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Jリーグの話題54

2013-11-01 00:04:42 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 当初はウルトラスレポを予定しておりましたが、昨日当ブログにとって、大きなニュースが飛び込んできたので、張り切って紹介したいと思います。
 昨日、J1大会方式変更に関する意見交換会がJFAハウスで開催され、過去のJ1優勝クラブやACL出場経験のある12クラブの実行委員らが集まり、大東チェアマンらJ幹部と話し合ったそうです。意見交換会では「2ステージ制ではなく1ステージ制にして、その後、ポストシーズンを戦うのはどうか?」との意見が出て、「この案も今後、協議していきたい」と大東チェアマンがコメントされたようですが、報道では、9月の理事会で既に正式決定した2ステージ制を自ら否定する迷走ぶりと伝えています。これだけを読むとよくわからない部分が多いですが、その後次々と報道が流れてきました。特に「サッカーキング」は詳しかったですね。個人的にまとめたものをお届けいたします。
   
 今回の意見交換会にはJリーグ優勝もしくはACL出場経験を持つ仙台、鹿島、浦和、FC東京、川崎、横浜FM、磐田、名古屋、G大阪、C大阪、広島、柏の12クラブが参加。主に以下の4項目について話し合いを行ったとか。
①リーグ戦とポストシーズン制度(スーパーステージ)における問題点の洗い出しと解消方法
②リーグ戦におけるACL出場権の獲得とJ2降格の決定方法
③大会フォーマット変更に伴って増える収入の使用用途
④ピッチ内クオリティーの向上

 ここで問題になったのが、①のリーグ戦とポストシーズン制度における問題点の洗い出しと解消方法。9月のJリーグ理事会では2ステージ制とポストシーズン制の導入こそ承認したものの、詳細部分については今後突き詰めていくこととなっていました。その後、JPFA(日本プロサッカー選手会)との労使協議会で選手側からは「年間順位の尊重」と「フェアな大会方式」を希望され、「年間2位よりステージ2位が重視されることについて違和感がある」という意見も参考に。また、佐藤選手会長からは「負けたほうが得をするような試合が出てくるような方式は望ましくない」ともコメント。こういった経緯を踏まえて詳細を詰めるにあたり、様々な状況をシミュレーションした結果、今回の問題点を発見。
 問題になったのは、2ステージ制でのポストシーズンに4試合を固定した場合。現在の方式では各ステージの1位と2位SS(スーパーステージ)に進出し、それぞれたすき掛けで対戦。その勝者同士で試合を行い、勝ち上がったクラブが年間勝ち点1位と激突するため、計4試合を開催。ただし、年間1位と各ステージ上位が重複した場合の大会方法、SS参加クラブの決定方法は先送りされていた中での欠陥発見。
 例えば年間1位を重複する事でどちらかの期の3位が繰り上がってくる方向だが、ステージ3位のクラブなどが「わざと負ける」ことで年間1位を確定させて重複クラブを出し、出場枠を空けさせようとするケースが出てくる可能性が生じる事。リーグ戦の途中で負けたほうが得になる試合があるとすれば、その大会フォーマットにおいては「決定的な欠陥」となる。

 今後のポイントは、以下のどちらを優先すべきかになるとか。
①「2ステージ制におけるフェアな大会方式」を優先する場合は、各ステージの3位以下を繰り上げずにポストシーズンの試合数減を受け入れる。
②「ポストシーズンの試合数固定」を優先する場合は、1ステージ制を導入して出場クラブが重複しないようにする。
 決して2ステージ制を取り下げたわけではないが、大東チェアマンは「2ステージ制がベースだが、(今回の問題を受けて)もう一度検証しようということ。1ステージ制を採用する可能性もゼロではない」と説明。中西氏は「理事会に差し戻す勇気を持ってやろうということ。選手やサポーターの声は届いている。改めてインターネット調査を実施しており、その結果は近日中にJリーグ公式サイトにアップする予定。(より良い大会フォーマットを決定するための)プロセスをしっかりと踏みたい。矛盾点は解消していかなければならないが、出てきた課題をクリアするべく前に進んでおり、決して戻っているわけではない。大会フォーマットは年内には固めたいが、一番重要な部分なので時間をかけてしっかりやりたい」とコメント。

