(ガリレオx提供)
この画像は一体何だろう、いつかどこかでみたような。
人体や植物の細胞、血管、地下で絡まる木の根、地下でうごめくバクテリア ?
BSフジで先日放送されたガリレオ×第256回で放映された画像で、じつはコンピューターでシュミレーションした宇宙の大規模構造なのだという。網の目状になっていて、青や黄色に見えている部分を拡大すると銀河や恒星となっていて、黒く見えるのはダークマターという目には見えない正体不明の暗黒物質ということ。
ダークマターとは質量をもっている重力源で、このダークマター内の粒子が重力により引き寄せられて新たな星をつくり、銀河を形成し、それらがネットワークのようにつながっているということらしい。
これまでは、宇宙はどんどん広がっており、銀河もお互いにぶつかることがあっても、全体としては離れ離れになっていくものと理解していたが、糸のようにつながっていたなんて。
このシュミレーション画像は、千葉大の石山先生らのシュミレーション天文学者が、96億光年という広さのダークマター内で2.1兆個の粒子が重力によってどのように変化していくかを岩手県水沢にある国立天文台のアテルイⅡというスーパーコンピューターを用いてシュミレートした画像で宇宙の大規模構造の画像なのだという。(宇宙は、太陽系<銀河系<銀河団<超銀河団<大規模構造というマトリョーシカ構造で全体を俯瞰した構造が大規模構造ということになる。)
と言われても何が何だか分からないが、科学の進歩で宇宙の進化がわかってきたと科学者たちは、自信をもって語っていたので、期待したい。
しかし、どうみてもこれは人体や植物の細胞や地下の木の根同士やバクテリアのネットワークにも見えるし、マクロの宇宙の構造がこのような画像なら、ミクロの粒子の構造もこのようなものではないかと空想する。ミクロはどこまで辿っていけるのだろう、物質を遡れば「無」に行きつくのであろうか。そして、天文学者は138臆年前に、「無」からビックバンがおきて宇宙が始まったのだという。
「無」から「有」がはじまり、「有」は「無」にたどりつく。まさに、仏教が直観した「般若心経」の「色即是空・空即是色」の教えではないのか。物理学者たちは、仏教の教えを実証しようとしているのか。
今年はあまり役に立たなかったが、本屋さんから2022年版「天体観測手帳」(技術評論社)を買ってきた。2022年は、138億年先の宇宙の果てと糸でつながっていることを感じながら、わが地球から、ダークマターが作り出した美しい星々をもっと眺める年にしよう。
深田日本百名山登頂の思い出 100 宮之浦岳 (みやのうらだけ・1936米)
屋久島の最高峰宮之浦岳は、九州の最高峰でもあるが、1998年11月の勤労感謝の日をはさんだころに、そして2018年11月の勤労感謝の日をはさんだころに、どちらも同じコースを歩いて、山頂を踏んでいる。
白谷雲水峡を起点として縄文杉経由で淀川に下る2泊3日というコースで、「ひと月に35日雨が降る」という笑い話があるほど雲に覆われる日の多い屋久島の峰々だが、いずれもお天気に恵まれた楽しい山歩きだった。
1998年は単独行であったが、20年後の2018年11月は、石垣島在住が縁で知り合った仲間とその家族総勢九人とおおぜいでの山歩きだったが、毎日が宴会でおおいににぎわい、案内したみんなが登頂を歓んでくれ、ありがたかった。
ただ、屋久島が世界遺産に登録されて以降、登山者は増え、2000円という入山料を徴収され、縄文杉周辺はウッドデッキが施され、原始の趣が薄れていたのがすこし残念だったが、歩いたコースと踏んだ山頂は、屋久島の縦横に走る歩道と山岳の一部にすぎず、ほかの山域にはまだまだ静かで原始のたたずまいの森が残されているのだろう。それに、歩いた季節も11月末だけと、オイラは屋久島の魅力をほんの一部しか知らないのだと思う。
ふもとは亜熱帯、山頂付近は北海道並みの気候という、いわば日本列島の自然が凝縮され、ヤクザルやヤクシカもヒトと共存し、森羅万象の気配が満ち満ちた屋久島の森と山々の魅力は尽きない。
アルプス、北海道と思い残しの山を一通り終えたら、オイラはこの島に長期滞在して、思う存分山歩きを楽しみたい。
ウィルソン株
縄文杉