ショッポ ～国産初のフィルター付たばこ～

ショッポ吸いがパッケージの
中を上下逆に入れるのはほん
のちょっとしたこだわりで
あるだけだ。
「尻に火をつけない」という。
これは1970年代初頭には既に
その「ショッポ呑み」の文化
があった。

50年以上のショッポ好きでも
今の時代いちいちそれはやら
ないケースも多いようだ。
所作挙動すべてにおいて自流
の古式伝統のみを全て墨守し
ていられない時代だからかも。
はっきしいうと、いちいち
だりぃ、というのもある。
だが、瞬息簡易な自流のしき
たりは守っていたりもする。
中箱のみ裏返しとか。
これにも意味があるのだが、
それは古いショッポ吸いしか
知らない。
ブーツは必ず左から履く、み
たいなもの。



10数年程前から中の湿気よけ
の銀紙に破線が入った。
だが、ショッポ吸いたちは
それは丸無視する。
自分の取り易いところまで
中箱を引き出して外箱の縁
を刃物替わりにして一気に
中の銀紙を切り取る。
これが新箱を開けた時の自
分流の定番所作のようなも
のだ。
人により銀紙を切るその上下
の高さの位置は異なる。
メーカーが施した銀紙の破
線などは余計なお世話でし
かないのだ。
それは、2013年に制定された
世紀の奇法「国民健康増進
法」導入以前の2005年から法
的に義務化されたタバコのパッ
ケージの健康に関する注意書
きについても同様だ。
大きなお世話なのだ。

喫煙ハラスメントは良くない
が、禁煙ファシズムはもっと
良くない。
だが、どうやら人類は健康の
美名の下に人をして人を排斥
せしむる事が美と誤認する脳
の働きが人間を支配するよう
になってしまったようだ。

なお、ショートホープは、ハチ
ミツフレーバーが入っている。
これは日本初のフィルター付
たばことしてホープが1957年
に発売された当初からだ。
2005年あたりに、ニコチンタ
ールの配分変更と共に味が多
少変わった。
大昔の1箱40円～90円時代の
ショッポのほうが強いたばこ
ながら甘みが今より強かった。
今は1箱300円。1本あたり30
円だ。

なお、本物のショッポ吸いは
ライトにしたりメンソールに
したりはしない。スタンダー
ドのショートホープで通す。
ロングが廃盤になった今、
箱のホープをショートホープ
というのも妙なものだが。
そして、当然、ショッポ吸い
は「きついから軽いたばこに」
などと言って銘柄を変更する
ことは拒否する。真ショッポ
吸いは。
太く短くガツンとまっすぐ。
それがショートホープだし、
ショッポを愛する人間のスタ
ンスだからだ。
軽い銘柄に換えて健康の為
云々言うくらいならたばこ
をやめろ、というやつ。
それ、単なる意志の弱い中
毒者でしょうよ。
やめる必要を感じたらやめれ
ばいいだろうに、スパンと。
自分を自分の行動でコント
ロールできないのなら、はな
からたばこ吸ったり酒飲んだ
りするなっつーの。
ショッポ好きとか自称しなが
ら軽い別ショッポにしたり、
他の銘柄に換える奴はとにか
くダサい。
これは他の銘柄でもそうだけ
どね。
軽いのに換えて健康の為に、
とか寝ぼけた事言ってる奴が
一番ダサい。
たばこやめなさい、そういう
のだったら。
まあ、大きなお世話だが。