きのうのTBS「サンデーモーニング」の特集「3.11東日本大震災あれから10年」には、あの福島第一原発事故について、「これまで知らなかったこと」が10年目にして教えられたような気がして、己を恥じ入った。原発事故ななんて「イヤなことは思い出したくもない」という正常性バイアスが働いた10年であったのかもしれない。
あの時の事故は、しかし、現在進行中なのであって、メルトダウンした燃料デブリが880トン敷地内に残っているとのことだが、建屋内のどこに分布しているかもわかっておらず、10年たってもまだ取り出しも開始されていないので、政府や東電が廃炉完了の目標としている2051年(あと30年)なんて、とてもとても無理だろうと識者はいっている。
また、あれだけ住民の危険をさらし、今もって3万人以上の避難をもたらしている放射能セシウムの大気への放出は、福島第一原発のわずか2%だけで、98%は今もって敷地内に残されており、汚染水をはじめその処理方法や捨て場所については未定なのだ。トイレのないホテルに住まう国、何と愚かな所為なのか。
さらに、「サンデーモーニング」で明らかにされた福島第一原発の失敗事例をまとめると。
① 1号機には、ICと呼ばれる復水器という非常用冷却装置があったが、地震で故障し機能していなかったのに、東電管理者は機能していると思っていた。⇔ 住民に不安を与えるという理由で、まともな訓練を行っていなかった。
② 1号機の原子炉の水位が下がっているのに、水位計は増加を示していた。⇔スリーマイル原発事故で同様の問題が報告されていたのに対策を講じていなかった。
⇒ 結果、1号機の人為的冷却が遅れメルトダウン、水素爆発。
③ 1~3号機など複数の原子炉の全電源喪失時のマニュアルがなかった。
⇒ 結果、1~4号機の配管の仕組みが理解されず、2号機、3号機に海水などを注入したもの、注水ルートに抜け道があり、まったく冷却できなかった。
⇒ 結果、次に3号機がメルトダウンし、水素爆発。
⇒ 結果、せっかく消防が準備していた2号機の注水ルートが損傷し、2号機もメルトダウン。
建屋の壁がはがれたため水素爆発は免れたが、大量の放射性物質が大気に流れた。
⇒ 結果、稼働していない4号機にまで管理が行き届かない配管を通してベントの水素が逆流し、4号機は水素爆発。
そうか、そうだったのか、当時はまるで「想定外」のトラブルだから東電さんも苦労したんだなとは、少しだけ同情していたが、「安全神話」に胡坐をかいて、わが国の原子力村にたむろするヤカラは、やることをやっていなかったんだ、想定外ではなく、ここでも正常性バイアスが働いて「想定」と「対策」を怠った人災だったんだ。と、あらためて理解した。
正常性バイアスによって、
そうした「想定」と「対策」を怠ったのは、何もフクシマだけではない。
あの、「大東亜戦争」しかり。
コンパンの、「コロナ対策」しかり。
脈々と受け継がれて今に至る。あなたもオイラも。
午後の散歩
「ウグイス」のさえずりを聴いた。オイラなりの初鳴き記録である。2020.3.8
紅梅も咲いた。