Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

側方倒立回転の授業 2

2011-09-24 13:36:28 | 体育
 次は手を「左→右」あるいは「右→左」の順に着いて「ト・トーン・トン」である。
 驚いたのは,手が逆になる子がほとんどいなかったことである。

 動きが小さく腰が伸びていない子が多い。
 「空中にいる時間を長くするようにしなさい」と指示して,再度行わせた。

 この時間の最後は,足も「左→右」あるいは「右→左」に着く「ト・トーン・トン・トン」である。
 フィニッシュのときは,反対側を向いているということを強調した。
 
 先程と同様に,動きが小さい子が多いので,「膝を伸ばしなさい」と指示した。

 ここまでで個別評定をしたかったのだが,時間がなくなってしまった。

 人数は把握できていないが,概ねできていたと思う。
 積み重ねもなく突然行ったのでは,きっとうまくいかなかっただろう。
 これまでの準備運動での積み重ねが生かされたのだと思われる。
 
 最後に上手にできているK君の動きを観察させた。
 「どこが上手ですか」というと,「腰が伸びている」「手と手の間を見ている」「リズムが『ト・トーン・トン・トン』に合っている」などの意見が出された。
 
 次回は,跳び箱を外しての動きやゴム紐を張って足を引っ掛ける動きなどを行っていくようにする。

側方倒立回転の授業 1

2011-09-23 11:33:31 | 体育
 5年生で側方倒立回転の授業を行った。
 他の単元と組み合わせて行ったので,20分ほどの指導時間である。
 授業は,浜井俊洋氏,根本正雄氏の追試である。

 準備運動の中に,次のような動きを取り入れていった。
 逆さ感覚・腕支持感覚を育む動きである。

・かえる倒立
・かえるの足打ち跳び
・かえるのダンス
・壁登り倒立

 これらは側方倒立回転の基礎技能にもなる。
 4月から継続してきているので,だいぶ定着はしてきている。
 かえるのダンスでは,既に側方倒立回転の動きになっている子も何名かいる。
 
 まずは,マットと跳び箱を出して,場づくりを行った。
 マットを6枚,跳び箱1段目を5台である。
 このような場を2か所設置した。

 お互いに見えるようにと考え,ステージ側から行うグループと,反対側から行うグループとに分けたが,これは失敗だったかもしれない。
 示範を見たときに,右手から行うのか左手から行うのかなどの動きが,分からなくなってしまうグループが出るのである。

 まずは両手を同時に着き,両足を同時に着く動きである。
 「トン・トン」と声を掛けて行わせた。
 基本的にかえるのダンスと同じ動きであるので,よくできていた。
 
 調子に乗って,羽目を外した動きをしている子がいたので,注意した。

低学年の鬼遊び 4

2011-07-11 00:14:10 | 体育
(3)宝運びゲームⅡ(作戦を立てる)

 授業の流れは次の通りである。
 ①作戦タイム
 ②ゲームⅠ
 ③作戦の検証・修正
 ④ゲームⅡ

 ③では次のように指示した。
「うまくいった時の動きを参考にして,もう一度作戦を立てなさい。うまくいかなかったことは外しなさい」

 戦術は,前時が終了後に全員にノートに記述させている。
 したがって,作戦タイムでは1人1人が考えを持って話し合いに臨んでいる状態である。
 1年生でも自分の意見を持ち,記述することは可能なのである。

 5時間目に,子どもたちが話し合ってまとめたチームの攻撃の戦術は,次の通りである。
 ○青チーム:おとり作戦
 ○赤チーム:おとり作戦
 ○緑チーム:おとり作戦
 ○黄チーム:3人ずつ2チームに分けて突破

 おとり作戦が多いが,それぞれのチームでおとりの方法が若干異なっていた。
 これらの作戦は十分に機能しており,作戦に応じた動きができていた。
 また,空いているスペースを見つけて走り抜けたり,フェイントを入れたりする動きが随所に見られるようになってきた。

 6時間目には,守備の作戦を考えさせた。
 子どもから出たのは,2人のうち1人は必ず止めて侵入を最小限に食い止める方法と,マンツーマンディフェンス,挟み撃ちである。

 もうひとつ,教師から守備隊形の工夫について紹介した。
 これまでは3か所ある「じゃまじゃまゾーン」には必ず2人ずつ守備者が入っていた。
 それを,必ずしも2人でなくてもよいとルールを変更した。
 その結果,フォーメーションの変更を行ったのが3チームあった。

