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北の王者へ 北海道コンサドーレ札幌31

2020-04-07 00:01:47 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 ヨーロッパのクラブでは、選手の給料自主返納が始まり、そのうちに日本もそういう流れが来るなぁと思っていたら、早くも札幌さんでそんな動きが起こりました。これって、クラブ側と選手側双方の厚い信頼関係がなければ成立しない事。これも野々村社長という存在があればこそのアクションでしょう。
   
【日本スポーツ界初 札幌、全選手が年俸総額1億円の自主返納を申し入れ】
「新型コロナウイルスの感染拡大の影響でJリーグが公式戦を中断する中、札幌の全選手が、クラブに年俸総額約1億円の自主返納を申し入れたことが5日、分かった。選手の給与返上はスペインリーグの名門・バルセロナなど欧州ではすでに例があるが、日本ではサッカー界のみならずスポーツ界全体で初めて。野々村芳和社長(47)は、選手の行動に謝意を示した。
 愛する北海道とクラブを守りたい。そんな思いが選手を突き動かした。この日までに選手間で話し合いを重ね外国人を含めた全選手が合意。代表してGK菅野孝、MF宮沢主将、MF荒野の3人が、野々村社長に今季の給料や勝利給などのボーナスを含めた年俸総額約1億円の自主返納を申し入れた。
 選手の粋な行動に野々村社長は「北海道とかクラブのことを気にしてくれていることに感謝。ありがたい話なんだけど、今すぐにそれを始めようではなくて、クラブとしても何とか経営を立て直す努力をする中で、引き続き選手と話をしながら、お互いに危機を乗り越えられるようにしたい」と話した。
 新型コロナウイルスの影響でJリーグの公式戦再開は白紙の状態。仮に新型コロナウイルスが終息傾向となり、全日程を観客を入れた状態(収容率50%以下)で行えたとしてもクラブは約5億円の損失を想定している。チケット収入は年間約8億円で予算を組んでおり、スポンサー収入の減収なども起こり得ることを考えれば、無観客試合での開催や今季の公式戦自体行えないという最悪のシナリオの場合、損失は約10億円に膨れ上がる可能性がある。選手の給料などが含まれるクラブの今季の人件費を含む強化費は約18億円。約1億円の減俸申し入れはクラブを助ける大きな一歩となる。野々村社長はまず自らの給料カットの準備をすでに進めているという。」
引用:スポニチ

 1億円って大きいですね。この資料によると、札幌さんの今季総年俸は7.1億円。今季の総予算は約32億円で、そのうち選手や監督らスタッフのチーム人件費は約18億円で半分以上を占めるそうです。放映権料やホームゲーム1試合あたり数千万円に上る入場料などの日銭が入らず、台所事情は日を追うごとに厳しくなっていると言えます。
 人数で言うと30人の選手のうちの4人分くらいの給料が返ってくる訳ですから、決して小さくないと思われます。野々村社長も自らの給料カットを考えているというのも素晴らしいですね。
 ここから、今後何が起こるのかというと、クラブの事業規模そのものがいくらか縮小するという事。DAZNの影響でJリーグ分配金の減額も予想され、上にもあるように札幌さんも含めて損失が発生します。J1ならまだいいが、J2やJ3の中では耐えられないクラブも出てくるかもしれない。まさに「危機」ですね。そんな危機の中で、選手側から給料自主返納を申し入れたというのは、やはり素晴らしい事。
 あと、来季に向けてもう一つ予想してしまうのが、ベテラン選手の放出。今までと違って事業規模が小さくなるので、当然高年俸のベテラン選手は不要になっていくかもしれません。でも見方を変えれば、そんなベテラン人気選手がJ2やJ3の下位カテゴリに流れて来るという事で、Jリーグ全体で見れば、決して悪くないのかもしれません。

【宮澤裕樹キャプテンを始めとした、北海道コンサドーレ札幌選手一同からのメッセージ】
「北海道コンサドーレ札幌は、選手一同より4月~9月の6か月間の報酬の一部を返納する申し出を受けました。このことに関する、宮澤裕樹キャプテンを始めとした選手からのメッセージを、下記の通りお知らせいたします。
宮澤裕樹キャプテンを始めとした、コンサドーレ選手一同からのメッセージ
私たち北海道コンサドーレ札幌に所属する選手は、北海道への貢献を考えて活動しているクラブに賛同し、日頃のトレーニングはもちろん、地域貢献なども含めて所属選手として活動しています。新型コロナウイルスの影響が大きくなり、改めて様々な方々に支えていただいて、選手活動ができていることを実感しています。
同時に、このような状況だからこそ、いつも以上に支え合わなければならないと感じています。新型コロナウイルスによるクラブへの影響も大きくなる現在の状況を鑑み、我々北海道コンサドーレ札幌の選手一同は、クラブに対して支援することを全選手合意のもと、決めました。その先にある北海道への支援につながると考えたからです。
現在も公式戦再開のめどが立たず、この状況はしばらく続くかもしれませんが、今後はさらにクラブと一体となり、新型コロナウイルス感染症の危機克服につながるような地域・社会貢献などについても、できることを一つずつ実施していこうと思います。
難しい状況ですが、いつも以上に仲間や周囲の人のことを思いやり、コミュニケーションをとり、一人ひとりができることを実践して、みんなで乗り越えていきましょう。
北海道コンサドーレ札幌 選手一同」
引用:J1札幌公式HP

 そして、上の声明をクラブで発表されました。オープンでいいですね。4月から9月の給料分ですか。見方を変えたら10月まで試合が無いのかもしれないという事も言えます。「北海道への貢献」「地域貢献なども含めて活動」「クラブへの支援が、その先にある北海道への支援につながる」「(選手は)地域・社会貢献などについても実施していく」と、付加価値の高い言葉があふれていますね。これは親企業の無い企業チームからは生まれて来ない言葉でしょう。
 札幌さんはJ1に昇格された頃から今まで黄金時代を迎えていると思います。J2で成績も経営数値も、地元岡山とどっこいどっこいだった時代を覚えているので、なおさら野々村社長の手腕が大きいと実感します。コロナに打ち勝った後の札幌さんの今後のご活躍を楽しみにしています。
野々村社長インタビュー動画:https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/202004060046-spnaviow
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#がんばろう日本 #LetsGoJapan

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