英語と子育て

英語を通して子どもたちの夢をサポートするブログです

憧れの通訳ガイド

2020-03-15 | 英語学習
20代、留学から帰ってきて、時々通訳ガイドのアルバイトを頼まれました。

ちゃんと資格があったわけではありませんが、英語が話せるというだけで、いいアルバイトでした。

その中でも忘れられない思い出があります。

あるアメリカの観光客団体が鳥羽の真珠島へ行ったのですが、そのトイレであるご婦人が滑って転んでしまったー悪いことに、大腿部骨折だったのです。

「明日から行ってくれない? 誰もいないんだわ」と電話を受け、荷物を詰めて伊勢市民病院へ行きました。

そこでそのご婦人に一週間付き添いました。

当時の若い私は「おもてなし」どころか「ホスピタリティ」のかけらもなく、とにかくお医者さんがおっしゃることを正確に伝えないといけないという使命だけで、辞書を見ながら必死でした。

今だったら、もっと彼女を力づけるとか、おもしろいことでも言って笑わせてあげることができたと思うのですが、今思い出しても申し訳ない思いでいっぱいです。

それでも、アメリカで手術を受けることになり息子さんが迎えにきて見送る時は、笑顔いっぱいに感謝を述べてくれて、こちらがお礼を言わなくてはいけないのに、申し訳なさで涙がでました

あれから40年近くたちますが、私の中では「通訳ガイド」はずっと憧れです 

資格の中では難関中の難関、英語力だけでは合格できない資格です。

その試験に、私のスクールの先生のAzusaさんが合格しました

仕事と主婦業と母親業をこなしながらの合格、本当に素晴らしい

今回、「みんなの刺激になるから合格体験記を書いて!」とお願いしたら快諾して書いてくれました。

これから通訳ガイドを目指す方にもとても参考になる内容です。
是非読んでくださいませ。

       

<全国通訳案内士・私の合格体験記>
「全国通訳案内士」は、外国語、日本史、日本地理、一般常識、通訳案内の実務の5科目の一次試験と、外国語での2次試験から構成される観光庁が実施する国家試験です。
(通訳ガイド制度は、平成30年1月4日より改正通訳案内士法が施行され、通訳案内士は「全国通訳案内士」となるほか、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、資格を有さなくても有償で通訳案内業務を行えるようになるなど、通訳案内士制度が大きく変わりました。)

① 受験の動機
20代の頃から、学生時代の友人(米、韓、台)を地元の奈良、京都、大阪に案内する機会が度々あり、観光案内に興味を持っていましたが、2020年のオリンピック・パラリンピックと、2025年の大阪万博で訪日客をもてなす最高の機会だと思い受験を決意しました。
また、若い頃よりも日本文化に惹かれ始め、自分自身のためにも、一度はしっかりと勉強し、日本について学びたいという気持ちも芽生えての受験となりました。

② 第1次試験対策
初めての挑戦は2018年度(新しく学ぶことの楽しさを伝えたかったのと、勉強への喝を入れたかった)。
学生時代のように時間もなければ、集中力もなく、毎晩2時間程度を勉強に当てましたが、気づけば頭は勝手に机に伏しているような状態でした。そんな中、覚えなくてはいけない項目を、小さなノートにまとめ、隙間時間を見つけては小まめにチェックしていました。また、どうしても眠たい時は、新聞を読みながら、試験に出そうな記事をスクラップしながら睡魔から逃れていました。

<外国語/英語>
2-3年分の過去問を解いただけにとどまりました。
英検1級やTOEIC900点以上で英語試験は免除になりますが、これらのレベルをクリアするよりも断然易しいと思います。

<日本史、日本地理>
過去問を数年分解きました。本屋やネットを参考に、自分が馴染めそうな日本史図録や地図帳を購入しました。それを眺めているだけでも、とても面白かったです。

歴女ではありませんが、比較的、昔から日本史が好きで、子どもの頃からNHKの大河ドラマはよく観ていました。学生の頃、歴史の教科書を丸暗記していた項目も、ネットからの詳しい史実や、ブラタモリ、オリラジの中田がやっているU-tube大学などを参考に丸暗記項目とリンクさせ、一つの歴史の流れにつなげる行程、そうだったのか!という発見が今までと違い、学ぶことの楽しさでした。これは、KECで子ども達にティーチングしている際に、そういう風な発見をさせてあげられることが子どもの学びの楽しさにも繋がることだと、身を持って感じたことでした。

地理では、今まで自分が足を運んだ場所や、ニュースや友人が訪れた観光地の話も全て参考になりました。地図帳(旅に出たくなる日本地図/帝国書院)で見た興味の湧いた場所、試験に出そうな観光地はネットで検索して、更に色々な情報を頭にインプットしました。
←本当に旅に出たくなり、次々と次の旅行の候補地ができあがりました。

