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かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

揺れとマスクと共存して生きる

2021-03-22 05:33:18 | 日記

20日夕刻、地下鉄仙台駅からイヤホンで大相撲中継を聴きながら家路にたどり、午後6時過ぎにちょうど家のドアを開けようとした瞬間、あのおぞましい「チャンチャアアン チャンチァアアン 緊急地震速報 ♪~」

速報よりちょっとした間をおいて揺れが始まり、玄関に立ち尽くしたまま、しばらく強い揺れにあえぐ。靴箱に並べていたこけしが一本だけ倒れる。

が、じきに揺れは止んで、すかさず家に入りTVをつけると震度5強、マグニチュード6.9、予想1メートルの津波が来るとのテロップ、先月の揺れほど大きくは感じないのに、それからしばらくTVは大騒ぎ。新幹線も、在来線も、地下鉄もみんな止まっているとのこと。

その日の午後は、地下鉄に乗って仙台フィルの定期演奏会に出かけてきたが、つい30分前に地下鉄を降りたばかり。この揺れが、コンサート中だったらと、地下鉄に乗っている最中だったらと、もっと大きかったらと想像すると、また別の物語がつづられていたのだろう。

まったく、この地震というヤツの出現には、地上に生きるヒトビトは無力すぎて、まな板上に横たわる鯉にすぎない。個々の人生において命を脅かすほど巨大なヤツに出会わなければラッキーだと思ってあの世に旅立つしかない。地球規模からみれば、我々に想定外などあつて無きに等しい。

いつ、どこで、なにをしていて、どういう正常性バイアスの心理状態だったか・・によっても、悲劇となるか笑い種となるか、生存譚となるか、物語のエピローグはみんなちがうのだ。

宮城県沖、福島県沖、と10年前の余震だというが、このところ、全国あちこちでまた揺れだしていて、どこかにまたドカーンと大きなヤツがやってこないかと不安になってくる。

こたつに座していても、台所で玉ねぎを切っていても、なにかこう揺れているような。「なんか揺れている」と感じながら生活している今日この頃なのだ。

つり橋を渡る毎日。「揺れとともに生きる。」

 

加えて、うすら寒い不安は、一向に収まらないコロナという疫病。

家を出てから家に戻るまで着用続けているマスク。半日つけているだけで、汗と息でベトベトになってくる季節になった。アッ・ソウ財務大臣みたいに「いつまでつけていたらいいんだ」とぼやきたくもなる。

 

そういえば、こないだのNHKスペシャルでは、偏西風にのって大気に漂うプラスチック微粒子のことをやっていたし、砂漠化による黄砂やPM2.5という大気汚染のこともあって、コロナが去つても、外出時のマスクは当たり前の世の中になっていくのかもしれない。

「マスクとともに生きる。」そんな時代か。

 

仙台フィルの定期演奏会で、没後25年(生誕91年)となった武満徹さんの遺作といってもいい「系図(Family Tree)ー若い人たちのための音楽詩」が演奏された。調性のきいた、武満のうたがちりばめられている、どうしようもなく郷愁に満ちた調べ。詩は、ことし生誕90年を迎えようとしている、いまもなお現役詩人の谷川俊太郎さんの「はだか」から

最終章の「とおく」の最後の二行


どこからかうみのにおいがしてくる

でもわたしはうみよりももっととおくにいける


この言葉は、あの賢治さんも乗っている銀河鉄道の車窓から地球をなつかしそうに眺めている「ジンルイ」の言葉にしか聞こえない。

 

itunohikakittoさんのYouTubeから

 

演奏のはじまる前に舞台上に挨拶に来られた武満徹さんの長女武満眞樹さんが、指揮者の尾高忠明さんとの会話中、尾高さんに「3.11やコロナ禍をまのあたりにしたら、いま武満さんはどんなコメントを発するかな」といったような質問をされて「きっと、人類はなんども苦しみを味わい続けているが、大きな地球の時間の流れではほんのいっときであり、ウィルスも地球の構成員と思うしかない、と言っているのでは、」といったような答えをされた。やはり、武満さんは「宇宙から聞こえる音」を譜面に書いた宇宙からやってきた方だった。

