Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

佐藤式工作「パクパク人形」

2011-08-28 00:01:55 | 図画工作
  
 図工の時間,佐藤式工作「パクパク人形」を制作した。

 これまで1・3・4年生で実践したことがある。
 5年生での実践は初めてであったが,子どもたちは大変楽しそうに取り組んでいた。

 最初,私が作り方を説明しながら基本形を提示すると,「なんだか面白くなさそうだな」というつぶやきが聞こえた。
 この発言は無視したが,その子も作り始めると夢中になって取り組み,完成後は楽しそうに遊んでいた。

 「佐藤式工作公式サイト」によると,佐藤式工作の題材の基本的な考え方は,下記の3点である。

(1)目的の明確化
(2)方法の単純化
(3)子どもが喜ぶ

(1)目的の明確化
 作ったら,遊ぶ,飾る,使うなど作る目的がはっきりしている。
 教科書の教材では,何のために作っているのかが分からないものがある。廃材を使ってガラクタを作っているような感がするものもある。
 その点,今回の「パクパク人形」は遊ぶという目的が明確である。

(2)方法の単純化
 これまで難しいと思われてきたものでも,簡単な方法でできるようにしている。しかも,最低限身につけなければならない技能は押さえている。
 また,時間も多くは掛からない。今回も1時間程度でほとんどの子が完成した。

(3)子どもが喜ぶ
 子どもが夢中になって遊んだり,飾ったら楽しくなったりするようなものを題材としている。
 どの子もみんな笑顔であった。

酒井式鑑賞法 2

2011-05-30 22:36:31 | 図画工作
 一番挙手が多かった4番の絵を指し,次のように指示した。

 この作品のよいところを言ってもらいます。

 一番人気があるのだから,これは発言しやすい。

 「はさみの模様がきれいです」というので,断定的に「天才!」と褒めた。

 酒井式鑑賞法のポリシーは,いいところを探そう,いいところを見つけよう,見つけた人は天才という点である。
 次の子にも,その次の子にも「天才だなあ」「そんなところを見つけられるなんて,超天才!」と褒めていった。
 だんだんと子どもたちものってきて,発言が多くなっていく。

 2番目に挙手の多かった絵についても,同様に行っていった。

 問題は,挙手の少ない作品である。
 今回は,1人も手が挙がらなかった作品が2つあった。

 これに手が挙がらないというのは,けしからん。
 先生は,もうたくさんいいところを見つけました。
 誰か見つけた人はいませんか。


 このようにいうと,N君が手を挙げた。
 「迫力がある」
 
 「その通り!天才!他のと比べて,ダイナミックで迫力があるでしょう」と褒めた。
 
 子どもたちは「何としてもいいところを探そう」と本気になって鑑賞している。
 
 「初めに明るい色を塗って,その後に暗い色を塗っている」「ぼかしているところがある」など,次々に発言の輪が広がっていった。

【参考文献】
『DVD本 酒井式描画指導法② ごんぎつね』酒井臣吾・TOSS大和 編著(明治図書)

酒井式鑑賞法 1

2011-05-29 22:32:42 | 図画工作
 図工の評価項目に鑑賞がある。
 だが,実際にはあまり指導されていないのではないだろうか。

 27日,酒井式鑑賞法で「めざせ!ローラーの達人」の鑑賞を行った。

 まず,無作為に8点の作品を選び,黒板に貼った。

 この中から一番好きな絵を1つ,心の中で選びなさい。
 決まったら,誰にも聞かせないで,自分の胸にしまっておきます。
 
 
 何か発言する子がいると,その発言に惑わされて,自分で本当にいいと思うものを選ばなくなってしまう子が出てくる。

 先生が絵を指していきますから,それを選んだ人は手をパッと挙げなさい。

 「パッ」と挙げるように強調した。
 自信なさげに周囲の様子を見てから挙げる子がいるからである。
 自分の考えに自信を持てる子に育てたい。

 数えてみると,合計人数がクラスの人数と合わなかった。
 全員参加していないということである。

 野口芳宏氏も言っているが,授業は全員参加が鉄則である。
 自分の考えを持っていなければ,その後で友達の考えを聞いても何も感じないで終わってしまう。
 友達の考えに共感したり,「なぜか」「本当か」「正しいか」と考えながら聞いたりできるのは,自分の考えがあるからである。

 「授業は全員参加です。お客さんのようにただ見ているだけという人からは,入場料を取ります」といつも言っている。

 もう一度挙手させると,人数が合った。

しわしわ紙の大活躍!

2011-05-06 22:01:01 | 図画工作
 佐藤式工作「しわしわ紙の大活躍!」を追試した。
 2010年8月28日の「第11回楽しい絵画・工作教室in宮城」で佐藤昌彦氏より教わった教材である。
 
 佐藤式工作の大きな特徴のひとつは,「イメージが思い浮かばなくてもやってみる」ということである。
 アイディアが出なくても,目の前にあるものからイメージ化していくのである。
 
 とりあえず破ってみる。
 とりあえず丸めてみる。
 とりあえず置いてみる。

 とりあえずやってみることによって,イメージを広げていく。

 今日の授業では,まずはどんなものを作るのかを例示した。
 「楽しい絵画・工作教室」で撮った写真を何点かテレビに映して見せた。

 次に,作り方を簡単に説明した。

 (1)色画用紙を準備する
 (2)ちぎる
 (3)丸める
 (4)ひらく
 (5)部品をつくる
 (6)ボンドでくっつける

 これだけである。

 「アイディアをしっかりと練ってから始めてもいいです。アイディアが浮かばない人は,とりあえずちぎってみたり,とりあえず丸めてみたりすればよいです」と説明した。

 テーマは「動物・怪物・お化け」など,何でもよいことにした。
 たとえうまくいかなかったように思える作品も,「見たこともないような○○」という題名にすれば,いろいろな可能性が広がっていく。
 
 なかなかアイディアが浮かばず,進まない子もいた。
 しかし,私の「とりあえずやってみよう」という指示通りに,ちぎったり,丸めたりしている。そのうちにそれらを組み合わせて,作品をつくっていっていた。


 立体的に表せない子もいた。平面的な作品になってしまうのである。
 粘土での制作などでもこのようになってしまう子がいる。
 ものを立体として捉えることが難しいのかもしれない。
 手を貸して,どのようにすればいいのか具体的に示していった。

「セロハンテープを使ってよいか」という質問があったが,認めなかった。
 セロテープの使用を認めると,安易な方向に流れ,仕上がりが汚くなる。
 接着剤を使用する技法をしっかりと学んでほしい。

 結果的には,どの子も概ね満足のいく作品に仕上がったのではないかと感じる。


【参考文献】
『教室ツーウェイ』(明治図書)2010年7月号 佐藤昌彦氏論文
『教育トークライン』(東京教育技術研究所)2010年6月号 佐藤昌彦氏論文