<一般常識>
情報源は新聞やテレビ、ネット、全てからです。政治や経済、文化、映画、流行もの、なんでもアンテナをはっていました。

<通訳案内の実務>
観光庁研修テキストを何度か読みました。

③ 第2次(口述)試験対策
2018年度は1次試験合格にも関わらず、不合格でした。1次の地理が絶対にダメだと思い込んでいたので、合格通知が来てビックリでした。通知後から2次試験までは1カ月。慌てて勉強しましたが、時間も、実力も足りなかったと思います。
2019年度。1次試験免除のため、12月の試験に向けて9月頃から勉強をスタートしました。

*通訳問題<日本語→英語>
面接委員が日本文を読み上げるので、その内容を英語へ通訳する。その後、問題文に関連した質疑がされ、英語で答える。この質疑が、実際の現場でおこりうることを想定した内容となっていて、通訳案内の現場で必要となる知識や、それらの外国語訳及び案内士として求められる対応力を採点されます。

*プレゼンテーション問題:トピックが書かれた3枚のカードから1枚を選び、30秒でプレゼン内容を考える。その後、2分間のプレゼンテーションを行い、トピックに関連した質疑に答える。
分野は、多岐にわたります。↓↓↓
観光・地理関連(高山祭、姫路城、富士山)、現代社会関連(交番、日本の免税制度、民泊、インスタ映え、待機児童、タピオカ)、伝統文化関連(浮世絵、文楽、相撲、和紙)、食べ物関連(和食、おせち、たこ焼き、パクチー)、暦・行事関連(お彼岸、お盆、冬至)
今年の私のお題は「天橋立、カプセルホテル、味噌田楽」でした。

日本に関する事でも、意外と説明できないことが多く、2分間のプレゼンをするほどの知識がないので、1分20-30秒のスピーチがせいぜいでした。そこで、日本の観光名所や文化に関する参考書でひな形を丸暗記(難しい言い回しは自分の言葉へ言い換え)、そして2分間に結びつくよう肉付けしていきました。その後は、インプット、アウトプットの繰り返しです。例えばうどんを食べていたら、「うどん」で2分のプレゼンを考え、2分に満たない場合は、食後にうどんの種類や作り方、歴史を調べて「うどん」のプレゼンを考えました。テレビで流行りの「タピオカ」を聞くと、タピオカのプレゼンも考えました。忍者体験のできる民泊や、秋田犬と触れ合える民泊情報を得ると、民泊のプレゼン内容を更新しました。
目にとまるもの、聞くこと、試験に繋がりそうな内容は、全て英語で説明できるよう練習しました。

質疑問題に関しては現役通訳案内士のKeikoさん(スクールの同僚でもあります)に、色々な状況を想定して、通訳案内士としてどう対応するのかをアドバイスしてもらったり、解答案を一緒に考えてもらいました。Sharmin(スクールの外国人講師のひとり)にもイスラム教について、色々と質問させてもらい、特に日本での外食はどうしているのかといった事を教えてもらいました。(ex.どうしてもラーメンを食べたいイスラムのお客様をアテンドしている際の対応の仕方。条件:近くにラーメン屋もなければ、ハラルの食事を提供できるレストランもない)
2次試験全体で心掛けたことは、丁寧に解りやすく話すことです。様々な文化的背景をもつ外国人に日本の文化等を伝えるには、誰にでも解りやすい話し方が必要不可欠であると思いました。KECで子ども達に英語を話す時に、難しいテーマや、基礎知識がないテーマだと、なかなかピンとこない顔をしている子ども達をよく見かけました。その際に導入の仕方や、言い方、アプローチの仕方を変えたりする方法は、この口述試験でも役立ったように思います。

④ 今後の抱負
通訳案内士としての資格は得ましたが、仕事として案内するには、まだまだ自信がありません。しかし、学んだことを活かして少しでも経験が積めるといいなと思います。
東京オリンピックでは、去年、公式ボランティアに応募しましたが、落選してしまいました。しかし、折角の機会ですので、まずは名古屋のボランティアガイドとして、登録し活動したいと考えています。今は、名古屋の事も知識が不十分です。これからは名古屋の武将や文化も知っていきたいと思っています。学ぶこと、まだまだあって、これからも楽しみです!!

     

どうでしたか?

夢を実現するって素晴らしいことですね。

みなさんも夢の実現に向かってチャレンジしてみてください

追記:わたしも「ブラタモリ」毎週観て学んでま~す~