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監督、GMの力量38

2021-11-06 00:34:27 | バスケ(Bリーグ・代表等)

 リスペクトコラムです。
 いろいろ言われた東京五輪ですが、感動シーンもいくつもありました。その筆頭が女子バスケ。感動させてもらいました。特にホーバスHCはかなりインパクトありました。外国人監督が日本チームで世界の頂点(銀メダル)を極める。当ブログが唱える外国人監督理想論の一つの実例になりました。やはり優れた成功事例になるのか、FOOT×BRAINでも特集されました。楽しい番組となりました。
    
【バスケ界のアツい指導者:トム・ホーバス】
 世界との対格差をものともせず、一度も超えられなかった五輪ベスト8の壁を撃破。チームを史上初の銀メダルへと導いた。さらに9月21日にバスケ男子日本代表のヘッドコーチに就任が発表された。バスケ界が求める彼の指導力とは一体? その答えを探るべく、3人の五輪代表選手を直撃! そこにはすべてに通じる組織マネジメント術が。トム・ホーバス×名将ルール、その神髄に迫る。
 ホーバスHCは大学卒業後、ポルトガルのスポルディングで現役をスタート。その後、日本のトヨタ自動車で1990-94年に所属し、4年連続得点王を獲得。その後、NBAのアトランタ・ホークスでプレーした経験を持つ名プレーヤーだった。現役引退後は指導者の道へ。バスケ女子日本代表コーチとして、2016年リオ五輪でベスト8獲得に貢献。2017年に同ヘッドコーチに就任すると、今年史上初の五輪銀メダルをもたらした。
 各国との体格差、世界ランキング10位で、五輪開幕前はメダル獲得を期待されているわけではなかった。だが、蓋を開けてみると、ホーバスは日本を世界のトップレベルのチームに変貌させていた。そこには他のスポーツにも通じるホーバスの名将ルールがあった。

 この辺りはかつての黄金時代のなでしこジャパンを見ているようですね。五輪では同じく銀メダルでしたね。世界ランク10位から銀メダル、W杯優勝。その下剋上性もよく似ている。ただ、あの時は日本人監督でした。ただ、女子のトップ選手の能力を最大限に引き出す、名将ルールというのがあるのでしょう。リンクしませんが、たぶん昔の記事に佐々木監督(当時)の名将ルールをリスペクトしていると思います。また見てみたいです。

     
名将ルールその①「戦術ボードなんて使わない!」
 戦術ボードは東京五輪で1回も使っていない。理由は全員がプレーを覚えている。逆に他の国のコーチを見るとよく使っているが、意味わからない。何書いているの? 日本は練習しているから大丈夫と思って使わなくていいと思った。戦術ボードを使わないのは自分のスタイル。
高田主将「タイムアウトの時は戦術の指示ではなくて、大体は気持ちの部分。相手に多少攻められている時に、気持ちがダウンしている所で、もう1回気合を入れ直すことが多い」
 チームの一つのルールは「気持ちは負けないで。相手の気持ちよりは絶対に負けないで」。日本は身長が低いから、気持ちで負けていたら試合でも負ける。そこもよく見ている。

 面白いですね。まずは気持ちの部分。まるで高校野球の熱血監督のような指導ですが、基本そこなのでしょうか。ここで思い起こすのがシーガルズ。監督の方針でコート上では喜怒哀楽を出さない。勝った時は喜び、負けた時は悔しがる。それではメンタルが不安定になり、気持ちが沈んだらそのまま自滅していく。リードされて気持ちで負けていき、試合も負けていくのではないかと思わせます。負けない気持ちを高めるために、今の方針は見直すべきだと思います。観戦する方も地味に映って、興行的に逆効果も生まれていると思います。何だったら指導者を替えてもいいと思います。

   
名将ルールその②「試合よりも練習を厳しく!」
戦術ボードを使わないもう1つの理由でもある。選手が口を揃えるその厳しい練習とは。
馬瓜選手「練習中はかなり厳しい」。
高田主将「ホーバスHCの場合だと日本人の昭和の監督くらいめちゃくちゃ注意する。練習よりは試合の方が楽に感じる部分は多い」
高田主将「細かい所に対しても時間を割いて指導する。選手から観れば「このくらいは良いじゃん」という甘えがあるが、そこを逃さない細かさがある」
馬瓜選手「足の角度、ちょっとしか変わらないのに言う?ってくらい細かい。同じカッティングの動きでも、少しスピードが遅かったら、そのカッティングでは次の試合では使えないよと言われる。」
 練習ではどんなに些細なミスでも許さない。それは当たり前の事。ホーバスHCが一番うれしい事は勝つこと。毎日普通の練習していたら、たぶんそこまで勝ち上がることはできない。だから練習は厳しくしつこくやれば勝つと思う。日本の試合を見ると、皆が楽しくプレーしている。たぶん練習より試合の方がラクだから楽しかった。HCと選手の頭の中に共通のボードが入っているという事。
 選手とのコミュニケーションでも大事にしている事がある。結構厳しい事を言った後には、絶対にフォローアップする。練習後か試合終了後に。ミスコミュニケーションは良くない。日本人じゃないから、ミスコミュニケーションは絶対にある。フォローアップする時に結構選手に説明する。日本語ペラペラじゃないから、選手の身振りや表情を良く見ている。厳しい練習を重ねるからこそ、本番でのメンタルも養える。

