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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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読書/『ハンドブック 青年期における自傷行為』

2009-07-17 21:51:06 | 読書
ハンドブック 青年期における自傷行為
クローディーン フォックス,キース ホートン,田中 康雄
明石書店

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 この本は、イギリスのオックスフォード大学精神医学教授・同大学自殺研究センター所長キース・ホートンとウォーリック大学プライマリーヘルス研究センター研究員クローディーン・フォックスによる著書の完訳である。

 監修者である田中康雄氏が本書の翻訳を思い立った経過があとがきに書かれている。児童精神科医として「自傷行為」といえば、発達障害の子どもたちに見られる壁や床に頭を打ち付ける、首を自分で絞める等の行為として真っ先に理解してきた。もう一つは、通称リスカと呼ばれる自傷行為がイメージされた。1972年にローゼンタールがリストカット症候群と名付けられた手首自傷行為で、日本では、79年に安岡誉氏らにより、26例の手首自傷患者が報告されたそうだ。
 しかし、2004年以降、田中氏は、「一般の」大学生や中高生に、自傷行為の存在することに直面することになった。普通の学校で、一部の生徒がリストカットしているというのである。

 治療法に関する研究所はあるものの、エビデンスに基づいた調査・研究・ケアの本は見つからなかった。そして、行きついたのが本書であった。イギリスにおけるエビデンスの集積された本であった。

 自傷行為に関しては、DSM-IV-TR(全米精神医学会)とICD-10(世界保健機構)の診断基準にも「故意の自傷行為」の診断基準は示されていないと指摘している。集められた様々なデータも完全なものとはいえず、今後のエビデンスの集積の必要性が求められている。しかし、本書では、出版時点での調査・研究・ケアの現状を知ることができる。

 自傷行為に関する用語の統一も現在行われたいず、そこから生じる混乱も見られること。
 社会には、「自傷行為をする人は注目されたがっている」「自傷行為には痛みが生じない」「問題の深刻さは傷の程度に比例する」といった誤解が存在する。
 学校での自殺的行為の防止のための教育プログラムや、メディアでの自殺報道が、かえって新たな若者のそうした行為を誘発する危険がある。以上の他にも、考察して、今後の対策を立てる必要性のある問題を知ることができる。

 

食物連鎖/絵本『みんなのいいぶん―生きものピラミッド』

2009-07-17 11:33:20 | 絵本・児童文学
みんなのいいぶん―生きものピラミッド (えほん・ハートランド)
かみや しん
岩崎書店

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 人間が生きていくためには、植物にしろ動物にしろ、他の生命を食べていかなくてはならない。菜食主義にしたところで、植物の持つ命を奪うことには変わりがない。

 森の中には長く生きるもみの木が聞いた、森の住人たちの生きていく上での言い分。子どもにとっては、厳しい現実が描かれているのかもしれない。

 地球の中の、小さな森の中にも、食物連鎖が働いている。頂点に立つ大高でさえ、ヒナは多くの餌を親からもらうために、兄弟のヒナを死に追いやる。

 抽象的な絵とデッサン調の絵の組み合わせ。

 最後のページの「わたしたちは人間とともにいきる。」という言葉。この言葉の意味を考えてしまう。

一つの考えとして気になるニュース/自閉症が個性と認められるまで(ニューズウィーク日本版)

2009-07-17 11:14:41 | 障害
自閉症が個性と認められるまで(ニューズウィーク日本版) - goo ニュース

 ネエマンの社会に対する自閉症に対する意識を変えようとする課題に取り組んでいる姿勢は、評価すべきことである。
  『自閉症は障害には違いないが「個性」でもあり、社会は「さまざまな脳の在り方」を受け入れるべきだ。社会は自閉症者が勉強したり働いたりするのに必要な態勢を整え、成人後は自活できるよう支援しなければならない。』
 
 果たして「個性」とまで呼んでいいのかはよくはわからないが、発達障害の当事者本人の声を社会に向けて発信するという重要性は、十分理解できることだし、必要なことである。