ジョイント・プロテクター 〜アダム・オリジナル〜

 

アダム社オリジナルのジョイント・

プロテクター。

これは古い。1986年にヘルムス

テッターを購入した時にオマケ

で付けてくれた。

いつからこのタイプのジョイント・

プロテクターがあったのかは知ら

ないが、アダムが日本企業になり

日本国内でもキューを販売する

ようになった1986年にはこの
ロゴのタイプの物が既に存在
した。

今主流のPOM樹脂プロテクターで

はない。ABSとも異なる。

材質は普通のプラスチックのよう

に思える。

今でも大切に使っている。

キューの保護用部品だからと乱暴

ぞんざいには扱わない。

ネジはオスもメスも金属製。

オスはブラス製、メスはスチール

製が仕込まれているようだ。


バット用もシャフト用もトップに

はアダムのマークが型押しで
あしらわれている。グリフォン
だ。フランス語。

英語ではグリフィン。

紀元前3世紀にはこの紋様が見ら
れたらしい。
グリフォンは「知識」も意味する。

王家の紋章としても使用されて

来た。ゼウスやアポロンたち神々

の車を引く聖獣。

鷲の上半身とライオンの下半身を

持つ。金を守り、金を漁る人間を

引き裂くとの伝説がある。

アダムのロゴマークはグリフォン。

 

 

ちなみに「アダム」という名称の
意味は、ヘブライ語で「大地」

の男性形の事を指し、さらに
「人間」の意味も表す。

 

 

ネジによる違い 〜ビリヤードキューのジョイント〜

 

 

ビリヤードキューのバットとシャ

フトの連結には様々なネジが
使われている。

古くはすべてが5/16-18山だった。

それはそれがインチネジの60°角

のユニファイネジのアメリカ
での一般的な普及品だったからだ。

だが、5/16-14山という特殊ネジ

がジョイントねじとして登場して

から以降、いろいろなネジがビリ

ヤードキューに使用されるよう
になった。

 

あくまで私見だが、それらは他者

との差別化の為に導入されたのが

第一目的かと思う。台形ネジなど

はまさにそうだ。自分の所の製品

を他では連結して使えないように

するための。ネジにまで自己
刻印を施すのもその現れだろう。

 

そして、そのうちネジそのものが

種類により優れた打感や連結強度

を持つかのように販売宣伝される

ようになり、主として日本のマス

プロメーカーにより特殊なネジと

連結方法のキューが売り出された。

 

ビリヤードキュー程度の外力の

作用度において、ネジの種類に

よる結合性の良否は果たして発

生するのか。ネジの密着度数は

規定許容数値の上下の規定径の

精度によるのが工業界の常識だ

が、それを覆す物理的なものが、

果たしてビリヤードキューに
使用のネジで発生するのか。

誰も科学的に証明した人はいない。

だが、自己のオリジナルネジこそ

が最高とマスプロ各社やカスタム

ビルダーは謳う。

 

ビリヤードキューにおいて、打感

や一体感、振動特性の違いはネジ

種類によるものではなく、連
結の方式による影響のほうが強い
と思われる。極言すればネジは何
を使おうが同じだ。オスメス両木
ねじ以外。

 

そして、私自身の最大の疑問があ

る。

撞いてみて、「これは何という

ネジ」と私は特定できない。全く。

できる人が世の中にいるのだろう

か。

出来上がって研ぎ上げた日本刀を

見て「これは四方詰めで作られた」

と特定できる人は存在しないよう

に、ネジ特定は無理なのでは。

(刀は研ぎ減ると本三枚系のみは

それとなく推定はできますが、

それとて割鋼かどうかの類別断定

は切断してエッジングして顕微鏡

観察しないと特定はできません)

 

