【チャツボミゴケ】
群馬県草津温泉から北へわずか10㎞離れた中之条町六合(くに)地区にある
チャツボミゴケ公園。何年か前に行って”これは凄い!”と感激した。
平成29年2月には国の天然記念物に指定された。
さらにチャツボミゴケ公園を含む草津白根山の火山活動によって形成された
湿地帯、河川、湖沼群「芳ヶ平湿地群」は、その生態系の希少性、重要性から
平成27年5月にラムサール条約にも登録された。
硫黄泉など酸性泉に限り生育する特殊なコケである。
日本では草津、阿蘇山など限られた火山帯だけにある。
かってこの地には鉄鉱石の鉱床があり、昭和41年(1966)まで露天掘りによる
採鉱が行われていた。その露天掘りの窪み「穴地獄」に自生しているのが
チャツボミゴケである。穴地獄では随所から酸性泉が湧出、強酸性の水を好む
チャツボミゴケに絶好の生育環境を与え、日本最大級のコロニーが形成された。
2000平方メートルにわたりチャツボミゴケが深く澄んだ緑を堪える様は
まさに絶景である!
「穴地獄」とは、西へ3㎞ほどに位置する草津白根山の噴火によって生まれた
すり鉢状の巨大な穴に硫酸酸性泉が湧き出し、そこに動物が落ちると抜け出せず
死んでしまったことから付けられた名称だ。そのおどろおどろしい由来とは
裏腹に、ジブリワールドにも匹敵する緑鮮やかな、モフモフじゅうたんは見て
いるだけで癒される。
数年前に行った天然ビロード緑のじゅうたんのある風景・・・
近年高まる苔ブーム。盆栽、苔玉、苔テラリウム、苔庭、苔寺、深い緑に
包まれた物言わぬ静謐な空間、日本人なら誰もがどこかにノスタルジーを感じ、
時にはジブリの世界観に重ねたりもする。
今では入園料まで出さないと入れない名所になってしまったが、東京からも
比較的近いところに、素晴らしい禅の空間がある。
コロナウィルスもとても太刀打ちができない、強烈な硫酸酸性泉・・・
”どうだ!参ったかコロナめ!” 必見の空間である。