神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 2013 J2 第37節 札幌 vs 山形

2013-10-20 23:59:59 | コンサ

2013 J2 第37節 コンサドーレ札幌 3-1 モンテディオ山形 @スカパー

 

J2リーグ戦でも勝ち点の並んだチームだけに、プレーオフ生き残りを賭けた、お互い絶対に負けられない一戦。

札幌、山形、ともに天皇杯でJ1チームを下し、4回戦へ進んだ仲。とはいえ、札幌の相手は降格争いの最中の磐田。一方、山形の相手は優勝争い真っただ中の浦和。これは確かに山形の方が勢いが出る。しかし、前節の勢いがそのまま生きないのが不思議なJ2マジック。良い日もあれば、悪い日もある。クオリティが一定しないのがJ2の証拠。

札幌は遊びの無いガチ勝負用のメンバー。攻撃陣は内村、前田、砂川、レコンビン。ボランチには河合と宮澤。DFラインはいつものメンバーで日高が右SBの定位置に復帰。さらに、GKには指を骨折した曳地のかわりに杉山が復活。

お互いパスサッカーを指向するチームだけに、がっぷりよつな展開。その中でひときわ輝いたのが宮澤。

これまで、ボールを奪ってもすぐに後ろに下げたり、前が空いていても誰かにパスしてひと任せてしまっていたプレーとは異なり、ボールを奪ったら自分からドリブルで突っかけるし、サイドからのクロスにFWを追い抜いてDFの裏を狙う。

なぜこのプレーがいままでできなかったのか、不思議なくらいだ。ダブルボランチを組む相手との相性のせいなのか。でも、河合とのコンビもあんまりよくなかった記憶があるのだが。

しかし、それ以上に輝いたのは、この試合で500試合出場達成の砂川。一度は選手をクビになり、去年もコーチ入りを打診された男がまだまだやれることを示した。

まずはコーナーキックからのこぼれ球を蹴り込み、日高がこれに合わせて先制。コーナーキック崩れで選手が相手ゴール前に残っていたことが幸いした形。攻めの意識がいい方向へ働いたのだろう。

しかし、その後に相手選手がこけたシーンで、札幌の選手たちがノーファールをアピールしてプレーを止めてしまったがために、強烈なミドルシュートを食らって同点。そのあたりから、山形が勢いに乗りだし、中盤を支配される。なんとなく中盤の密度が低く見えるのは、両サイドの攻めの意識が強く、4-2-4みたいな布陣になっていたせいか。

前半は完全に互角の1-1。宮澤や砂川からの惜しいチャンスがあったものの決めきれず。山形ゴール前できれいにパスが繋がったものの、誰かシュート打てよという間にクリアされたシーンなど、もったいないプレーも多かった。

 

後半も同様な互角の展開かと思われたが、前田、砂川、宮澤がいい感じでボールを回して札幌がペースを握り始める。

そんな中、レコンビンが岡本に交代。レコンビンは他の選手とのポジションがかぶったり、パスのタイミングが合わなかったりでいまひとつしっくりいかない感じ。ベトナム代表での練習でリズムを崩してしまったか。

ここで、なんと砂川の直接フリーキックがゴール。年に1回決まるかどうかというレベルなのに、いいところで決める。相手GKが前に出過ぎていたところを見ていた砂川の冷静さの勝利。

その直後、内村が相手GKにチェックをかけ、ボールを掻っ攫い、バランスを崩しながらもゴール。思わぬ失点にGK常澤のメンタルは破壊寸前。その後もやらかし続ける。完全にネタ選手扱い。

その後、お疲れ様の砂川に替わり荒野、前田に替えて堀米を投入。堀米がボランチに入って、なんと宮澤が久しぶりにFWへ。

今日の宮澤はどんどん前に出る意識がすごかったので、これはFWとして結果を出すかと思いきや、山形のDFに厳しいマークに付かれ、なかなか自由に動けない。しかし、その宮澤からのパスを受け、凄いドリブルを見せたのが荒野。一気に山形DFを2、3人抜き去ってGKと一対一になるも、ファーに蹴ってハズレ、そのこぼれ球をドフリーの岡本が蹴るが、枠の外。このシーンは、どちらの選手でもいいから決めて欲しかった。せっかくのワールド級プレーをふいにしてしまった。良いプレーができても、続かないのはまだまだJ2クオリティーなのか。

そして試合終了。1-3で勝利。ヒーローインタビューは砂川。ひょうひょうとした雰囲気が最高。

ところで、この試合には稀に見る珍事が。なんと、副審が旗を揚げる前に、主審(飯田淳平)がボールが外に出たと判断して笛を吹いた。しかし、実際は出ておらず、監督も選手も猛抗議。副審に確認した主審が誤りを認め、「申し訳ない」と平謝り。で、ドロップボール。

主審の判断は絶対なので、間違いが分かっていてもクレームを付けた選手を退場にする主審も珍しくない中で、この判断は悪くないと思った。少なくとも、前節の群馬戦の主審(塚田健太)よりもよっぽどマシ。審判の仕事は、選手を罰することではなく、試合をコントロールすることなのだから、ケースバイケースで判断して欲しい。

さて、ここから京都、千葉、神戸と、上位チームとの3連戦に入る。これを全勝しなければ、プレーオフへの道は閉ざされてしまう。なんとかベテランと若手の総力戦で乗り切ってもらいたい。特に、俺らの10番、宮澤は磐田戦からの覚醒状態を維持し続けて欲しい。おまえならできる。きっとやれるよ。