 赤チームは1-2-3と組み,わずか3点という最少失点を記録した。
 「1-2-3はいいが,3-2-1は駄目だ」という。
 Rさんが理由を次のように説明した。

 3-2-1だと,もし最初のところで突破されてしまうと,あとから防ぎにくくなる。1-2-3だと,走って疲れてきたところを3人で守っているので食い止めやすい

 最後の7時間目には,緑チームが次のように考えていた。
 
 1-2-3にしました。でも今日は,1番前がとっても遅くて,2番目が中くらいで,3番目が1番速い人。
 
 足の速さまで考えて,配列を考えたというのである。
 これらの守備の戦術に応じた動きも,十分にできていたといえる。

 1年生でも戦術学習は十分に可能であったといえる。
 「ボールを持たないときの動き」につながる戦術や動きが随所に見受けられた。

低学年の鬼遊び 3

2011-07-10 21:04:06 | 体育
(2)宝運びゲームⅠ(慣れる)

 3~7時間目は「宝運びゲーム」を行った。
 宝運びゲームのルールは次の通りである。

 ・攻撃側は1人1個宝(紅白玉)を持つ。タグを取られずにゴールラインまでたどり着いたら宝置き場に宝を置く。
 ・宝を置いたら,スタートラインに戻り,再度宝を持ってスタートする。
 ・途中で鬼にタグを取られたら,タグを返してもらってスタートラインに戻り,再度スタートする。
 ・守備側は「じゃまじゃまゾーン」から出られない。
 ・多くの点数を取ったチームの勝ちとなる。

 3~4時間目は,特に戦術を話し合わせる予定はなかった。
 ゲームを行って,動きに慣れさせる段階のはずであった。
 ところが,教師から投げ掛けが何もなかったにも関わらず,全チームがそれぞれ戦術を話し合い始めた。

 ゲームがスタートすると,最初のうちは一気に突破しようとする動きが多く見られた。
 守備側が攻撃陣の動きについていけず,タグを取ることができなかった。

 しばらくすると,1対2や2対2の状況が生まれてきた。
 ここがこのゲームの真骨頂である。どのような作戦を立てたかが試されるところである。

 Mさんはじゃまじゃまゾーンの手前に立って守備者を撹乱しているだけで,なかなか突破しようとしない。
 これは作戦であり,Mさんが相手を引き付けている間に,ほかの子がゾーンをすり抜けていくという戦術であった。
 1回目のゲームの時点で,このような高等な戦術(おとり作戦)が出てくることに驚いた。

 子どもたちの感想から,次のような戦術を立てていたことが分かった。

 ・人のいないところを走り抜けていく。
 ・おとり作戦
 ・フェイント作戦

 また,4時間目の試合では,攻め1人守り2人という状況になったときの動きで優れた動きが見られた。
 1人で突破しようとせず,2人あるいは3人揃うまで待っているという作戦が取られていたのである。
 
 また,くるくると回りながらゾーンを突破するという動きも見られた。
 これは,2時間目で紹介した動きを取り入れたものである。

低学年の鬼遊び 2

2011-07-09 09:43:25 | 体育
(1)タグ取り鬼遊び

 1時間目,2時間目はタグ取り鬼遊びである。次のような流れで行った。

 ①全員鬼でのタグ取り(攻守混合型)
 ②ゲームⅠ 6対6(攻守交替型)
 ③作戦タイム
 ④ゲームⅡ 6対6

①全員鬼でのタグ取り(攻守混合型)

 全員が鬼です。タグをたくさんとった人が勝ちです。
 2本とも取られた人は,1度コートの外に出ます。予備のタグを取ったら復活します。


 30秒ほどで行った。優勝者は4本とることができた。

 どうやったらタグをたくさん取れるか聞いた。
 すると,「後ろから行って取る」「動きの遅い子をねらう」「止まっている子をねらう」という意見が出た。

 また,タグを取られないためにどうすればよいかを聞くと,「すばやく逃げる」「フェイントを入れる」という意見が出た。


②6対6(攻守交替型)

 青対赤をします。
 最初に青が攻めます。赤は逃げます。


 30秒ほどで攻守交替させた。

 子どもたちは,次のように戦術を考えていた。
 個人で考えた戦術を作戦タイムでチームの仲間に広げていった。

 ・敵の後ろに回り込んでタグを取る。
 ・止まっている人をねらう。
 ・挟み撃ちにする。
 ・タグを取られないようにジャンプしながら逃げる。
 ・回ったりしゃがんだりしながら逃げる。
 