 練習の厳しさは、ラグビー日本代表のエディージャパンもまさにそうでした。黄金時代のなでしこジャパンもそうでした。まぁ、選手が長期合宿で集まりやすかったという環境もありますが、基本的に選手が「世界一の練習量」と口にしていたのは共通しています。試合の方が練習より楽というのも共通。指示の細かさも共通しているんじゃないかな。低迷したジーコジャパンは、選手の自主性に任せていた方針で、成績は低迷。それをまさに実践しているのが森保ジャパン。まぁ細かく指示をしようにも監督に戦術など引き出しに何も無かったらできませんが。世界を知らない日本人監督にはそれが無いでしょう。


名将ルール③「『You』とは呼ばない」
高田主将「基本的にコートネームで呼ばれる。ちゃんと選手のコートネームを聞いて覚えるんだっていうのは感じた。名前を覚える意図は何かあるのかなと思います。「You」とは呼ばないです」
 「お前」とか「あなた」のようなネガティブな言葉は使いたくない。自分は大きい(2m3cm)ので上から「お前は!」と言うとイメージは良くないと思う。良いコーチは選手達を尊敬(リスペクト)する。逆に選手もコーチを尊敬しないと良いチームはできないと思うので、悪い言葉は使わない。

 信頼関係で築いた厳しい練習、だから選手へのリスペクトを忘れない。選手をコートネームで呼ぶ事はそのための自分ルール。すぐに全員の名前を覚えた。
   
名将ルール④「絶対的エースは必要ない!」
 五輪最多1試合18アシスト、司令塔の町田瑠唯選手。大会ベスト5に選出され、そのプレーは席中が釘付けにした。
町田選手「誰かに頼る事なく皆がプレーしていた。それがHCの「スーパースターはいないけどスーパーチームだ」を言ってくれてうれしかった」
 それを裏付けるデータ。東京五輪での試合ごとの最多得点者は毎試合違う。
福田氏「あの選手がいれば勝てたと、サッカー界では絶対的エースを求める傾向がある中、ホーバスのルールはそうしたチームづくりに一石を投じる。無いものねだりをしてもしょうがないっていうのは、他の日本のチームスポーツに共通している。チームで戦わないと世界の強豪国には勝てない。サッカーもその領域だと思う」
 選手全員がエースで、1人1人にエース級の活躍を求める。そのチームづくりこそが銀メダルへと導いたのかもしれない。
福田氏「日本は絶対的エースがいないと勝てないと思っている。でも、ホーバスHCは、どうすれば勝てるかを考えて逆算している。だからシンプルだと思う」

 絶対的エース依存。これはまさに森保ジャパンの大迫依存ですね。昔のチームでも依存というよりは本田選手が仕切っていた、中田ヒデ選手が仕切っていた時代がありました。やはりその時は低迷していましたね。女子バスケ代表にも渡嘉敷選手という絶対的エースがしましたが怪我で欠場。必然的にこうなったのかもしれません。もし、渡嘉敷選手が出場していたらどんなチームになっていたか気になります。ひょっとしたら渡嘉敷頼みでメダルには届いていなかったのかもしれませんね。福田氏の「日本は絶対的エースがいないと勝てないと思っている」という言葉が象徴しています。

     
名将ルール⑤「固定観念から抜け出せ」
 絶対的エースを必要とせず、強豪国に勝てたワケ。東京五輪では各国と平均身長の佐賀10cmもありながら、次々と撃破する事ができた。それは3Pシュート。1回打って入ったら3点が大きい。日本のスタイルは3Pシュートを全員が決められること。各国の3Pシュートの成功率を見てみると、何と1位は日本。しかも30%を越えれば上出来とされる3Pの確率が日本は40%を超えていた。
町田選手「練習外の所で個人個人が3Pシュートの練習をしていた」
高田主将「ホーバスHCが就任する前は3Pシュートを打っていなくて、3Pシュートを皆が打てるようになってから練習したので、ここ5年くらいの話」
 これまで日本では3Pシュートを打つ選手は限られていた。だが、ホーバスHCは固定観念を覆し、選手全員にそのスキルを求めた。日本のルールは3Pシュートが打てるエリアで打たなかったらベンチに戻すというもの。他のコーチは「打つな!」などと言ってしまうので、選手達が迷ってしまう。でも日本の選手は迷っていない。空いていたら必ず打って良い。

