団塊の世代の大量退職が始まる2007年問題のひとつに暗黙知の継承というものがクローズアップされている。暗黙知は文章で表すことの出来る形式知とは対極にある概念らしい。
従来日本の会社は暗黙知の継承がスムーズにされており、技術や物造りの根幹を支えていた。ところが近年の人員削減や派遣労働の常態化で暗黙知の継承が危惧されるようになっている。
バブルの崩壊やグローバルな競争の激化でやむを得ない一面はあるもののとても残念な気がしている。暗黙知は理論の理解と実践の積み重ねで身につけるものと思う。確かに情報処理の進化で暗黙知はある程度形式知にはなりうる。だが物造りの現場で本当にキーになる技術は形式知にはなり得ないと感じる。
物事すべてがデジタル的に処理が出来れば良いが、最後にはアナログ的な感性が決め手になるような気がしている。
仕事の成果は数字が見えやすく大事だろうが、数字で見えない部分も見ていかないと成熟した組織にはならないだろう。これは個人に例えると外面と内面、体と心の関係にも行きつく。内面も磨かないと片手落ちになるんだろう。