J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

スポーツ文化の素晴らしさ100

2019-07-16 00:14:15 | スポーツ文化・その他

 リスペクトコラムです。
 先週の日曜から、RSK(TBS)で「ノーサイドゲーム」というドラマがスタートしています。原作はあの池井戸潤氏で、池井戸さんのドラマや映画は「半沢直樹」など一通り観ています。今回のドラマも、もはや観る前からこんな感じの空気、ストーリーとイメージが出来上がったまま、留守録した第一話を昨日観ました。今年はラグビーW杯日本大会の年であり、いかにもそれを意識した作品っぽく、でも池井戸さんだからビジネスストーリーなんだろな、何年か前に観た「ルーズヴェルト・ゲーム」のラグビー版かと。
 当ブログのスタンスは、どんな情報でもスポーツ文化の発展に寄与できる情報であれば、読者の皆さんにリスペクトして欲しいので、ぜひ紹介したい、取り上げたいというもの。さて、今回の池井戸ドラマはどうなのか。
 先週の第1話、昨日の第2話を観ました。1話ごとに当ブログのアンテナに引っかかったポイントをピックアップし、リスペクトしておきたいと思います。あくまで個人的な感覚なので、参考の範囲で思って下さい。
   
【第1話】
〔あらすじ〕
 天敵である滝川常務に逆らい、府中工場に飛ばされた。そこでの新たな肩書は総務部長と、万年最下位争いの痛そう、怖そう、汗臭そうのラグビー部GM。14億のラグビー部を廃部する事で本社に戻ろうと画策するが、約束した滝川常務から断られる。行き場を失った君島はサラリーマンとして生き残るために、チームと手を組む事を決意する。リーグ優勝という成果を出して、本社に返り咲く事が戦略。君島とチームの再起をかけた戦いが始まる。
〔設定〕
・プラチナリーグのモデルは、現ジャパンラグビートップリーグ。
・トキワ自動車アストロズのモデルは、トヨタ自動車ヴェルブリッツ?、2000年頃は優勝経験もあったが、最近では低迷。部員逮捕により今季(2019-20)大会辞退している。
・強敵ライバルの日本モーターズサイクロンズのモデルは、ヤマハ発動機ジュビロ?もしくは同じ自動車メーカーで、HONDA HERTか。
・「このメンバーから1人でも多く、W杯の日本代表を出すこと」(狙える選手は何人かいる)「プラチナリーグ優勝」が夢として掲げたが、本音は優勝は夢のまた夢。1部残留が御の字。企業で言えば今年は対して売れなかった。来年もこの調子でもう少しだけ頑張ろう。そんな危機感の無い企業は即刻潰れる。そんな社員は即刻クビ。サラリーマンに努力賞は無い。その社会、正義が勝つのではなく、勝った者が正義。現状維持という本音の目標がすでに負け犬。そんな選手だから、上司・先輩が足元を見て、なめてくるのではないか。
・優勝を目指すチームには誰も文句言わない。誰だって価値がわかる。期待を抱かせるチームだったら、客も観に来る。試合を観た父親が、今度は子ども、次は友人を連れてくる。チームが勝つ事でその輪は大きくなる。ラグビーの文化・精神がこの世に大きく広がっていく。それが本当の社会貢献ではないのか。
・君島は選手にタックルし、何度も地面に叩きつけられながら、このまま何の役にも立たず、お荷物のまま終わるの嫌だと思った。廃部のつもりだったが、自分と同じくどん底にいるチームと一緒に戦いたい、優勝して結果を出したいと意見書(もう1年様子を見て欲しいという分析)を差し替えた。経営戦略のプロとして、手を組めば勝機はある。ラグビーボールと同じでどこに転がっていくかはわからないからこそチャンスがある。
   

