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Jリーグの話題97

2015-12-09 00:02:00 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 先日、CS(チャンピオンシップ)決勝戦第2戦が行われ、広島さんがガンバさんをドローに持ち込み、年間王者を獲得しました。おめでとうございます。当ブログ的には年間勝ち点1位なので、その時点で今シーズンの王者なのですが、まあいいや。とにかく、2ステージ騒動は、今後もどんどん批判記事が出ると思うので、どのタイミングでまず書こうかと持っていたところ、今朝の日経新聞朝刊に「J1 2015 2ステージ制回顧(上)という特集が出たので、今回いろいろと取り上げてみたいと思います。まずは日経新聞を抜粋して紹介。
   
【日経新聞】
 CS決勝第2戦のTV視聴率は10.4%と2ケタに乗り、リーグ収益は過去最高の130億円を超える見込み。ただし、年間勝ち点を軽視する優勝決定方式、わかりにくいCSの仕組みを嫌うファンも。「2ステージ制+CS」が抱える問題点は以下のとおり。
〔改善案相次ぐ〕
 先月末に開催されたJ1クラブの幹部が揃った会合で「来年はCSの方式をもっとわかりやすいものに修正してはどうか」という声が相次ぎ、リーグ側からも改善案をいくつか提示。それほどCSの仕組みは複雑。最大5チームが出場可能で、トーナメントは8パターン。第2Sが終わるまで組み合わせ、主催クラブ、試合会場が未定。しかもFCWCが12月10日に控えているため、CSの日程が窮屈にしわ寄せ。告知期間は限られるために、主催クラブはチケット販売に苦労。11月22日に最終節を終え、CS準決勝のチケットは26日、29日に発売。
 第2Sを鹿島が優勝していたら、25日に1回戦が入り、販売条件は更に厳しくなっていた状態。「この仕組みを作った人は、現場を知らないとしか思えない」という声がクラブ関係者から続出。
 準決勝の浦和対G大阪戦の入場者は40,696人に留まり、5月2日の同じカードの53,148人に遠く及ばず。CSの商品設計が売る側、買う側の立場を無視して行われた印象。
 試合数が事前に定まらない事は、放送する側にもハードルになったはず。準決勝のTV視聴率が5.1%(後半)、決勝第1戦が7.6%に留まったのはプロモーション期間が限定された影響も。
〔質の確保課題〕
 各クラブの強化担当者も早くから強行日程を疑問視。1回戦からの開催になると、第2Sの最終節から中2日、中2日、中3日、中2日で試合をしなければならず。「価値ある年間王者を決める場であり、世間から広く注目されるのだから、質の高い試合を披露できる条件で行うべき。質の向上無しに人気回復は無し」とJ1鹿島の鈴木強化部長のコメント。CSという商品をより輝かせる配慮が必要。
 大会方式を変更したのはシーズンのヤマ場を増やし、Jリーグへの関心度を高め、露出拡大、収益増を図るため。今シーズンのリーグ戦の1試合平均入場者数は前年比562人(3.3%)増とある程度の効果はあったが、気になる点も。
 第1Sの開幕戦は21,539人だったが、第2Sの開幕戦は16,798人で、平均以下に低下。第1Sの最終17節は20,776人だったが、第16節は16,961人と、「ヤマ場を作る」というリーグのPR不足を露呈。
 CS導入によるリーグの増収分はクラブに分配せず、成長戦略としてデジタル化、選手育成の環境整備に充当。クラブへの配分金は成績等による傾斜配分を強めたため、CSですべてのクラブが潤う訳ではないとか。
「CSが地上波で放送されたのは大きいが、すぐに恩恵を受けるのは賞金が増額された上位クラブに限られ、年間勝ち点を軽視し、競技面の公平性を犠牲にしてまで改革したのだから、リーグは放送権料のアップ等収益増に更に努めるべき」とJ1甲府の海野会長のコメント。
 それは今回のCSにより、Jリーグの価値がどれだけ上がるのかに懸かっており、「年間シートの販売数、スポンサー契約数にどれだけ跳ね返るか。大会方式の変更の成否の判断は来シーズンの数字を見てから」とJリーグの中西常務理事のコメント。Jリーグの存在を広く示した今こそ商機と締めくくっています。
   
