明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

食道楽生活に終止符

2007-11-19 12:07:37 | 美味しいもの
最近、食道楽に勢いがついて、夫婦で毎週末のように贅沢をしている。
先々週は、「びりけん」と「四万十川」に行って、
先週は、新規開拓で「日本酒がおいしいお店」と「尊尊我無」に行った。

私は「食道楽帳」を持っていて、そこに雑誌などで目をつけている店の情報をこと細かく書いている。
先週末は、その中の日本酒がおいしいと言われているお店に行ってみたのだけど、それがまあ・・・とても残念な結果になった。

私の「おいしいものアンテナ」は非常に高性能なので、理屈ではなく本能でおいしい店を見分ける。
その店は、入った瞬間に「あれ?」と思った。
こだわりの地ビールを注文し、料理を何品か。
美味しい。とても。
特に鰆の焼霜は絶品。鰆って本当においしい魚だなぁと思う。

そこまではよかったのだが、日本酒がまずかった。
確かにこだわった品揃えだし、数も多い。
燗にするなら、ちゃんと錫のちろりを使ってくれるし、常温、冷やと温度を分けて保存している。
1合だけでなく、5勺、8勺でも出してくれるので、いろいろ種類を試せるのも嬉しいところだ。

せっかくのなので飲んだことがない酒蔵のものをと選んで注文したら、これが常温保存のもので、舌にベタベタ残る。まさに「日本酒は苦手」という人は、最初にこういう酒を飲んでしまったんだろうなぁと思うような味。
当たり前だけど、置いている商品は全部純米だった。(本醸造など置いていたら、まず行かない)
なのに、これだ。
グラスも悪い。せっかくの酒を殺すような味気ないグラス。
他も試したが、チェイサーがないと飲みきれないほど美味しくなかった。

料理は美味しかったので、本当に残念。
あの日本酒のレベルで「日本酒のおいしい店」を謳ってはいけない。

結構早く店を出て、私がずっと文句を言っていたら、彼が「もう1軒行こうか?」と言う。
彼は私がなぜそんなに憤慨しているのか、どうもわからない様子。
彼は「まあ、こんなもんじゃないの?それなりに満足したで」という感じだ。

だけど、その後、まぐろ料理と日本酒のおいしい「尊尊我無」に行って日本酒を飲むと、彼はしきりに
「あー、こういうことね。かおりが言ってる意味がわかったわ。このレベルか!」とうなずいていた。
やっと美味しい日本酒にめぐり合え、私も落ち着いた。

あまり冷やしすぎないほうがおいしい酒があるのはわかるけど、常温も保存が悪いと味が確実に落ちる。
一升瓶だから、もしかすると何ヶ月も前のものかもしれない。
1ヶ月前だとしても、かなり暑い日もあった。味が落ちるのは当然だ。
また、どんな酒でも燗をするというのも納得がいかない。
燗が悪いわけではないが、燗を勧めるならば店主がすべて味を確かめて、「これは燗のほうがおいしい」という勧め方をしてほしいのだ。

ふと入ってみた店や、日本酒には期待していない居酒屋ならともかく、雑誌を見て美味しそうだなぁと狙いを定めていた店だっただけにショックだった。
それに、料理がおいしいだけになぁ・・・もったいない!
そのほかも、いくつか変えたいところがあるんだよなぁ。(トイレやBGMなど。店に入った瞬間、芳香剤の強い香りがしたのもアウト)

家に帰ってから、
「私に依頼してきたら、私があの店を繁盛店に変えてやる!
と意気込んでいたら、
「かおり、依頼はないから
と彼。
・・・うん、まあね。

しかし、最近本当に贅沢しすぎ!
私のことをよく知る人たちは「もう聞き飽きた」と思うだろうが、また言う。

「私、お金を貯めます!(今度こそ)

稼ぎも増やさないといけないけど、とりあえず節約する。
ゆうちゃんに「貯金いくらあるの?」と聞いて、金額を聞いてびっくりしたのだ。
「なんでっ!なんでそんなにあるの?!」と詰め寄ったら、
「うちらくらいの歳で働いてる人やったら、みんなこれくらいあるで。私なんて少ないくらいやもん。みんな何倍も持ってるで
と冷静に言われた。

貯金なぁ・・・・・・(遠い目)