 その他,よい動きをしている子どもを見つけ,紹介した。
 逃げ方に特徴があったのである。
 くるくると体をひるがえしながら逃げ,敵にタグを取られないようにしていた。
 よい動きを教師が見つけて紹介することで一般化していくのが1年生ではよい。

低学年の鬼遊び 1

2011-07-08 22:49:36 | 体育
 「鬼遊び」という単元は,低学年のみにある。
 そのため,どのような系統になっているか意識されることなく指導されているのが現状である。

 「鬼ごっこをすればいい」と考えて,「高鬼」「色鬼」「凍り鬼」などをして遊ばせているだけの教師もいる。
 そのような授業に何の学びがあろうか。
 鬼遊びの授業は,遊び方を教えるものではない。
 子どもの認識としては「遊び」でもよいが,教師のねらいが「遊び」ではいけない。

 低学年の鬼遊びについて,学習指導要領解説には次のようにある。

イ 鬼遊び
(ア)一定の区域で逃げる,追いかける,陣地を取り合うなどの簡単な規則の鬼遊びをする。
(イ)工夫した区域や用具で楽しく鬼遊びをする。
[例示]
 ○一人鬼,二人組鬼
 ○宝取り鬼,ボール運び鬼
 ・相手(鬼)にタッチされたり,自分のマーク(タグやフラッグ)を取られたりしないように,逃げたり身をかわしたりすること。
 ・相手(鬼)のいない場所に移動したり,駆け込んだりすること。
 ・2・3人で連携して,相手(鬼)をかわしたり走り抜けたりすること。
 ・逃げる相手を追いかけてタッチしたり,マーク(タグやフラッグ)を取ったりすること。


 ここから読み取れるのは,鬼遊びで身につけさせなければならない技能が,明確にあるということである。
 
 鬼遊びで習得した技能は,主に中・高学年でのゴール型ゲームにおける動きへと系統的につながっていく。
 
 ボールゲームにおける技能は「ボール操作」及び「ボールを持たないときの動き」で構成されている。鬼遊びは後者につながる動きを習得させる運動であると考えられる。

 「ボールを持たないときの動き」とは,空間・ボールの落下点・目標(区域や塁など)に走り込む,味方をサポートする,相手のプレイヤーをマークするなどのボール操作に至るための動きや,守備にかかわる動きである。

 だが,実際にそのような動きづくりを意識した授業はあまり行われておらず,中・高学年のゴール型ゲームへの連結がうまく図られていないという実態がある。

 1年生でボールを持たないときの動きを意識した鬼遊びを行ったことがある。
 次のように行った。

■習得 タグ取り鬼遊び 2時間
■習得 宝運びゲームⅠ(慣れる) 2時間
■活用 宝運びゲームⅡ(作戦を立てる) 3時間

根本式立ち幅跳び指導法の追試 4

2011-06-21 23:09:25 | 体育
 最後はマットでの練習である。

 根本氏の指導案では「マットから跳ぶ」となっていたが,ロングマットの数の関係で用意できず,床からマット目掛けて跳ぶという形になった。

 ある程度練習をさせた後,3つのポイントができているかどうか個別評定をさせる予定であった。
 しかし,評定はせずに記録測定へと移っていった。

 S氏によると,評定を入れると時間不足になると判断したとのことである。
 前日の指導で,S氏には個別評定の重要性についてレクチャーしていたので,これは残念であった。私の見たところ,時間不足という感じはしなかった。評定に自信が持てず,やめたのかもしれない。

 記録を計測してみると,ほとんどの子が伸びていた。

 肥満型のA君は110㎝から170㎝に伸びた。
 「60㎝も伸びた。奇跡が起こった」と私のところにニコニコしながら報告に来た。
 182㎝だったBさんは,200㎝の大台に達した。

 発達障害のC君は,朝の計測では80㎝だった。この時間の計測では50㎝前後であった。
 自己肯定感が低いので「どうせおれなんか駄目なんだ」という態度になってしまった。
 そこで,私が指導してみたが,70㎝に達するのがやっとであった。
 フォームを意識するあまり,ぎこちない動きになってしまっているのが原因だと思われる。

