身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

1年前の昨日の記事

2012年10月10日 05時06分43秒 | 1-1.菊名エコクラブの町なか自然教室
菊名池の生きもの自然調査報告(後半)
「菊名池公園の自然と生きもの展」終了後の課題として考えていた、菊名池の生きもの自然調査。今回は池の水深とワナによる小型魚介類の捕獲を行ないました。水深の調査結果は以下のとおり...



 これは1年前の昨日に描いた記事です。
 あれからもう1年経ったのだなぁと思います。
 できれば菊名池でも定期的に調査や自然観察に入りたいと考えてはいます。

 それは篠原池と同様、菊名池もまた「港北区基本方針」の中で、「水と緑
の方針」では「公園などに水や緑を確保し、多様な生物が生息できる環境(
ビオトープ)となるよう配慮すること」が、また「地区別方針」の中では
「菊名池なその生物生息環境の保全を図ること」が目標としてかかげられて
いるからです。

 2008年3月、菊名池の管理行政機関である港北土木事務所は、菊名池の水
を抜いて池の全面にまで広がったハスの除去を始めました。
 ハスの除去をすること自体は大変良かったと思います。
 ところがハスをはじめ、ブラックバスやブルーギルによって生息数を極端
に減らしてしまったモツゴ(クチボソ)やスジエビは救出せず、コイとフナ
だけを救出して隣のプールへと移したのは、非常に良くなかったと言わざる
を得ません。

 なぜはら菊名池のコイとフナは養殖されたもので他の小魚や小エビ、水生
昆虫などを貪欲に食べてしまう丈夫な魚です。
 これに対し、モツゴ(クチボソ)やスジエビといった小型魚介類は昔から
菊名池に生息しているのに、これらの外来種によって、すでに数を減らして
しまっていたからです。

 外来種の影響で、菊名池で絶滅寸前にまで追い込まれていたこれらの小型
魚介類を救出せずに水を抜いてしまったことは、絶滅寸前の状態にさらに追
い討ちをかける行為でしかありません。

 新聞ではプールに移されたコイとフナが多量に死んでしまったということ
ばかりが報道されましたが、生物多様性の保全あるいは生物生息環境(ビオ
トープ)保全の観点からすれば、小型魚介類を救出せずに池の水を抜いたこ
との方が、非常にまずいことだったのです。

 1980年代及び1990年代、菊名池が現在の大きさになってから最も多種多様
な生物の生息場所となっていたことを思うと、このような仕打ちを受けた菊
名池が非常に残念でなならず、大変気がかりです。
 そのため菊名池でも「港北区まちづくり方針」の推進のために、少しでも
何か活動できないものかと常々考え、様子を見計らってはちびちびと活動
しているといった状況です。

 行政は部署や担当者によって対応にかなり大きなの差があります。
 港北区のまちづくり方針として立派な目標があるのに、それがなかなか
推進されないのはそのためです。
 かなり前からやっていることですが、関連機関との調整を継続しています。


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