Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

くまさんのなみだ 2

2009-11-30 23:27:08 | 道徳
 次のように言った。

「先生ならAのように思う。
 ざまあみろと思う。
 あなたたちは本当に助けてあげようと思うのですか。
 普段,意地悪ばかりしてくる嫌な奴に対して,本当にそういう気持ちになるのですか。
 理想的な答えがBであることなど,誰だってわかる。
 先生が聞いているのは,いい答えはどちらかということではない。
 自分ならどう思うのかということなのだ。
 どうだ。あなたたちは『ざまあみろ』とは思わないのか。本当に心配するのか。」

 何という展開であろう。

 子どもは「いったいこの先生は何を言い出すのだ」と思って聞いていたに違いない。
 
 教師の意図どおりに理想的な答えを出してあげたのに,それを「嘘つき」と否定され,挙句の果てに「先生ならざまあみろと思う」とは,いったい何事なのだ。
 
 天地がひっくり返ったような思いで,子どもは聞いていただろう。
 
 もちろん本当にBのように思っているのなら,それは素晴らしいことである。
 しかし,22人もの子がBで,Aは2人だけというのは,どう考えても信じがたい。
 普段の子どもたちの様子から判断しても,そんなはずはないのである。
 
 理想的な解ばかりを発表しようとする子どもたち。
 いったい何なのだろうか。

 1年生の段階で,既に教師の意図を察知しようとするような子どもになってしまっているのである。

 子どもの中にあるこのような心をぶっ壊さなければ,本当の道徳の授業など成立しない。

 自分の本当の姿と向き合うことが大切なのである。
 大切なのは自己と正対することである。

 きれいごとの観念論に終始していたのでは,本当の学びにはならない。

くまさんのなみだ 1

2009-11-29 23:24:01 | 道徳
 11月25日,道徳で「くまさんのなみだ」(『みんなで考える道徳』1年 日本標準)という資料を使って授業をした。
 中心価値は友情,思いやりである。

 資料のストーリーは次の通りである。

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 森の動物たちが,仲よく相撲をして遊んでいました。
 そこに,よく意地悪するくまさんがやってきました。
 「何だ,相撲か。僕が一番力持ちだぞ。」
と,そばの木を抜いてみんなの邪魔をしました。
 ところがくまさんは,その木を足の上に落としてしまいました。
 「痛いよう。痛いよう。」   (後略)
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 ここまで資料を読み進めて,次のような発問をした。

 「自分が森の動物たちなら,くまさんを見てどう思いますか。」

 子どもたちの書く答えは,次のように分かれると予想した。

A.意地悪をするからバチがあたったんだ。
B.かわいそう。大変だ。助けてあげよう。

 子どもたちの書いている意見を机間巡視で把握していった。
 Bが22名と圧倒的に多く,Aは2人だけであった。
 
 まずBの意見を書いた子5名を指名し,発表させた。
 子どもたちは「うん,うん。そうだよね」と聞いている。
 
 次にSさんに発表させた。
 心の優しい子として,周囲からも認められている子である。
 SさんはAの意見を書いたのである。
 この意見を聞いた子どもたちから,「えー?」という声が聞かれた。

 当然理想的な答えはBである。
 圧倒的にBが多いとは,何と素直な考え方をするよい子たちなのであろう,授業も展開しやすいな,などとは私は考えなかった。

 「嘘をついている」と,子どもたちを追及した。
 自分が実際にそういう場面に出くわしたら,本当にBのように思うのか。現実的にはAではないのか。

サッカーの追試 3

2009-11-23 00:17:13 | 体育
 次にボールを使った動きに入る。

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 ボールを蹴って進みます。ドリブルといいます。
 コーンの間を通って5点取ったら,さっきと同じように2人組。
 2人で5点取ったら4人組。
 4人で5点取ったら,ボールを返してきます。
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 結果は,先ほどのボールを持たないときと同様であった。
 ほとんどの子は自分で声を出してペアを作った。そして,3人組になったグループがまたしても見られた。
 
 根本氏は,ここで
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 グループになって上手にドリブルするには,どうしたらよいか。
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と発問し,「きちんと止める」「どこを通るか決めておく」「チームワークが大切」などの意見を引き出している。
 発問によって,論理的な思考力を鍛えているのである。
 
 今回は時間がなくなり,発問できなかった。
 
 子どもたちにとって,活動量も十分であったし,コミュニケーションスキルを育むのにも適した内容であったと思う。

サッカーの追試 2

2009-11-22 00:13:44 | 体育
 ほとんどの子は自分で声を出してペアを作れたのだが,なかなか作れない子もいた。
 
 2人組で5点取ったペアと,1人で5点取った子がひとつになったため,3人組という状態になったところも複数あった。
 また,仲のよい友達と組むことに固執している子も見られた。
 
 私のクラスは24人なので,8人組だと3グループがちょうどできるはずなのだが,3人組グループができたために,うまくグループになれない子が出てきてしまった。
 
 8人にはなれないので,子どもたちは自分たちで6人組などを作って活動を続けていた。
 
 頃合いを見計らって活動をやめさせ,ボールを取りに行かせた。

 ボールを取ってきた子には,
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 ボールを椅子の代わりにして座ります。
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と指示しておいた。

