳び箱を準備。場は,3段横の跳び箱を8箇所。1箇所あたり4人ずつの配置である。

 まずは1人3回ずつ跳ばせる。跳べるかどうかの診断である。
 Aさんは恐怖心があり跳べなかったが,B式の補助をして感覚をつかませたところ,すぐにできるようになった。
 B君は左右のバランス感覚に問題があり,また恐怖心が強いようである。
 跳び箱の真ん中に着手せず,左寄りのところに手を着く。右足は跳び箱をまたぐのだが,左足は跳び箱を跳んでいる状態とは言い難い。
 
 次にリレーを行った。向き変え跳びで4回ずつ跳ばせた。
 その次は,「グループで合計20回になるように」と指示した。苦手な子は少ない回数を,得意な子は多くの回数を跳ぶ。作戦の工夫を,各グループで行っていた。
 これらのリレーは大変盛り上がった。
 
 次に場を変更する。
 跳び箱3段を4つずつ並べた。
 これを連続で越えていくのである。
 この場合,「トーン,トーン」と連続で越えていく1拍子のリズムと,「トーン・トン,トーン・トン」と一呼吸入れる2拍子のリズムがある。
 見ていたところ,1拍子のリズムで跳んでいる子が多かった。
 あとはグループで工夫して息をそろえていけば,シンクロの動きになっていく。
 本人達は意識して行ったわけではないが,動きがシンクロしている子たちもいた。

 次回,シンクロにチャレンジの予定である。
 だが,問題はB君である。このように跳べない子がいた場合,シンクロに移行させるかどうか大変迷う。できない子のプライドが著しく傷つくからである。またその子ができないことで,同じグループの子たちが達成感を味わえない。ただ,全く跳べていないわけではないので,リズムを合わせることは可能ではある。