どっちにしろ、そう遠くない将来、オイラも銀河鉄道の乗車券をもらうようになるので、くよくよせず、揺れとマスクとなかよくしていこう。

 

       

        蔵王にかかる朝の月 2019.5.25 4:30 船形山山頂より

 

 

 

 

 

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「人生最後のマラソン大会」も西の海に沈む

2021-03-20 11:56:03 | 日記

平成最後の年である2019年の春をもって、マラソン、トレラン、トライアスロンなどの運動会イベントから卒業していたのだが、唯一、ただただ島旅をしてみたいという理由で、昨年エントリーしていた新潟県粟島でのイベント「粟島一周エコマラソン」が、コロナのために1年順延となっていたので、「4月25日か、さあ、そろそろ体重を落として練習するか」と意気込んでいたが、主催者のHPをのぞいたら、3月14日付で今年も中止の発表となっていた。

粟島は無医村ということで、まんいちコロナ感染者がでると、大混乱におちいるとの理由らしいが、現今の全国的リバウンドと変異ウィルス拡散の状況から察すると、至極当然の意思決定だろう。

ということで、「人生最後のマラソン大会」と位置付けていた大会も、コロナ砲の着弾を受けて、あえなく日本海に沈んでいった。

ただ、大会はやめたが、生命維持のためにはやはりゆっくりでもランニング的な行動様式は、まだまだ続けべきだろうという「天の声」がこだましているのであって、粟島にも飛島にも、天売にも焼尻も、隠岐にも壱岐にも、まだ足を踏み入れていない島々に渡って、50代に盛んに行っていた旅ランによる周遊は続けてみようという気になっている。

ワクチン接種がひと段落するだろう、再来年頃には、まず粟島に渡って、日本海に沈む夕日を眺めながら1周しようではないか。

エコジャーニーからのお知らせ

 

さらに、奇跡的完走という「人生最大の良き思い出」となっていたUTMFは、これも4月末に開催予定とされていたが3月16日付で中止のアナウンスが出された。こちらは、大会直前に中止すれば更なる財政ひっ迫となり来年以降の大会継続困難という理由である。これも現今のリバウンドと変異型ウィルスの拡散状況をひと月先という想像力により決定したもので鏑木委員長の英断である。

今年は、海外選手のエントリーをやめて、万全の対策を講じようとしていたのだろうに、大会関係者の苦悩は尋常ならざるものだろう。

UTMFからのお知らせ

コロナ禍での大会を開催者は、「今の状況だと、開催時はこうなるだろう」、「万一大会により感染拡大したらこのような責めを追う」という想像力が必要で、より謙虚な姿勢が求められるのだが・・・

どうだろう「7月のオリンピック」。組織が巨大になるほど想像力が欠如しているのではないか。直前になればなるほど中止の決定は、さらなる損害の拡大=税金の無駄遣いということになるのではないか。

いきがっていないで、潔く引いたらどうなんだ。

あの人の「5本の柱」なんて、「打つ手のない人たちの考えた打つ手」なんだから。


青葉山にて 3.19

 

ユリ科のショウジョウバカマ(猩々袴)が咲きだしていた。多年草で、スプリングエフェメラルの仲間だというが葉っぱだけは冬でも青々とした元気者だ。6個の花被片に6個のおしべを持つ花が集まって、まるで暗い腐葉土に灯る線香花火のようだ。

    

 

 

 

    

 

       

         

 

 

フキ(蕗)の花 (フキノトウ)

思わずむしって帰り、フキみそや天ぷらにしたいフキノトウも、フキの花の集まり。雄花と雌花があるというが、星状の花が開いているのが雄花、筆先のような花が雌花だとか。この日出会ったフキノトウも星たちが見えるので雄花だろう。

