広島城にて拵展が開催中です。
赤穂義士不破数右衛門による兜試し。
講談、歌舞伎、浄瑠璃、小説、映画、漫画
と現実を混同してはいけない。
また、現実社会においても、自作兜試し用
の刀剣5口を丁子刃にて製作したが、一刀
たりとも斬鉄できず、仕方なく小林康宏の
刀剣をあたかも自作であるかのように偽装
してテレビ番組の撮影をしてドキュメンタ
リー映画化したりしてもいけない。
それはねつ造だからだ。
触れてはならない業界の闇となっている
事実は、番組製作スタッフによって暴露
されている。
そして、切った兜は、シーンカットによっ
て切り口が広げられている。
スタッフが手で広げたのだ。
また、切り込みで構えた刀は刃の低い刀、
その前にヤカンやパイプ椅子を切断して
いるのも康宏刀である。
しかし、件の刀工が兜試し用にと打ち上げ
て見せた刀は大丁子だ。
・別な刀であること。
・切った兜の切り口を人為的に広げられて
いること。
この2点は明確に映像に残されている。
しかし、かつて慶應義塾では、無知な講師
が日本刀の凄さとして講義にこの映像を用
いて学生に文科省の単位を与えていた。
裏も取れている明らかなやらせねつ造映像
であるのに。
その動画はYouTubeにもアップされ、とん
でもない再生回数となっている。
残された映像から、果たしてどれだけの
人間が映し残された真実を見抜けるのか。
ただ、小林康宏本人はこの撮影の件を知
らなかった。
良心が咎めたのか、康宏本人に製作スタッ
フが事実を打ち明けて、それを初めて知っ
たのである。
斬鉄できる刀をいくらやっても作れない
から、撮影の話が来た時に「小林さんの
刀を借りようかなあ」と件の刀工が冗談
混じりに言っていたことも。
30余年前のやらせ横行時代のテレビ番組
が製作した虚偽映像が、今亡霊のように
YouTubeで一人歩きしている。
ただ、腐れ切った日本刀の刀剣界はまだ
まともな面もある。
真実を見抜いている人たち、事実を知る
人たちは斯界に多く、忖度ではあるのだ
が、大御所がやらかした世紀のねつ造に
は触れるな、そのことを口に出すな、と
いうタブーが徹底されているのである。
しかし、少し考えれば解る事だ。
なぜ、触れてはならないのか。
それはそこにこそ、真実が如何なるもの
かの証左が存在する。
公明正大なものであるならば、多いに称賛
されてしかるべきのところ、真実を知る
刀剣界の人たちは絶対に触れてはならない
タブーとして取り扱って「見なかった事」
にしてきた。タイムリーに撮影当時刀職
にあった古い人たちほどそうだ。
それは何が事実であるかを指し示す。
刀剣界のその人たちは、心に真(まこと)
は無くとも、真実がどうであったかを確実
に知っている正直者なのだ。
見たくもない、聞きたくもない嘘を知って
しまった、というところだろう。
その「見ざる、言わざる、聞かざる」の
態度は、真率なだけであるのだ。
不正を糾すことをしたら自分に火の粉が
降りかかるので、裸の王様には追従する
ことにしているのだろう。
それでもよいのではなかろうか。
刀職たちは武士の持ち物を作りながらも、
武士ではないのだから、「花は桜木、人は
武士」の武士ではない。
我が身可愛さの臆病なストレイシープたち
に罪は無い。