根本実践では,ここでボールを使ったバランス運動をさせているのだが,するのを忘れてしまった。

ボールに座ったので,手いたずらをする子は少なかったのだが,空白時間が生じてしまった。

サッカーの追試 1

2009-11-21 00:09:42 | 体育
 11月20日,根本正雄氏のサッカーの授業(ジェフ千葉・池上正氏の追試)の前半部分を追試した。

 私の実践のねらいは,コミュニケーション能力を育てることである。
 根本氏の場合は,コミュニケーション能力に加え,言語能力と論理的思考力を育てる実践であるが,今回はその全てはねらっていない。

 根本氏の授業は,次の構成からなっている。

起…ボールを持たない動き・手押し相撲
承…ボールを使って2人組の動き
転…ドリブル
結…ゲーム

 今回は,単元を組み合わせて行っているため,時間が15分ほどしかなく,「起」「転」の部分を追試した。

 修正点としては,コーンの準備が大変なので,平たいマーカーコーンを使ったことである。

 まずは,ボールを持たない動きである。
 次のように説明した。

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 コーンとコーンの間を通ったら,1点です。
 1人で5点取ったら,「5点,5点…」と声を出して,5点取った人同士でペアをつくります。
 2人で手をつないで5点取ったら,また声を出して仲間を集め,4人組になります。
 4人で5点取ったら,8人組です。
 8人で5点取ったら,ボールを持ってきます。
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 説明だけでは分かりにくいので,子どもを使って演示した。

1年 体つくり運動 2

2009-11-08 00:39:07 | 体育
 新指導要領の重点事項である「論理的思考」「コミュニケーション能力」「言語活動」をどのように仕組んでいくかという問題がある。
 
 「論理的思考」に関しては,発問により運動のポイントをつかませることがこれにあたる。
 
 例えば,クマさん歩き。
 腕支持感覚を身につけさせるためには,腰が頭より高い位置にくるようにして歩くことが大切である。
 ところが,子どもの動きはそうなっていない場合がある。腰の位置が極端に低かったり,膝をついていたりすることがある。
 
 腕立て時計回り。
 腰を低くして回ることによって,腕支持感覚は身についていく。
 しかし,子どもの動きは腰が高くなっていることがある。
 
 このように,動きのポイントを外している場合,示範と発問によって正していく。
 
 上手な子に示範させ,そのときに次のように指示する。
 
■「○○君の動きはとても上手です。どこが上手なのか,見つけなさい。」

 ただ,この指示ではどこを見ればいいのか,運動観察の視点が分からないので,子どもがポイントを見付けられない場合がある。
 その場合,もっと具体的に運動観察の視点を与えて指示する必要がある。
 
■「○○君の腰の高さがどうなっているかを見なさい。」

 また,上手な動きを子どもに示範させ,下手な動きを教師が示範することも有効である。そして,

■「○○君と先生の動きでは,どこが違うだろうか。」

と発問する。
 子どもに比較検討させていくことにより,運動のポイントを引き出していく。
 
 「コミュニケーション能力」に関しては,仲間の運動の様子を観察したり,応援したりすることが,これにあたる。

 「言語活動」は,どのような動きがよいのか,動きの特徴を言語で表現させていくことが,これにあたる。

1年 体つくり運動 1

2009-11-07 23:15:43 | 体育
 『楽しい体育の授業』2月号の連載テーマは,「体つくり運動」である。
 「体つくり運動」は,「体ほぐしの運動」と「多様な動きをつくる運動遊び」とからなっている。

 「多様な動きをつくる運動遊び」に適しているのが,「折り返しの運動」である。

 「折り返しの運動」は,クマさん歩き,うさぎ跳び,アザラシなどのさまざまな動きをしながら,リレー形式で一定距離を折り返してくる活動である。

 ここで扱う運動は,主として跳び箱運動,マット運動,鉄棒運動などの器械運動の基礎感覚となるものである。中・高学年での器械運動につなげていくためにも,確実に習得させたい運動である。

 これらの基礎感覚は,低学年の時期でなければ習得させることが難しい。また,短期間で身につくものではない。したがって,長期的な見通しに立って繰り返し取り上げていくことが必要である。

 筑波大学附属小学校でも,1回につき15~20分程度で,年間20回ほど取り上げているようである。
 運動自体は強度があり,頻度も保障されているので長時間1時間全てを使って扱う必要はない。
 そのため,15~20分程度で組み合わせ単元として行っている。

 また,順番やルールを守って運動したり,仲間を応援したりするという態度を育てることも視野に入れて指導していく。
 
 折り返しの運動で行う各種の動きづくりを,私は準備運動の中で行っている。
 概ね次のような流れで行っている。

・太鼓に合わせた走
・腕立て時計回り
・後ろ向き走り
・ブリッジ
・スキップ
・かえるの足打ち
・ケンケンパー
・かえる倒立
・クマさん歩き
・かえるのダンス(腕立て川跳び)
・アザラシ
・ペアをつくってじゃんけんおんぶ
・うさぎ跳び
・ペアをつくってじゃんけん手押し車
・クモ歩き
・壁登り倒立

 これらを体育館で行う時間には,ほぼ毎回取り上げている。
 初めはできない子も多かったうさぎ跳びや壁登り倒立も,現在は確実にできる子が多くなってきている。反復練習の成果である。

 これらが「習得」にあたり,折り返しの運動は「活用」にあたる。