福田氏「どこからでも点が取れる、どの選手が抑えれても、どの選手が代わりに入ってもチーム力が落ちない。そんなチームを日本の球技スポーツは女子バスケのようなチームを目指した方が世界に近づくと思う。ホーバスHCは結果が出て当然の指導者だなと思う」
   
福田氏「なでしこジャパンが世界一になった後に分析されて勝てなくなってしまった。女子バスケ日本代表が今後さらに強くなっていくためには何を磨いて何が必要なのか」
ホーバスHC「東京五輪は2つ目標があった。金メダルを獲る事と女子バスケ日本代表が世界のスタンダードになる事。だから他の国がこれかあら日本のバスケをマネしようとする。でも日本の女子バスケは簡単にマネできないと思う。時間もすごいかかる」
 世界一厳しい練習と築き上げた信頼関係。誰もがエースとしての自覚を促し、気持ちで世界を圧倒する。


高田主将「日本とアメリカ、どちらも合わさった指導を感じるし、プレーの中でも日本人の良さを活かすモノを取り入れるので、HCが今でもたくさん学んでいる。その学んだモノを選手達に落とし込んでくれるので、いいHCだと思う」
勝村氏:「サッカー日本代表が今W杯の予選で余りいい成績を残せてなくて、ずっと監督論みたいな事を考えると、もう一度いろいろ考え直さなくてはいけないのかなっていう。日本人が日本人の事をよく知っているって言うけど、トムさんを見ていると、日本人以上に日本人のことを理解しているし、やっぱりハイブリッドしていくと、新しい世界が見え始めるのかなっていう思いがした。サッカーの世界にも来ていただきたいくらいです。」

 全員が3Pシューターという概念は、かつてのバレー女子代表で好成績を上げた真鍋ジャパンがそうだったと思います。確か全員がスパイクを狙いに行く戦術。固定概念の打破、この辺りは共通しているのかもしれません。なでしこジャパンの時は他国がポゼッションサッカーを真似していきましたが、ホーバスHCのバスケは簡単には真似できないそうです。ただ、いくらかは真似してくるでしょうけど。
 最後の勝村氏の監督論が今回の特集のすべてをまとめていると思います。この外国人と日本人のハイブリッド指揮官というのは、ポスト森保ジャパンを考える上でも参考になるのではないでしょうか。世界は知っていても日本人を知らなかったらミスコミュニケーションが発生していい事にならない。日本人の事はよく知っている日本人監督はコミュニケーションは取れるが、世界と戦える戦術を知らないからいい事にならない。ハイブリッドはいいかもしれません。
 ポスト森保ジャパンで最近名前の挙がっていたのが、ルヴァン杯優勝のJ1名古屋フィンカデッティ監督。まさにJリーグを良く知るハイブリッド監督なのかもしれません。当ブログでの理想は、代表監督でW杯である程度実績を残している外国人監督で日本をよく知っている、もしくはすぐにリスペクトして、ホーバスHCのようにコミュニケーションが取れる人材です。
 男子のホーバスジャパンの初陣ニュースが流れましたね。

■「FIBA バスケットボールワールドカップ 2023 アジア地区予選」Window1 中国戦概要
▲会場:ゼビオアリーナ仙台
▲開催日時:第1戦:2021年11月27日(土)中国代表 vs 日本代表 TIPOFF 12:05~
        第2戦:2021年11月28日(日)日本代表 vs 中国代表 TIPOFF 18:35~
放送・配信:
第1戦:BS日テレにて生放送・12:00~/DAZNにて生配信・12:05~
第2戦:放送局調整中/DAZNにて生配信・18:35~
引用:バスケットボールキング

 あれっ、DAZNってあるけど、DAZNの「スポーツ一覧」からバスケの名前は今もありません。Bリーグ、日本代表合わせて契約解除されたと思っていましたが、女子代表の銀メダル獲得でもう一度バスケを見直し、ホーバスHCの試合から再契約していくのかな。バスケットLIVEでも観れますが、まぁうれしいです。
 ホーバスHCも「新しいチャレンジ」として、現在Bリーグの試合に足を運び、自分の戦術に合う選手を物色中と聞いています。女子で成功したから男子も成功するとは限りません。FIFA最優秀監督の表彰をうけた佐々木監督も、その後男子には全く関わっていません。なので、女子で成功した指導者が男子で成功した事例が無いので、まさにチャレンジです。そういう面でも楽しみです。
AKATSUKI FIVE(バスケ日本代表)関連: / /  /  /  /  /  /  /  /  /  / /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /
#がんばろう日本 #ThankYouHealthcareWorkers #ThankYouCaregivers

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