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Jリーグの話題27 【J特】

2012-12-16 00:40:58 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 一昨日、日経新聞の「Jリーグプレミア構想」を紹介し、モデルとされているイングランドのプレミアリーグを調べてみて、Jリーグはイングランド型にプレミア化すべきではないと提言しました。ふと、Jリーグ百年構想のモデルであるドイツ・ブンデスリーガはどうなのかと思い、調べてみました。以下、抜粋して紹介。
        
 ドイツ・サッカー・ブンデスリーガは1部、2部各18クラブ、3部20クラブの合計56クラブが所属。観客動員数では世界第1位のプロサッカーリーグ。1部と2部はDFL(ドイツサッカーリーグ機構)が運営し、3部はDFB(ドイツサッカー連盟)が直接運営。そのため、上位2リーグの正式名称は「ブンデスリーガ」がついているが、3部は「ドリッテ・リーガ」になっていてその違いを反映。通常、「ブンデスリーガ」と言えば1部リーグのことを指す。
 欧州の他の国(特に南ヨーロッパ)と違い、ブンデスリーガに属するには欧州で最も厳しいと言われるDFBのブンデスリーガ・ライセンス取得の条件を満たさないとプロクラブとしてリーグに参加できないとか。
 そのため、スペインやイタリアのように多額な借金をする事は認められず、特定の選手に破格な年俸を支払う事も健全的な経営の理由から認められないため、多額の資金を必要とする世界的なスター選手の獲得が難しいとされる。また、'90年代から始まった各欧州リーグのアジア・アフリカでの国際マーケティングに出遅れたため、イングランドやスペインに比べて、高額な国外テレビ放映権等を得られず、プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラに世界最高峰の座を譲った形になっているとされている。

 しかし、健全なリーグ及びクラブ経営は様々な国々の模範とされており、日本協会もJリーグを設立した際にモデルにしたとの事。 リーグの平均観客動員数も他国リーグを圧倒。'06年には4万人を超えた。(2006年 スペインは平均29029人、イングランドは33864人、イタリアは21698人) 近年のドイツ勢はチャンピオンズリーグ等での活躍が目覚しく、優勝クラブは出ないものの安定した好成績を残しており、UEFAリーグランキングではイングランド、スペインに次ぐ第3位。第4位のイタリアに対しては大きなポイント差をつけて上回っている。ただ、Jリーグと異なりチーム名に企業名を入れることが認められているという一面もある。

 ドイツでは'62-63シーズンまで各地域リーグの優勝クラブ参加によるトーナメント(ドイツ・サッカー選手権)で優勝を争っていたが、'63年に全国リーグであるブンデスリーガが創設。'90-91シーズンまでは旧西ドイツに所属するクラブの参加によって開催され、ドイツ統一によって、'91-92シーズン以降は旧東ドイツのクラブも参加しているが、その数は少ない。
 '06年に、新たに'08-09シーズンよりブンデスリーガ3部が発足することが決定。'07-08シーズンの結果に基づき、ブンデスリーガ2部からの降格クラブ(4クラブ)と、南北の2リーグに分かれている旧3部リーグの上位クラブ(南北8クラブずつ)によって、新3部リーグが構成。その下に、旧3部リーグの下位クラブとオーバーリーガの上位クラブによる4部リーグとしてレギオナルリーガが再編成。また、以前はBチームがブンデスリーガへ昇格することは不可能だったが、この制度改革以降その制限を撤廃。 ただし、Aチームと同じディビジョンでプレーすることは不可。シーズンは、秋冬制で、1部の最終順位の下位2クラブは2部に自動降格。最終順位16位のクラブは2部で3位のクラブとH&A方式のプレーオフを実施。

 これらを観ると、イングランドと比べてはっきりとした違いが出てきます。1部と2部をリーグ、3部をドイツサッカー連盟が直接運営しており、1部だけがプレミアリーグとして独立しているという事はありません。厳しいライセンス制度のもと、多額な借金は許されないため、有名選手は獲れません。すなわち、マンUのような借金付き金満クラブは所属できないのです。イングランドやスペインに比べて、高額な国外テレビ放映権等を得ていないため、観客動員に頼らざるを得ません。その結果は、ドルトムント対ハンブルガーSV戦は、何と8万人甘り、シュツットガルト対シャルケ戦は約6万人、バイエルン・ミュンヘン対ボルシアMG戦は7万人足らずが入っています。それらが頂点で、平均観客動員数が他国を圧倒する4万人越え。一方のJリーグ1部は2万人に達していません。一握りのクラブの数字ではなく、1部18チームの平均なのです。以前の記事で、ドイツは海外の有名選手を獲れないために、将来が有望な若手外国選手を獲る方針で、国内選手の所属率が高いと紹介していますが、まさに理想的なプロリーグではないでしょうか。テレビマネーを気にせず、地域密着した運営で平均4万人を動員し、クラブ経営の数字もいい。

 日本協会もJリーグを設立した際にモデルにし、現在もクラブライセンス制度においてモデルにしていますが、なぜその部分だけなのでしょうか。どうしてプレミア化はイングランド等をモデルにするのでしょうか。プレミア化はJリーグバブルの再来を予感させます。J1の独立、2ステージ制に戻して、ビッグクラブを作るというのはまさに「あの時代」の再現です。考えてみて下さい。プレミアリーグになり、勝手に経営し始めると、行政との関係は必ず崩れていき、三位一体の支援という関係は崩壊していきます。金儲けしか目を向けなくなるため、地域・社会貢献活動をやらなくなってきます(これって、今もどこかで聞く話ですが)。この不景気の時代、思惑どおりにやっていけるでしょうか。「2回目のJリーグバブル崩壊」が発生するのではないでしょうか。前回は蘇生できましたが、次はどうでしょうか。
 以上、想像し過ぎかもしれませんが、当ブログとしては、プレミア化は反対です。テレビマネーを当てにせず、各クラブも分配金を頼らない採算性を推進すべきと考えます。昨日の日経新聞に次の記事が出ていたので、4連続記事の4つ目として明日紹介。

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