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季刊 SEXUALITY 2009年10月号の特集は『障害のある人たちの性と生』を読んで

2009-11-20 02:31:53 | 障害
季刊 SEXUALITY (セクシュアリティ) 2009年 10月号 [雑誌]

エイデル研究所

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 現在、書店で売られている「季刊 SEXUALITY (セクシュアリティ) 2009年 10月号 」の特集は、「障害のある人たちの性と生」という大切なテーマを取り扱っています。ともすれば、「抑えておくもの」「隠しておくもの」「寝た子を起こしてはならないもの」などと、受け止められることも少なくはなかった障害者の性をめぐる問題点を、障害者の人権という視点からとらえ直した特集記事です。
 かつて、障害者の就学免除制度が当たり前のこととして存在していたのも、さほど過去の事ではありません。また、特殊教育と呼ばれていた時代の「練馬方式」などの教育法の間違いも、まだ、尾を引きずっているのかもしれません。

 この本の企画は6年前にされたそうですが、都立七生養護学校(現支援学校)において行われていた先進的な性教育に対する東京都、都議会議員、産経新聞等による不当なバッシングなどがあって、出版が遅れていたようです。今年、3月12日に、東京地裁で七生養護学校「こころとからだの学習裁判」で、不当な教育介入が断罪され、また、政権交代により、悪法であった障害者自立支援法の廃止が厚労省の大臣が廃止を断言しています。こうした流れの中での、出版はとても意義のあるものです。
 日本が2007年に署名して批准のための準備を進めている、国連の「障害者の権利に関する条約」第23条では、「自由な婚姻の権利」「生殖の自由と教育を受ける権利」が保障されています。

 七生養護学校のバッシングの当事者は、未だ、その非を認めることなく、裁判は現在控訴されています。日野選出の都会議員は、街頭で、不当判決に抗議すると演説を行ったそうです。その時の、のぼりには「純潔教育」の文字が描かれていたそうです。純潔教育は、戦時中、兵士が安心して戦えるように、銃後の女性に対して求められたものです。性教育のバッシングは、戦争が出来る国を目指すことに深く結びついています。戦時中は、障害者は、非国民、ごくつぶしの存在とされていました。

 特集記事は、七生養護学校の卒業生の座談会をはじめ、当事者の声も載っています。精神障害者と性の問題、ゲイの聴覚障害者の気持ちなども紹介されています。

 障害者の問題行動も、「発達要求」ととらえる視点など、この特集記事で、考え、実行していかなくてはならないことの認識が深まるのではないでしょうか。

 知的障害者の子育て日記のマンガ「だいすき!!」も紹介されていました。

だいすき!! 10―ゆずの子育て日記 (Be・Loveコミックス)
愛本 みずほ
講談社

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