よおくみると、美しいクリーム色の星たちだ。

 

   

 

 

    

 

 

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あっという間に緊急事態宣言の宮城県でしばらくは自然観察

2021-03-19 09:37:46 | 日記

首都圏の緊急事態宣言があのヒトによって解除宣言が発せられた日の夕刻、宮城県と仙台市のクビチョウさんがいきなり「独自の緊急事態宣言」を発した。特措法に基づかないのだという。

特措法に基づく「緊急事態宣言」の言葉の軽さを思い知らされたので、特措法に基づかない「緊急事態宣言」はもっと軽く受け止められるのだろうが、昨日も県内では97人の感染者が出たとのことで全国ワースト1のままだ。いつもは、のんきで中央政府のマリオネットのような県知事も「日本一」の注目度に慌てたようだ。

仙台放送の記事

で、その内容たるや、全県民に対する4月11日までの「不要不急の外出自粛と移動の自粛」だ。またまた、例の意味不明の「不要不急」が出てきたが、図書館、博物館をはじめとする公共施設休園、イベント中止、飲食店の休業は求めず、外出して移動したいところ満載で、ましてや花のシーズン、だれでも心ウキウキ外出移動、花を見たなら「飲食」もしたくなるのが人情、こころ誘われていっときの浮世に足を向けるのは「不要不急ではない」といいたくなるのだが、さすが、来週から予定していた18キップによる県外移動の旅だけは、やめておこうかなという気になった。感染した⇒不要不急の旅をした⇒あいつはバカだ。となじられないように、と臆病風が吹く。

ただ、春の野山を歩きたいので、近郊エリアだけは、足しげく通って花見と自然観察だけは続けよう。桜の下のベンチで今年も日本酒をいただこう。その、4月11日まで、事態が収まっていてくれればいいな。

ああ、どうなる燎原の火勢。


昨日の近郊で出会ったオメメの可愛いなかまたち

① コゲラ(小啄木鳥)さん。ギーッというねじまき鳥みたいな声で鳴く、この小さく愛らしいキツツキは、後頭部に赤い羽根が少しのぞくと♂であることが分かるのだが、芽吹いたばかりのヤマグワの枝や幹で虫を探してい二羽にはいずれも赤い羽根が確認されなかったから、二羽ともメスか。とにかく、よく見かけるがちょこちょこすばしこくも愛らしいキツツキだ。

  

    

 

    

 

    

     

 

② カワアイサ(川秋沙) カップルが、広瀬川の川中のコンクリート残塊で休息していた。冬鳥なのだが、毎年この春先だけ観察できるのは、北へ帰る途中の羽休めなのだろうか。また、南風が吹くようになると、北の大地での子育てを夢見て、大きく羽を広げ、旅立つのだろう。

 

    

 

③ ベニマシコ(紅猿子)♀か 

大好きなスズメ目アトリ科だとは、短いくちばしとクリクリオメメから分かるのだが、はじめマヒワ(真鶸)の♀かと思って帰って図鑑を見たら、くちばしと体色が少し異なり、体色の淡い紅色からベニマシコの♀なのではないかと疑問をもって、ただいまネット質問コーナーに確認中。ベニマシコも冬鳥として日本列島にやってくるとのことで、彼女たちも旅の途中か。木の枝でじっとしていたのは、こちらを警戒していたのか。でも、まるまる太って可愛い小鳥たちだ。

 

      

 

    

 

 

 

 

 

 

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燎原の火にように

2021-03-18 09:26:24 | 日記

燎原の火(りょうげんのひ)=燃えひろがって野原を焼く火。勢いが盛んで防ぎ止められないもののたとえにいう。(goo辞書から)