・君島はアストロズ優勝で成果を出して、本社に復帰するつもりではないか。選手側は「それでもいいじゃないか。相当な戦略家だよ」と共闘を決意。
・年間予算14億円(J2クラブの予算とクリソツ)で収益はほとんどゼロ(33万円。収益性がほとんど無し)
 60名の人件費、施設の管理費でどうしてもかかってしまう。ギリギリまで切り詰めた数字。リーグでも最低予算。
・君島は元々ラグビーが嫌い。ラグビーで有名な出身大学で、有名選手である同級生に対する嫉妬心がルーツ。
・チームは島本社長の肝入り。社長が要所要所のシーンで登場。
・ラグビーは世間で盛り上がっているのか? チケット販売は協会が管理しているが、こちらに分配するほどの収益が無い=客が入っていない。盛り上がっているのは選手と関係者だけで、日本人の大半はラグビーに興味が無いのではないか。
・アストロズは何のためにあるのか。「社会貢献」というが何をどう貢献してるのか。この地域住民はFC東京の試合やイベントには足しげく通っているが、近所で行われているアストロズの試合は観にも来ない。興味が無い。
・選手も、練習があるからと3時には退社するが、これでは会社の戦力にならない。発注部品の不良が多い(これは上司・先輩の肩代わり、仕事の押し付け等しわ寄せの部分が大きい:会社に迷惑をかけている負い目的な部分)
・女性社員の会話:「ラグビーはむさい」「うちのラグビー部は超弱い」→掲示板でラグビー部のポスターは場所を取るだけで邪魔者扱い。その上に食堂メニュー30円値上げの張り紙を貼りつけられる、その程度の価値しか無い。
・滝川常務はアストロズを廃部するため(同時に別のビジネス案件も目的)にGMに送り、見返りを約束したが、見返りは本社復帰ではない事を知り、退路を断たれた君島はアストロズの1部優勝を目標と定める。選手達も目的は違うが君島とタッグを組む決意をする。(上司である滝川常務の方針に反した行動)
・役員会で提出する意見書で一度、廃部を書いたが、寸前に撤回。
・ラグビーは(タックル等で)けがをするスポーツではなく、けがをしない体を作るスポーツ。応援してくれる人、仲間、チームのために命がけで戦い、死ぬ気でぶつかっていくスポーツ。
・ハカ(ニュージーランド代表が自分達を鼓舞するために試合前に行う儀式パフォーマンス)
・社長に対するチームの分析は「選手の高齢化が進んでおり、新戦力の加入もなく、今季は昨季以下の成績になると予測。チームとしての魅力は無くなり、集客も見込めず、14億どころか価値はゼロ以下。これ以上ラグビーを運営するのは無駄で未来は無い」。
・息子がラグビーやりたい。子どものいじめ。いじめっ子に対抗する強くなるためにラグビーをやりたい。ラグビーはケンカじゃなくスポーツ。相手が憎いからではなく、仲間のためにぶつかって行く。
・ノーサイド、タオルをかける。それができるか。最後に相手を許せるか。正々堂々と戦った後に握手できるか。
   
【第2話】
・リーグ優勝での最大の問題は監督人事。
・君島は戦略室で、会社の命運を決める究極の選択をいくつもやってきたが、監督の選択は難しい。
・経営者は失敗する経営者と成功する経営者の2タイプ。失敗タイプは負け癖で、事業を起こしても失敗を繰り返す。成功タイプはどんな事業をやっても軌道に乗せる事ができる。勝ち方を知っている。監督は社長と同じ。優勝させるためには優勝経験がある人材がベスト。候補2人は優勝経験無し。学生チームを3連覇させた柴門監督(大学の同期、同じタイミングで幹部と衝突して更迭)が思いつくが、優秀な監督はクビにはならない。
・柴門監督は一度チームが断っている。行き違いがあった。フロント方針に反して当時の副部長(滝川常務)が、コスト面を重視して柴門監督にもオファーしていた。
・柴門監督はまずは職場環境がプレーに大きく影響するとして、選手の職場(工場)を見学。
・15人の選手が1人1人どう動くかで15が100にも0にもなる。
・自分で監督がいいのか選手に聞いて欲しい。1人でも賛同しなかったら引き受けない。アクションとして、選手1人1人宛の手紙(課題、何をして欲しいか)を渡す。深い分析で的確な指摘内容に選手は受け入れる。
・柴門監督から強化プランの予算、合宿等の費用(1億円)が必要と要求され、それを飲まずに他の監督を模索する。しかし、柴門監督は前チームで強化費を自分で集めた話を社長から聞く。面白く思わずに前チームから追い出したのが、リーグの強豪でもあるサイクロンズの監督(少しややこしい構図)。
・経費削減を検討し、選手人件費に注目する。看板選手であるプロ契約の2人の外国人選手の契約を見送る事にする。2人は得点力があるが、ミスも多く点を取るが、失点の要因にもなっていると。
・レギュラーメンバーは白紙にして、全員にチャンスを与える。ポジションを自分で奪い取って欲しいと監督。
   
 第3話の予告で、「グランドだけが戦場じゃない」、ラグビー教室の開催、清掃活動の実施、あと何か相撲シーンがありました・・・どういう展開になるのか期待です。
 なかなか面白く観させていただきました。サッカーやバスケほどメジャーではないが、今年秋にW杯日本大会があるラグビー。池井戸さんはこの小説を6月に発刊し、7月にドラマ化になっています。まるで、TBSがラグビーW杯があるからと、池井戸さんにドラマ化ありきで急遽執筆を依頼したように映ります。でも、面白いですね。企業チームの話ですが、Jクラブの視点で観ても全然参考になると思います。クラブ経営、GMや監督の手腕、チームの強化、観客動員などどのスポーツチームにも関わってくる課題がにじみ出ています。
 当ブログにはいろいろなJクラブ(の他に4部も5部もきっと)の関係者(村井チェアマンも時々来てもらっていると勝手に信じています)が観に来ていると思いますが、ぜひこのドラマをリスペクトしてください。参考になると思います。読者の方も。
 ラグビーはよそのスポーツだから関係ないと言い切らずにぜひ見てください。「よそはよそ、うちはうち。よそを気にしても何もならない」という価値観をどこかで見かけましたが、そういうのは愚の何とかではないかと思います。第3話も楽しみだ。当ブログ好みの話が登場しそうですね。
TBS「ノーサイドゲーム」公式HP:https://www.tbs.co.jp/noside_game_tbs/
Paravi該当ページ(無料体験あり):アドレス
ラグビートップリーグ関連:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180927

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