身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

「菊名池公園の自然と生きもの展」 終了後の課題 (後半)

2011年10月08日 08時33分46秒 | 2-4.菊名池
菊名池は数年ほど前までは、昔ながらの色々な生きものたちの生息する良好な自然環境が形成されていましたが、この数年ですっかり変わってしまいました。
それは、テレビなどでも外来種問題として取り上げられている、ブルーギルやブラックバスなどが菊名池にも持ち込まれた上に、同様に外来種である植物のハスまでもが入れられたためです。

↑写真解説
菊名池公園内に設置されている「菊名池の生きもの」パネル。
このパネルは今となっては、数年前まで多種多様な生きものたちの生息場所となっていた時期の菊名池の模式図、過去の菊名池の状態を示したものとなってしまいました。

2008年に行なわれた菊名池の浚渫工事で、これらの外来種は駆除されました。
しかしながら、菊名池で絶滅または激減してしまった生きものたちの保護や生息環境を回復するための措置は行なわれませんでした。
このことを重く見た私は、この工事中に調査を申し入れ、その結果をまとめて提出するということもしています。

↑写真解説
2008年3月、菊名池の浚渫工事の際に行った生きもの調査結果。
私をはじめ、三ッ池公園でボランティア活動する方、地域の子供や父兄の方たちで集まり、生きもの調査を行いました。
ブルーギルやブラックバスは確認されましたが、菊名池に昔から生息していた小魚であるモツゴ(クチボソ)、ヨシノボリ、ドジョウ、小エビであるスジエビ、テナガエビ、ヌマエビは1匹も確認されませんでした。

また、その直後には正式に調査協力依頼を受けて、「(仮称)菊名池改修工事に伴う水生生物補足調査業務委託報告書」を作成。
この時、依頼を受けた調査員の立場で菊名池の中にも入りました。
報告書の中では、これらの調査結果を踏まえて、目標とすべき菊名池の将来像(下図参照)やそれに必要な作業内容、全体のフローチャートも記述しています。
これらも、こうした項目を報告書に入れてほしいとの要望が行政からあったからです。
ですが、3年経った現在になっても菊名池の自然環境を回復させるための措置は何も行なわれていません。



港北区には「まちづくり基本方針」というものがあり、「菊名池の生物生息環境を保全する」ことも目標の一つになっています。(下図参照)



「目標とすべき菊名池の将来像」はこれをベースに設定されています。
しかしこれは、始めに示した菊名池公園内に設置されている「菊名池の生きもの」パネルに描かれている自然環境にほかなりません。
つまり「目標とすべき菊名池の将来像」とは、数年前までの自然環境の良好だった菊名池の姿を回復させるということなのです。

なかなか自然環境回復措置が行なわれない理由の一つとして、行政の方も予算が限られていて、なかなかそこまでできないということがあります。
こうしたことも理解している私としては、それならば仕事(一時的な内職)となるかボランティアとしてやるに関係なく、地元の自然を次世代に残していきたいという強い思いを持つ市民ボランティアの立場で、調査をしようということになったのです。

この調査は27日に実施しましたので、次の記事で結果を報告することにします。

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