 わかりにくいという読者の方に当ブログ的にわかりやすく説明してみましょう。例えばの話です。2015年シーズンは、前期優勝が浦和、2位が広島、3位が仙台、後期最終節の時点で、1位が柏、2位がC大阪、3位が鹿島という設定にします。最終節は柏対鹿島で、年間勝ち点は今は浦和が1位ですが、最終節で勝つと一気に柏が年間1位になるというシチュエーション。ここで鹿島は考える。最終節で自分達が勝つと、柏が年間1位になってSSから一気にCS(チャンピオンシップ)に上がってしまい、後期のSSは2位のC大阪に加えて、3位の自分達鹿島が繰り上がる。負ければ、前期1位の浦和が年間1位になり、3位の仙台が繰り上がってSSに出場となる。鹿島にとっては勝てばそこでシーズン終了。負ければSSに出場できるとなるのです。うまり「負けた方が得」と考えて無気力試合になる恐れがあります。これがフェアな試合なのかと。

 これで2ステージ制は抜け道、欠陥と言われ、代替策としてポストシーズン実施を前提に1シーズン制を維持する案や、各ステージ1位クラブと年間勝ち点2、3位がSSに出場する案などが議論されたようです。Jリーグは決着時期については明示せず、協議の行方は混沌としてきたとあります。そして、ヤフーニュースのトップに「お粗末!!Jリーグ2ステージ制、欠陥発覚で“白紙”に…」というタイトルで、更に詳細に報道が流れました。

  SSに欠陥が発覚し、今後は2ステージ制に加え、現行の1ステージ制でのプレーオフ導入も検討するとし、12月の理事会までに新たな結論を出す方針だが、Jリーグが前代未聞の迷走を始めたとしています。試合自体はtotoの実施対象であり、極めてまずい構図となってきました。2ステージ制導入に反対するファンや 一部クラブの声に背を向け、細部未定のまま性急な改革に動いた結果が、お粗末なドタバタ劇を招いたと言い切っています。
 そして、山陽新聞にはなかったですが、今朝の日経新聞の「解説」には詳細に次のように手厳しく載っていました。
「これはスポーツの根幹を揺るがす矛盾を生じさせる事。この欠陥に気づいたのが10ケ月の議論の末、理事会でプレーオフ制導入を決めた後だというのだからあきれる。大東チェアマンは『今後、複数の案を精査していく』とあるが、10ケ月という時間を何に割いていたのか。今頃になって「振り出しに戻る」というのだから、間が抜けている。成長戦略の柱としていたのに、これではJリーグのイメージに傷がつく」

 今日1日ボロかすに叩かれたJリーグですが、その後Jリーグ公式HPで大東チェアマンがコメントを発表しました。「現在議論している内容は、2ステージ制の検討を撤回あるいは白紙に戻すという事ではなく、9月の理事会での決定事項をもとに更に議論を深めているということであり、粛々と前進を続けているということに他ならない」とありますが、詳しく読むと、もはや2ステージ制議論が終了してしまう事は明白のように思えます。当ブログでは9月の理事会で決定後、来年の7月の最終期限まで「第2ラウンド」が展開され、撤回される事を望むと言ってきましたが、今回撤回に大きく近づいた事を意味すると思います。更なる動向を注視したいと思います。オヤGK氏もお怒りの様子。
 利益ばかり追求し、消費者(ファン・サポーター)を無視した今回のトラブルは、個人的には昨今の某ホテル関連の報道を聞いた印象と重なる事を否めません。商業主義に走る事は良くないと思います。そして、このまますべて撤回となれば、どうしても今回の主役2人の責任問題が出てくるのも明白なのかなと個人的に思っています。
Jリーグ組織問題関連(2ステージ関係)⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131021
   〃                    ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131010
   〃                    ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130928
   〃                    ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130923
   〃                    ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130919
   〃                    ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130918
   〃                    ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130916
   〃                    ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130915
   〃                    ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130914
   〃                    ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130913
   〃                    ④:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130818
   〃                    ③http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130712
   〃                    ②http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130711
   〃                    ①http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130710
Jリーグ組織問題関連 (その他)⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130824
   〃                ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130704
   〃                ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130614
   〃                ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130518
   〃                ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130125
   〃                ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121228
   〃                ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121217
   〃                ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121216
   〃                ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121215
   〃                ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121214
   〃                ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121108

   〃                ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120730

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