Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

キンボールを扱えるか

2008-11-22 23:59:46 | 体育
 ボールゲームの中で,私が高い教材価値を見出している種目にキンボールがある。6年生に授業し,大変大きな手応えを得た。

 ところが,以前教育課程発表会で,指導主事に「指導要領を拡大解釈している」「ニュースポーツは扱うべきではない」と批判された。

 新しい学習指導要領の中で,キンボールを扱うことが可能かどうか検討してみたい。

 新指導要領の高学年の「内容の取扱い」の部分に次のような記述がある。
「(前略)イはソフトバレーボールを(中略)主として取り扱うものとするが,これらに替えてそれぞれの型に応じた(中略)その他のボール運動を指導することもできるものとする」

 イというのは,「ネット型」のことである。
 新指導要領ではボール運動は,「ゴール型」「ネット型」「ベースボール型」に分類されている。
 
 筑波大学附属小学校の木下光正氏は,ネット型ゲームの魅力として,次のように挙げている(『体育科教育』2008年12月号)。

・相手にじゃまされないので,子どもに優しい
・練習によるプレーの再現性が高い
・ラリーの継続,打つ面白さの経験ができる
・仲間との協力・信頼を意識させることができる
・プレーの結果が明確であることにより,観る面白さがある

 また,ネット型ゲームで子どもたちに身につけさせたい技能や判断能力については,次のように挙げている。

(1)ボールの落下点へ移動する
(2)打つ,弾くなど,ゲームに必要な個人のボール操作技能を身につける
(3)意図的にボールを打つ方向を決める
(4)コート内での位置関係を理解し,個人で処理できないときには味方にパスをしたり,任せたりする
(5)セッターを意識し,意図的にその位置にレシーブボールをあげる(バレー)

 ニュースポーツであるキンボールは,既成のゲームから派生したものではないので,本来どの型にも属さないと考えられてきた。

 しかし,その魅力や動きの特性を見ると,ネット型ゲームと解釈することができると思う。上の木下氏の挙げた内容を全て含んでいるからである。

 キンボールは,いわばネットのないネット型ゲームであるといえよう。
 新指導要領で扱うことも可能なのではないだろうか。