 個人的には、Jリーグをアメリカのようにしたいのなら、Bリーグでたっぷりやって下さいと言いたいですね。いろいろ数字も出たりしましたが、やはりネガティブ記事が出てきましたね。年間王者の広島さんが貫録勝ちして結果オーライとリーグ側は思っているかもしれませんが、そう簡単に全国のファン・サポーター、そしてマスコミが黙ると思ったら大違いでしたね。もう少し経てば、もう少し情報が出てくるでしょう。
 その他の情報としては、CS決勝第1戦のTBS中継で、わかりにくい地上波TV中継に批判相次ぐという報道がありました。試合は一進一退の攻防が続き、とてもエキサイティングなものだったが、地上波の中継がその雰囲気に水を差したとしてファンやサッカー関係者からの強烈な批判を浴びたとか。
 TBS実況担当のアナウンサーは広島での第2戦があることに全く触れず、「チャンピオンシップ決勝」と言い切ることで目の前の試合が優勝を決めるかのような放送を地上波で流していたというものい。前半が終わっても第2戦について言及されることはなく、広島がゴールを奪ってもそれがアウェイゴールであること、複雑なレギュレーションに関してのアナウンスは何もなかったとか。次は佐藤選手の声です。
   
 そして、2ステージ制導入の時は、選手会長だったかな、J1広島の佐藤選手はかなり肯定的でしたが。今回「CS制に疑問を呈した広島の佐藤寿人」という報道が流れました。決勝第2戦の前に今回の大会方式に、疑問を投げかける声が噴出というもの。今回の大会方式の変更は世界基準からの逸脱や過密日程に対して根強い反対論が存在。
 複雑な心中を吐露したのがJ1広島の佐藤選手。「正直、年間1位のメリットは感じられない」と指摘。CSがあるならば決勝は「年間勝ち点1位のホームで一発勝負くらいじゃないと」優位性がなくなってしまう、というのが佐藤選手の考え。
 佐藤選手はこれまで、日本プロサッカー選手会(JPFA)の会長として2ステージ制移行の議論を進めるリーグ側と何度も協議。「経営などの問題で2ステージをやるのは仕方ない。それなら年間勝ち点1位は尊重してほしい」と何度も訴えてきたが、納得のいく大会方式にはならず。
「11月22日にリーグが終わって、CS準決勝の28日まで、どのチームと対戦するのか、開催地がどこになるのかも分からない。そういう意味では難しい。あと、下から上がってくるチームは少なからず『勝てたらラッキー』というのはあるが、年間1位なのにCSを勝てなかったら、と思うと、精神的に余裕は全く無い」と佐藤選手のコメント。
 11年前にプレーオフを導入したプロ野球でも、数度の制度変更を経て現在の形に修正。Jリーグは来シーズンも2ステージ制を維持する予定だが、CSの開催方式は改正していくべき。
 「年間勝ち点1位って何なのか」と佐藤選手。ステージ優勝のように表彰があるわけでもなく、CSでもメリットが少ない。本来あるべき姿ではないとの思いがぬぐず。「せめてCSが盛り上がってくれたらいいのだが」と選手が疑問を抱きながら戦う姿は、見ている方としても気持ちのいいものではないと締めくくっています。

 決勝第1戦が終わって、やや批判論調が沈下したようにも見えましたが、反対の炎が消えることはないでしょう。J1会議で「来年はCSの方式をもっとわかりやすいものに修正してはどうか」という声が相次いで、リーグ側からも改善案をいくつか提示した時点で欠陥制度である事は明白です。当ブログとしては長くても5年で元の1シーズン制に戻ると思っています。今年は微増、来年は横ばいだが、一向に成果が出ない状況にいらだち、再来年くらいに大会方式を戻す論議が出てくると個人的に予想しています。今年はこんなものでしょう。1年目からダウンしたらなおさらダメ制度ですから。簡単なことです。お客様であるファン・サポーターと対話すればいいのです。
サンスポ該当記事:http://www.sanspo.com/soccer/news/20151201/jle15120112510006-n1.html
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