昨日の宮城県内の感染者数は107名。10万にあたりの感染者数は、17.43人と東京の15.03人を抜いて「ついに栄えある」日本一となった。

まるで、首都圏から舞い上がった火の粉が、火の気のないみちのくの大草原の仙台あたりに舞い降りて、乾燥した草をくすぶらせ、三月の春風が火の手をあげさせ、あおり、燃え広がさせているかのような塩梅だ。

フクシマダイイチの辛酸をなめながら原発再開を容認し、GOTOイートをソソクサと再会した中央政府の影絵のようなわがクビチョウは、反省の一言もなく「このままだと緊急事態宣言だ」と発していた。

東日本放送

かたや、中央政府のあのヒトは、すでに「第4波」の兆候と「変異ウィルス蔓延」の恐れを誰しもが感じているのに首都圏の緊急事態宣言をもうすぐ解くのだという。「不要不急の外出要請」に多くの人が耳を貸さなくなった無力感の現われか。

ダラダラダラダラと飲食店の営業制限ばかり対策を講じて、「人流・ジンリュウ」をとどめる真面目な姿勢を見せなかったおかげか、首都圏の飲食街や商店街は若者中心にヒトヒトヒトの波で、この国の「緊急事態宣言」という言葉の軽さを思い知った。

だから、誰もがあのヒトの「緊急事態宣言解除」にホッとするわけではなく、「あら、緊急事態だったっけ」と無感動に反応するのだろう。

このさき、いかに「下りマンボウ」(緊急事態宣言解除後のまんえん防止措置)をほどこそうにも、いまより厳しめの対策ではないことから、ワクチンが行き届くといわれる来年ころまでは、リバウンドは必然なのだろう。問題は、どれだけ深刻な数字となり医療がひっ迫するのかだが。

さて、燎原の火のほてりを感じるこちらの圏域は、このさきどうなっていくのだろう。「ステージ4」になっちゃえば、「緊急事態宣言」があのクビチョウからいやいや要請されてしまい、「県外に出ることまかりならん!」との立札が県境に掲げられるのだろう。

花の季節、青葉の季節、いちばんいい季節を目の前にしてである。

ことしも、苦汁は続くのか・・・・

それとも、「緊急事態宣言」の言葉の軽さに、首都圏のヒトビトのようにうっちゃるか・・・

 

                 

                羽黒山の不動明王さまも怒ってます (編集)

       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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独りぼっちのカタクリさん

2021-03-16 19:13:12 | 日記

ちょっと冷たい北風が通り過ぎたので、三月の森を歩く。

あんまり静かなので ときどき立ち止まって耳を澄ますと

シジュウカラやヤマガラさんたちが、何かをささやきながら、枝の間を過ぎていく。

1週間前に南から到着したウグイスさんは、まだ本調子の歌声ではない。

あの秋の大風で倒れそうだったモミの大木を、今しがた森番の男たちがチェンソーをがなり立てて

切り株にしたようだ。針葉樹の脂の芳香が周囲に立ち込める。

新しい切り株の年輪を数えると300できかない。倒木は生きていた。何かを伝えたいようだった。

地上は、キクザキオウレンの真っ白な花火があちこち灯ってにぎやかだというのに、

まだ、虫たちはやってこない。生まれたての羽虫たちは、風に乗っかる訓練をしているのかな。

 

     

 

     

雨がぽつぽつと降ってきた。あたたかな南風にまぎれてやってきた傘をさすほどでもない雨。

見上げた視線のさきに、レモン色のキブシの花が揺れている。天から降ってきた装飾品のようだ。

 

落葉の間には、もうすっかりカタクリの葉が一枚いちまい伸び始めていて、みないっせいに花開く日を示し

合わせているかのようだった。

 

でも、

いたいた、どの地上世界にも、へんくつもので、ひとりぽっちのアウトサイダーさんが。

ひとりぽっちのカタクリさんには、雨が止んだら、へんくつもので、ひとりぽっちのハナバチさんなんかや

ってくるのかな。

 

 

     

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