ビリヤードキューのジョイントの

ネジの種類の多さは、他者との

区別のみが実態効力としてあり、

工業的な、つまり力学的な作用は

ビリヤードキュー程度の衝撃物

では生じていないのでは、という

のが私の推測です。

明確な差異が存在するならば、

鋼材硬度のブリネルやロックウェ

ルやヴィッカースのような科学的

な試験で証明する何らかの方法を

キューの世界でも示して優位性を

強調するのでは、と思われる。

しかし、誰もそれはやらずに、

自社採用のネジは高度な優秀性を

持つと主張している。

何か違うように思えるのである。

 

私が5/16-18山にこだわるのは、

TADがそうであり、ジナがそうで

あるからで、かつてのアメリカの

スタンダードのネジだったから
だ。

日本のメートル法のネジでも
標準ピッチが存在するように。

いわゆる、標準品のど真ん中。

それを頑なに使用し続けるTADと

ジナとメウチには私は敬意を持つ。

流されていない、と。

 

多くのジョイントネジの種類を見

ていると、「他者との差別化」
がメインの目的だな、という
実相が浮かび上がって見えて
来る。

そして、ネジ本体でキューの性能

差は実は無いに等しい、という
事も。(木ねじは除く)

 

私は5/16-18山が好きなのである。

これは、歴史性云々を抜きにして、

完全なる個人的な好みとして。

一番締め込むのに回転数を要する

のが5/16-18山だ。

クイックリリースではない。真逆。

だが、それが良い。

手間のかかる和服の着物の帯を締

めるのが、もしマジックテープで

ちょちょいのチョイだったら、
それはあまりに味気ない、と
思えるように。

墨汁は便利だが、やはり毛筆の書

は墨を磨って書きたい、というよ

うな感覚に近い。

5/16-18山はお手軽ポンではない

ところが今の時代において貴重だ。

また、キューの世界ではかつては

全部18山だったのに、21世紀の

現代では18山は圧倒的少数派に

なった。

だからこそ良い。古式墨守で。

硯で磨る墨を守る。温故知新。

5/16-18山は、その空気を持って

いるように感じる。

 

