トンネル。

いつの頃からかはっきりわからないが，ずっと長くて暗いトンネルの中を歩き続けている。

出口があると信じて前に進んでいたのかどうか疑わしい。そもそも本気でトンネルから抜け出したいのか，肝心なところがわからない。

今では暗さに目が慣れ，居心地の良さを覚えているような気さえする。

とぼとぼと歩いていたつもりだったが，いつの間にか座り込んでしまっていたようだ。どちらが進むべき道だったかすらわからなくなって途方に暮れている。

このままでは，多分，いけない。

しかし，なぜいけないのか，理由がわからない。

もし出口に到達したとしても，明るい陽の光にさらされることに耐えられるのだろうか。

出口に向かって進むことをやめてしまった今では，そんな懸念など必要ないのかもしれない。

体と心が重くて，立ち上がる気すらおきない。