風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

岩に刻まれた 熊野磨崖仏 

2009-12-10 | 小さな旅
大分県の国東半島、豊後高田市の山奥にある《熊野磨崖仏》は、
大きな岩(崖)に彫られた仏様(不動明王と大日如来)で、
国指定重要文化財に指定されている。

昔は今のように道路整備がされていなかったので、
その存在は気になりながらも、なかなか行くことが出来なかったが、
この長年の思いが、やっと叶った。




小さな川沿いの道を通って胎蔵寺まで。
散ったばかりの紅葉の葉が、まだ鮮やかな赤や黄色を残していて美しい。




胎蔵寺からの山道をしばらく登ると、
乱積みにされた急勾配の石段が現れる。
これは、鬼が一夜で築いたと伝えられている。

確かに、こんな大きな石を積み上げて階段を作るなど
鬼のような力がなくては成しえないことだろう。

喘ぎながら一段ずつ登る私達に、すれ違う人達が
「あと少しよ」「頑張って!」の声をかけてくれる。
磨崖仏に会うために山奥まで入って来た者同士の一体感で
ゆきずりながらも、心が通い合う。




石段を登りきろうとした左側に、やっと岩に彫られた不動明王像が現れた。
見上げるように大きい不動明王は、下膨れの顔に唇をまげて牙まで持っているが、
それは、いかめしいと言うよりは、まるで笑っているような優しげな顔にみえる。
「よう、ここまで登ってきたな」と言っているように。




少し離れた岩に彫られた大日如来像は、
あいにく補修工事の足場が掛けられていて、肝心の口元が見えない。
残念だが、これはもう一度会いに来なさいということかもしれない。

                     





駐車場の近くの無人販売所にあった柚子。
その数13個で何と100円
仏様からのプレゼントかな?