マイカルタ

ガーバー シルバーナイト。

ハンドル材はマイカルタ。

スクリムショウはボーカー。

とても細かい彫り物だ。

アイボリーマイカルタ。

マイカルタとはリネンや紙や木の

ベース素材をレジンで固めた物だ。

ベークライトと同じような物。

経年変化で色が濃くなる。

合成樹脂なのに天然素材のように

パティーナというか色の変化が

現れる。

シースナイフなどで気をつけない

とならないのは、ナイフをシース

に入れっぱなしで保管すると、

マイカルタのハンドルは、シース

入れ部分と空気接触部分で色の

段付きになってしまう事です。

これ、ほんと。

相性

上:象牙先角

下:マイカルタ先角

ビリヤードキューは上からタップ、

先角、シャフト本体、リング、と

いう具合に部位がある。

この全ての物にはいろんな種類が

ある。

そして、それぞれ、相性が合う合

わないという物もある。

例えば、ハイテクシャフトに象牙

のような重い先角を着けたらキュー

先の逃げと戻りの振幅が大きく、

トビずれが大きくなり台無しに

なる、等。

手玉横トビの少なさのみでシャフト

の性能の良し悪しを判断するのは

明らかな誤謬だが、トビを抑える

設計ならば、それを崩す組み合わ

せは設計が無意味になる。

タップ、先角、シャフト本体の

如何、リング、ジョイントねじ

については、完全に撞き手の好み

に属する。

打感と音質については、象牙に

勝る物は現在無いが、象牙は重

過ぎるのでブンブンとキュー先

が揺れて手玉のトビが大きくな

る。シャフト先は横に素早く逃

げてシュッとすぐに戻る物が

手玉トビを抑えられる。

タップこそもろに撞き手の好み

そのもので選択される。

先角は完成時の物が標準だが、

その後リペアなどで別素材にした

りもする。

これも、硬度、粘り、反発力、音

等で撞き手はいらいろな素材を

選ぶ事が可能だ。

キューは、箱出しの下ろしたて

が標準だが、長く使って行くうち

にリペアが必要な場面も来る。

その時、どんな素材にするかで

キューの性質がかなり違って来

るので、研究が必要だ。

特に先角の素材は打感と音と動き

に大きな影響を及ぼす。

単独特性だけでなく、相性につ

いても、よくよく吟味するのが

間違いない。

シャフトとバットの相性

プールキューはどんなにシャフト

単体の性能が良くとも、バット

によってはその能力を発揮でき

ない事がある。

オールド・スタイルのソリッド

シャフトを持つカスタムキュー

に別物シャフトを装着するのは

キューの立脚を阻害するので避

けたほうがよい。

だが、マスプロラインのキュー

や、カスタムキューでも予め

別製造者シャフトの別売り物を

連結する事を前提に作られたキ

ューは別だ。そうしたキューは

シャフトのコンバージョンあり

きで作られているからだ。

それはハイテクやカーボンやソ

リッドウッドの類別を問わない。

また、例えばTADやザンボッテ

ィのバットにハイテクシャフト

を装着して使うのはナンセンス

だが、TAD製のシャフトを別な

バットに繋ぐのはアリとなる。

そのあたりは認識と識別、弁別

の問題。何でもかんでも同一で

はないという案件。

A＝Bの場合、A≠Cであっても

B＝Cが成立する事がある。

それには別な条件が付加される

からだ。

そこらあたりが認識と識別の要

になる。

プールキューの場合、オールド・

スタイルの個人ビルダーのキュー

のバットに別物シャフト連結は

ナンセンスであり、同時に別要素

として製作者への敬意を欠くもの

だが、その作者のシャフト単体を

マスプロライン等の別物バットに

連結するのはアリとなる。

それは、カスタムが立ち位置では

優位性を持ち、両者をジョイント

させる物理形態は同じであっても、

「カスタムシャフトをマスプロ

バットに繋いで優秀性を得よう

とする」事になるからだ。

キューはシャフトのほうに性能の

比重が寄るのでそうなる。

カスタムキューのシャフトを別物

の別製品バットに繋ぐ事は、カス

タムキューのバットに別物シャフ

トを繋ぐ事とは同一事案としては

成立しないのだ。

しかし、シャフト単体ではバット

との相性というものが確実に存在

する。

キュー性能はシャフト能力が6割

以上(時に8割)占めるが、その良質

性能を発揮できないバットも存在

する。

そして、そのバットは、駄目バット

ではなく、相性の問題として表出

する現象が確実に存在するのであ

る。

プロフェッショナルのテスターた

ちは、そのあたりについては深く

理解しているだろう。

最近の素晴らしい新潮流としては、

カーボンシャフトのジョイント

変換パーツで、中が空洞のカーボ

ンシャフトの基部のネジプラグが

色々なバットネジに変更できる

ようなシステムになっている事だ。

これまでも変換パーツはあったが、

