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Jリーグの話題28 【J特】

2012-12-17 00:00:28 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介レポです。
 Jリーグ組織問題ネタ4作の4つ目です、一応。昨日、日経新聞「Jリーグ改革の道④」が掲載されました。「育成現場にも競争を」「プロ意識乏しく」というタイトルで、少し育成部分にも触れています。うーむ、日経のこの記事は少し主観が強いようにも見えます。以下、抜粋して紹介。
    
 「はっきり言って、最近のJリーグはつまらない」「選手がひたむきになっていない。すぐに接触で倒れて、起上らない。ゴールに向かわずに後ばかりでパス回しをして、ゴール前の攻防が少ない」と日本協会原技術委員長のコメント。
 「選手はみんなリスク回避ばかり考えて、腰が引けている。世相と同じでスカっとしない。世相と同じでは困る」と元仙台監督の清水氏のコメント。どちらも指導者の志低下という事で、草創期のような大物外国人選手が来なくなったが、代表クラスの日本人は次々と欧州に行く。選手と指導者の志の低さを口にしたコメントです。

 Jリーグの根本からの改革で、J1独立、シーズン制を変え、2ステージ制復活、ビッグクラブの育成と構想はあっても、肝心の試合内容が悪ければ、ファンの関心は低く、リーグのブランド価値も高まらない。それでも各チームのカラーが均等化し、特色が出にくくなっている。ファンを引き付けて離さないようなサッカーができるかどうかは、選手を育てるクラブの育成能力にかかっていると。
 一例として、「オレはこの柏のサッカーに中毒しているんだという人を作りたい。週に一度見なくてはいられないという人を」「柏が求めているのは『攻撃的』な選手。まずは相手の良さをすべてむしり取り、マークするのではなくプレーさせない。それはすべて攻撃のためだと考える。ポジショニングで勝負を優位に持って行き、相手の一手先を行く。そんな選手を作ってきた」とJ1柏の吉田ダイレクターのコメント。 
 この記事を書きながらたまたま観ていた、FCWCの3決で解説者が同じ吉田ダイレクターの言葉を紹介していました。 「今、我々は小学生チームにポジショニングを随分教え混んでいる。ポジショニングが良ければ、いいプレーにつながるので、子どもの頃から教えれば素晴らしい選手になる」と。
 こうした明確な育成ビジョンを持っているクラブは多くなく、「育成に関しては、現場に丸投げし、コーチの仕事のチェック機能がない。コーチは自分の仕事を振り返り、自己分析ができていない」と、元G大阪の育成コーチだったJリーグ上野山技術委員長も、育成のビジョン、現場の目的意識、プロ意識の欠如を嘆いているとか。

 「繁栄の条件に」という事で、クラブ自体が育成のビジョンを描いていない点に行き着くとしています。その絵をフロントとすべての指導者、選手が共有できていないと。育成コーチもプロでありながら甘さが残り、真のプロ意識が醸成されていないのではないかとしています。
「5年に1人は代表選手を育てるという覚悟をクラブに持って欲しい。Jリーグクラブのアカデミーはすごい仕事をしていると思われなくてはいけない」と日本協会田嶋副会長のコメント。
 J1柏に続いてプロ選手を輩出しているJ1広島の森山ユース監督のような優秀な人材がヘッドハンティングされても良い。トップチームだけでなく、育成現場にも真の競争原理が必要であり、それができるクラブが何年後かに繁栄すると締めくくっています。

 この記事を観てみると、ここにも、「Jリーグの根本からの改革」「J1独立」「シーズン制を変え、2ステージ制復活」「ビッグクラブの育成」という「J1のプレミア化」を思わせるキーワードが並んでいます。まるで、既成事実のような表現に逆に「それは少数意見で、この筆者だけの主観じゃないか」と思わず疑るくらいはっきり書かれています。何度も言いますが、J1のプレミア化、ビッグクラブの育成は、Jリーグバブルの再現であり、たぶん失敗するだろうと当ブログでは考えます。日本らしくない形であり、あくまで妄想的想像ですが、Jリーグ内にドイツ派とイングランド派があり、後者の声が大きいのだと認識しています。日本に合うのはあくまでドイツ流です。ドイツの質実剛健さこそ、日本が目指す形であり、世界一の観客動員数を範とすべきと考えます。
 この記事の中に「Jリーグの1試合平均入場者数」のグラフが載っています。観ると、J2ができる前の'97年に1万人まで下がっています。J2ができた後の'01年にも1万人に限りなく近くなっています。特に'97年はバブル後です。再びJリーグバブルがはじけたら、J1は平均1万人を大きく割り、J2は5千人を大きく割り込む事でしょう。そうなるとリーグそのものの経営・運営がどうなのかという話になりませんか? こういう点を考えてもプレミア化は反対ですね。

 そして、出てきました黄色いチーム。広島も育成型で今シーズンの初優勝で、育成型の成功例を昨シーズンに続いて示した事になりますが、J1柏は日本で最初に子ども向け普及型サッカースクールを始めたクラブです。最近よく出てくる吉田ダイレクターですが、「毎週見なくてはいられないくらい、柏のサッカーに中毒になる人をオレは作りたい」という言葉はいいですね。「攻撃的な選手で、相手の良さをすべてむしり取り、マークするのではなくプレーさせない」というシーンは、実は昨シーズン何度も観た黄色いチームの姿でした。FCWCで今年3位になったモンテレイを去年破った時のチーム、戦い方がまさにそうでした。
 「うちは育成型を目指す」と言うところもあるようですが、この記事を読むと、明確な育成ビジョンとすべてに渡るチェック機能が必要なのだと思いました。現場だけでなく、経営部分にももちろん「チェック機能」が不可欠。チェック機能を持てないクラブには、絵に描いた餅になるんだなと、ふと個人的に思いました。「チェック機能」については、当ブログで前々から触れているところです。今回の4つの記事は将来のJリーグの話題なので、ぜひ傍士理事にも読んでもらいたいですね。今後も日経新聞にはこのシリーズの記事が続くでしょうが、またいくらかネタを貯めてお届けしたいと思います。
Jリーグ組織問題関連⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121216
   〃          ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121215
   〃          ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121214
   〃          ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121108

   〃          ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120730

 複数の人から聞いた話ですが、昨日雨の中、美作で水島工高対作陽高のOB戦が開催されたとか。山陽新聞によると、誤審により、'02年の全国高校サッカー選手権出場権の明暗が別れた水島工高と作陽高のOBが10年ぶりに再試合を開催。当時の県予選決勝は1対1の延長前半、作陽の青山選手のVゴールと見られたシュートが得点と認められず、PK戦を水島工高が制しました。後日、日本協会は勝敗は覆らないとした上で、誤審を認めたため、優勝した水島工高には嫌がらせがあったり、主力選手が出場を事態するなど、波紋が広がったとか。当時の作陽高主将と水島工高のGKが、互いの知人を通じて再開して今回の再試合が実現したそうです。試合結果はまたしても1-1のドローだったとか。そういえば、作陽高の主将といえば・・・

コメント
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