 結果は,次の通りである。

●指導前の平均記録 138.0㎝
●指導後の平均記録 157.2㎝
●伸びた平均記録   18.0㎝

 
 昨年度の体力・運動能力調査の全国平均は,男子153.44㎝,女子145.2㎝であるから,それを上回る結果が出たということがいえる。

根本式立ち幅跳び指導法の追試 3

2011-06-20 23:06:37 | 体育
 根本氏の指導案では呼吸と動きを合わせることが強調されているが,S氏は呼吸についての説明は特にしなかった。

 しかし,S氏が手にしていたボートには呼吸のことが書かれていたので,子どもたちは教師からの説明がなくても呼吸を意識することができた。



 実際,「イチ・ニー・サンと言いながらやったら,息を吸えないんじゃないかな」「ニーのときだけ,声を出さなければいいんじゃないか」と話し合っている子たちもいた。

 そして,その場で「イチ・ニー・サン」と動きを試してみている子もいた。
 「うん。これなら跳べそうだ」とR君は言っていた。


 マットと跳び箱の1段目を出して,場づくりをした。
 「これなら高い所からだから,相当いける」という子が多かった。



 つま先立ちになっていない子がいたので,跳び箱の先端部分につま先を掛けるようにアドバイスしていった。

 7~8分ほど練習させて,場を跳び箱から踏み切り板に変えさせた。
 どのように跳ぶのか,最初にS氏が示範をしてから練習させた。




根本式立ち幅跳び指導法の追試 2

2011-06-19 00:03:10 | 体育
 AかBか,どちらが遠くへ跳べますか。手を挙げてください。

 示範後の反応からも分かるように,明らかにBが多かった。
 Aがよいという子も数名いたが,ふざけ半分のようであった。

 どうしてBの方が遠くへ跳べるのですか。意見のある人は発表してください。

 子どもから出た答えは,「腕を振っている」「跳ぶ時も着地の時も膝を曲げている」「足を上げている」の3つであった。
 感心したことに,全てのテクニカルポイントを発見している。
 これはS氏の示範の仕方がうまかったからである。
 ポイントが発見できるようにオーバーに表現したからである。

 みんなの意見をまとめます。
 立ち幅跳びのコツは3つあります。
 ①膝を曲げます。
 ②つま先で蹴ります。
 ③着地のとき,両手を下におろして,膝を曲げます。


 根本氏の指導案では,次のように書かれている。

 呼吸に合わせて,動いていきます。
 ①で全部息を吐き切ります。すると自然に膝は曲がります。両手をおろしながらすると自然に呼吸は吐けます。ここで一瞬息を止め,間(ため)を作ります。
 つま先は跳ぶ瞬間にするのではなく,最初からつま先立ちになっています。つま先立ちになっていると,自然に前傾姿勢になり,斜め前方に跳べます。蹴ると同時に両手を上げます。手足の協応動作ができます。跳ぶタイミングが大切です。息を吸います。
 最後は両手を下に下げながら着地します。この時、息を吐きます。息を吐くと,膝は自然に曲がります。
 イチ,ニー,サンと声を出させて跳ばせると呼吸を強調しなくてもできます。

根本式立ち幅跳び指導法の追試 1

2011-06-18 22:59:41 | 体育
 TOSS体育代表の根本正雄氏の立ち幅跳び指導を追試した。
 「探偵!ナイトスクープ」において,5cmしか跳べなかった女性が143㎝跳べるようになった指導法の追試である。

 追試の依頼と指導案を3月に根本氏からいただいていた。
 しかし,東日本大震災で実践できなかった。

 現在,校内で体力・運動能力調査を行っているので,この機会に追試授業を行うこととした。

 実際に授業を行ったのは,教育実習で私のクラスに入っている宮城教育大学4年のS氏である。
 体育の授業で何をしたらいいか相談され,ちょうど体力・運動能力調査の時期でもあるので立ち幅跳びの授業をしてはどうかと提案し,根本氏の指導案を渡した。
 発問・指示・留意点は指導案に書かれているので,この通りに追試すれば授業が可能である。
 指導技術を持たない実習生にとって,追試は効果的である。
 機械的な真似であってもよい。
 追試することによって,すぐれた授業の組み立てが理解できるようになってくる。

 指導案では,2時間扱いとなっている。
 1時間目に記録を取り,2時間目に指導して前後の記録を比較する流れとなっている。

 6月16日,1時間目に私が授業を行った。
 授業といっても,場づくりをしてグループごとに立ち幅跳びの記録を測っただけである。

 同日の5時間目に,S氏が2時間目の授業を行った。

 先生が跳べない方法と跳べる方法でやってみます。どこが違うか,よく見ていてください。

 教師が示範した。

 Aは跳べない方法である。
 ①膝が伸びている ②踵がついている ③手の振りあげ振り下げができていないやり方である。
 示範すると,子どもから「ペンギンみたい」と笑い声が聞こえた。
 
 Bは跳べる方法である。
 ①膝が曲がっている ②つま先で跳んでいる ③手の振りあげ振り下げができているやり方である。
 「おー」という反応であった。