物理的に長さ増しと重量増しにな

ってしまっていた。

それをシャフトの中に収納できる

変換プラグにより、手持ちのバット

のどのネジにも対応できるように

なった。

これは、ビリヤードの歴史の中で

大革命だ。

素晴らしい発想と実現化といえる。

化学素材を使っているからできる

事だろう。

木製のソリッドウッドシャフトの

場合、良質な撞球特性はある程度

事前に見抜く事はできる。

それは、無垢木シャフトで音質が

高音で澄んでいる個体には外れが

全く無い、という一つの事実だ。

撞球性能が良いソリッドでも良音

を発しない物もあるが、良音を発

する個体には撞球性能が低い個体

は存在しない。イコールではない

それ。

これも事実の識別の問題だが、良音

がする物には外れ無し、と覚えれ

ば理解し易い。

だがしかし、音が悪くとも良い物

もある、と。良質性具備イコール

良音発生、ではない。

私がプールキューで一番好きな

ネジ山は5/16-18山だ。

それには理由がある。

塗装用吊るしジグ

リペアマンの人が廃業する時に

くれた塗装用吊るしジグ。

これは5/16-18山用。

何種類かある。

デルリン製。

これ、何かと便利です。

キューのお尻のゴム

思うに、キューのお尻のゴムは

このヘッド形状が一番良いと思う。

理由は傾けて床に着けた時のバン

パー効果が高いから。

よく円筒形をスライスカットした

ような形状のゴムがあるが、あれ

は物理的にあまり良くない。偏摩

耗が激しいのだ。筒の角が立って

いるというのもあるだろう。

またキノコ形の頭を平にカットし

たような形のゴムも多い。

それもこの画像のような緩やかな

Rではなく角が立つので、床との

接触面の外圧の逃げが360度方向

に拡散するR面ではなく、点もし

くは線で圧を受けるので、ダンパー

ゴムとしてのバンパー効果は薄く、

偏摩耗するし、キューの保護の観

点からも最適な形状とはいえない。

キノコ形もしくは、この画像のバ

ラブシュカタイプのような緩やか

なR面のトップ面を持つバンパー

ゴムがキュー保護の観点からは秀

でていると思える。

TADのお尻は良い感じ。

自作キュー

【ビリヤード】祝！ビリヤードのキュー第1号完成！！


いいすね～。自作キュー。

ビューチホー。


塗りうまっ！
ウレタンかな。


かわいい。
黒猫さんのワンポイント。

四条虎徹

 

新選組斎藤一が京都四条の夜見世

で掘り出して来た正真虎徹興里の

ような一刀。

 

テーパーを削ってクリアを塗り直

した。






夜、友人がうちに遊びに来たので、

見せたら大笑いしていた。

「なにこれ？別物じゃん」と。

先週末は白樹脂部分が真っ黄色

だったからだ。黄色というか、

はちみつ色にクリアが黄化して

いた。

だが、まだケースには入れない。

完全に乾くまで暫くの間は部屋の

中に吊るしておく。

完全乾燥していないのにケース

に入れると、ケース内部の内張り
繊維で型押ししたようになり、
クリアに痕がつくからだ。

リペア業者に塗装依頼して、生乾
きのままケースに入れて返送され
た事があった。ケース内部の繊維
で型押しされてクリア面が凹ん
でいた。ハンコ押したように。
繊維のケバケバまで着いて。

そのキューは自分でリペア塗装

と研磨と乾燥とポリッシュをし

た。リペアに出して自分でリペ

ア。なんだそれ。

それゆえ、DIY塗装ではクリアは

どんな塗料でも完全に乾くのを

待つ事にしている。

フェルール磨き

 

 

#4000のフィルムシートで磨い
た。

まだ光に透かしてこらして見ると

微小の細かい研ぎ筋は残っている

が、そこそこの仕上がりには
なった。

 

私は先角は常にピカピカでないと

気に入らない。チョークまみれ、

疵まみれのままなどは絶対に嫌
だ。

手入れの行き届いた日本刀のよう

に、常に清浄にさせておきたい。

私の持ちキューの数十本のすべて

のシャフトはいつもピカピカだ。

常に整備されて戦闘準備OKだ。

穴ポコチョークを使う人は先角に
はチョークがこすれて線が確実に
円周で入っている。チョークが
穴になる程なので、先角が汚れ
ようが構わないのだろう。

チョークには研磨剤も入っている。
先角を毎回横に削っている事になる。
キューをプレー以外で自分で疵つけ
ている。
私はそれは避けたい。

 

先角の簡単な手入れ法としては、

細かいペーパーで丁寧に磨いた

後に、ボトルネックのようなガ

ラスで樹脂の目を丹念に潰す方

法がある。野球の木製バットの

目をガラス瓶で潰す野球選手の

道具の手入れのように。

樹脂先角は、これによりかなり

テカテカに光る。大昔から先達

たちが伝承して来た方法だ。

但し、象牙や骨や角には使えない。
あくまで合成樹脂のみ。

施工は自己責任で。

 

光ってハレーション起こしちゃっ

てる。