トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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今日の園芸日記/アイスプラントの花

2009-07-30 23:48:38 | 日記
 今日は、朝から晴れていた。どうも、天気予報は当たらないようだ。今は、雨が降っているが。

 アイスプラントの苗は順調に育っているが、水分が足りないのか、サラダで食べるようなみずみずしい葉ではない。他の多肉植物のように、乾燥に耐えているような感じの葉である。

 この所、しばらく天気が悪かったので、水やりの方ほお休み状態であった。今日は、晴れたことだし、透析から帰宅後、水やりをしようとアイスプラントを見てみると、たくさんの白い花をつけていた。一応、メセンの仲間なので、ある程度は、花の様子は予想できたが、案外、地味な花であった。よくいえば、可憐に咲いていたということだろう。
 葉の先が赤いのは、前から気になっていたのだが、育て方によるもののようだ。

 実生の苗は、まだ、株分けをしていない。もう少し、放置栽培して様子を見ようと思う。


第32回納涼能②『大江山』

2009-07-30 00:39:35 | 演劇・舞台
 能『大江山』(金剛流)
  前シテ(酒吞童子)後シテ(鬼) 金剛永謹
  ワキ(源頼光)         森 常好
  ワキツレ(独武者・保昌・貞光・季武・綱・金時等 登場は5人)
  間(強力)           善竹十郎
  間(童子の捕らわれた都女)   善竹富太郎

 一昔前までは、酒吞童子といえば、子どもでも知っている話であった。しかし、他の多くの伝承とともに、人々から忘れ去られていく運命なのだろう。
 酒吞童子に関する伝承で最も古いものは、「大江山絵詞」であるが、作者には吉田兼好をする説もある。平安時代に、大江山に住んでいた山賊を、源頼光らが退治したのが、鬼退治の話に転化したのであろう。なお、漫画の中には、当時、日本に住み着いた異国の人間を鬼と解釈した話をあった。

 話は、源頼光一行が、勅命を受けて、丹波の国大江山に住む酒吞童子を退治に向かうところから始まる。彼らは、山伏の姿に身を変えて、酒吞童子に近づく計略であった。

 この能は、ワキと間の狂言方も活躍する作品である。頼光の家来の強力と、鬼にとらえられた都の女との狂言方のやり取りが面白い。この女の手引きで、頼光ら一行は、酒吞童子のもとで宿を借りることができる。

 酒吞童子は、前シテでは、童子の姿で現れる。この鬼は、かなり人間臭いというか、弱みを頼光らの前で見せる。もともとは、比叡山に住んでいたのだが、最長が延暦寺を構えるに際して追い出され、諸国をさまよった結果、大江山に暮らすようになた。「一稚児二山王」という諺があった。山王とは、延暦寺の鎮守する日枝神社である。諺の意味は、延暦寺の僧侶、つまりは山法師は、山王よりも、美しい稚児を大切にしたことを諷したものである。いわゆる当時の稚児潅頂を経た稚児に対する僧侶の同性愛の関係を反映したものである。明治維新により、西洋文明が入り込むまでは、我が国では、同性愛に寛容であったという指摘もある。
 能の中でも、山伏姿の頼光らに、童子の姿の酒吞童子が可愛がってくれと言っている。隠れ家が露見したことを山伏に内緒にして欲しいと頼む気持ちの上の言及であろう。酒吞童子は、酒宴の果てに酔いつぶれてしまう。

 この後に、酒吞童子の寝所の鍵を女に差し出させた頼光らが、鬼と化した酒吞童子と立ち回りをする。

 その前に、強力が女と共に、先に都へと急ぎ帰っていく。女は、強力から都の亭主が女のいない間に再婚をして子どもをないがしろにしていると聞いて、怒り出す。強力は自分と結婚すれば、子どもの面倒も見ることを約して、2人は夫婦となることに決めて去っていく。このやり取りが、また楽しいものであった。

 「夕顔」のような幽玄な能と違い、大江山のようにスペクタクルの作品も能にはある。シテ方が、前転をするなど、立ち回りを含めてそうしたハードな動きもするのである。

 後半の鬼と化した酒吞童子との戦いの様子も興があるものであるが、本作では、前半の鬼らしからぬ酒吞童子の振る舞いが、面白い作品である。弱気の鬼が童子の形をして、人間臭いところがである。