風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

林道を通って、タウシュベツ川橋梁へ

2016-05-31 | 北海道の夏 9年目(2016)
7~8年前だったろうか、糠平(ぬかびら)温泉の奥にあるタウシュベツ川橋梁を見に行ったことがある。
その頃は車で側まで行けたものだが、その後、崩壊が進んで危険が伴うため立ち入りが制限されてしまった。
が、レクチャーを受ければ個人で行けることが分かったので、久しぶりに行ってみることにした。

        


タウシュベツに行く前に、その歴史や路線などの詳細を調べようと「上士幌町鉄橋資料館」に立ち寄った。


 
資料館の旧国鉄士幌線の説明・写真などの資料によると、
当時は木材の運搬や通勤・通学・観光などの乗客で賑わったらしい。
そして、タウシュベツ川橋梁は当時の先端技術を取り入れた鉄筋コンクリート製で、1955年の廃線によって役目を終えた。

      

タウシュベツ橋梁へ行くには、案内者付きのツアーに参加するか、
前もってレクチャーを受けた後に鍵を預かって個人で行く方法しかない。
私達は上士幌にある森林管理事務所に行き、レクチャーを受けた後に鍵を預かって出発した。



通行止めのゲートを開け、車で入った後も鍵を閉める。
鍵を借りた時点では、今日の鍵持ち出しは私達だけとのことで、
この先の一帯は私達だけという開放感と心細さが交錯する。



立ち入り禁止ゲートから未舗装の林道を4キロほど走る。



1週間前に熊が出たという注意書き
用心のために時折クラクションを鳴らしながらの走行。


 
途中、水芭蕉が咲いている場所があり、しばらく眺めていたが写真を撮りたくなった。
が、熊が気になる
降りるのを止めて、車の中から窓を開けてパチリ



駐車場からタウシュベツ橋梁までも、倒木ゴロゴロのぬかるんだ道を歩かなければならない。
クマよけ鈴をチャリンチャリン鳴らし、携帯ラジオもかけ、水たまりを避けて歩き進める 



森を抜けた先に、糠平湖に架かるタウシュベツ橋梁が見えた!
例年6月頃から沈み始め、10月には完全に水没し、再び現れるのは1月頃らしいので、
今はだんだん水かさが増えつつある頃のようだ。
こうして糠平湖の水量によって湖水に沈んだり全貌を現わしたりと姿が変わることから「幻の橋」と言われ、
季節や天候で様々な姿を見せることから、鉄道マニアや写真マニアに人気があるということだ。


 
夫は、全体の姿だけでなく橋の崩壊状態も気になるようで、橋の側まで行って観察。
相当な崩落状態のようだ。



一時は歴史遺産として補修を熱望する声もあったが、余りにも費用がかかるために、
在るがままに任せて手を掛けないことになったらしい。
現在の姿を見られるのはあと何年だろうか・・・
老いた姿が自分と重なった。
「頑張れ!」