私は自称「金の亡者」のくせに、「金」に興味がなくて。
お金を貯めるということがバカバカしくて仕方がないのだ。
明日死ぬかもしれないんだから、歌って踊って暮らそうよ!という、典型的なキリギリス体質。
こうしてキリギリスさんは、寒い冬が来たときに、食べるものもなく、死んでしまいましたとさ・・・。
なんて、結末になるんだろうけど。
お金っていうのは「稼ぐ」という行為が楽しいのであって、その後の使い道はあまり興味がない。持っていてもただの紙切れで楽しくないので、さっさと楽しいことや美味しいことに替えてしまう。それも自分がしたい贅沢なんて上限は知れてるから、極端な話、残ったお金は困っている人にあげてしまっても構わない。
それくらい、お金に興味がない。

だけど、1つ目標ができて、それには資金が必要なので、お金を貯める決意を固めた。とりあえず、これから1年間!
1年ならなんとか我慢もできるだろう。
この使い道は、もう少し具体的になったら、ここに書くこともあると思う。

目標が決まれば、貯金する意味も出てくる。
これからは贅沢も控えて、飲み代も抑えて、節約生活!
ゴールまで辿り着けばいいなぁ。


10 years ago

2007-11-19 00:20:08 | 友達
金曜日、ろこちゃんに会った。
高校時代に二人で何度も通った喫茶店で待ち合わせ。
私たちの通った高校のすぐそばにある。
久しぶりに会ったろこちゃんは、何も変わっていなくてほっとした。

仕事を始めてから会う機会が減り、ずっと「空を飛びたい」と言っていたろこちゃんが客室乗務員という仕事を選び、東京へ行ってしまってからさらに会えなくなり、年賀状で毎年のように「今年こそは会おうね」と言い合うだけになっていた、この数年間。

向かい合って、顔を見て、「何年ぶりだろう」と二人で考えてみたら、驚いたことに、ほぼ10年ぶりだった。
だけど、一瞬で10年という月日は溶けた。

「先月会ったくらいの感覚だね」と笑い合う。
懐かしい店で、懐かしい人たちの話題。
今の自分達の生活。
疑問に思っていた、客室乗務員という仕事についてのあれこれ。
話は尽きず、大笑いしたり、せつなくなったり。

店を出て、高校へと向かう。
門の外から校舎を眺める。
淋しいことに、あの美しい校舎はもうない。
面影すらなく、ただの新しい建物が並んでいるだけだった。

「あの辺りが、ピン館の場所やんね」
「あそこに、グラウンドがあったよね」
そう言って、面影を探そうとするのだけれど、悲しいことに正確になぞらえることは困難だった。

だけど、目を閉じればはっきり思い出す。
きしむ廊下、階段のてすり、踊り場の鏡、むき出しの蛍光灯、飾り窓、ボロボロの旧体育館、何度も走り抜けた「ささやきの小道」、「みんなで押したら動いた」という伝説のある五号館、丸い形をした水道、ほったて小屋みたいに並んだ部室、そこから見える北グラ、その脇の細い道を通ると出てくる、あの私の青春がつまった体育館。
今も、彼らがボールを打つ音が聞こえてくるようだ。
あの、体育館に響く、音。

ろこちゃんとは3年間、一度も同じクラスにはならなかった。
だけど、私が男子バレー部のマネージャー、ろこちゃんが野球部のマネージャーで、一緒の更衣室を使っていたことから、友達になった。
お互いの先輩マネージャーに紹介されて。

「なんて呼ばれてるの?」と聞くから、
「だいたいみんな『さんちゃん』って言うけど・・・」
と私が答えたら、ろこちゃんはこう言った。
「えー、なんか、さんちゃんなんてイヤだ。私は『かおりちゃん』って呼ぶね」
それから、私は「かおりちゃん」になった。
彼女はこういう天然マイペースなところがある(笑)

久しぶりに懐かしい場所で、ろこちゃんとしゃべっていたら、いろんなことを思い出した。
高校の空気が戻ってきたみたい。
また、話に出る同級生が、みんな公務員や先生、一流企業に勤め、海外などでも活躍しているのを聞き、高校時代の「異端児」だった感覚まで蘇ってきた。
なんだか別世界のようなのだけど、自分もそこに途中までは足を突っ込んでいたんだなぁと不思議な気分。
でも、負け惜しみではなく、そこに入らなかった自分の生き方が私は好きだし、誇りをもっている。
「自ら選んだ道」であれば、甲乙などつけられるはずもない。
ただ、自称「金の亡者」である私は思った。
「みんないい会社で働いて、金持ってるんやろなー。ええなー」と(笑)。

昔話にも花を咲かせながら、たっぷりしゃべった5時間。
だけど、10年間に蓄積した想いを語るには5時間では物足りなくて。
また会うこと、次はうちに来てもらうことを約束して、別れた。

帰りに思った。
なぜ10年も会わなかったのだろうかと。
遠く離れてしまったこともあるし、ろこちゃんが東京に行った頃の私の精神状態はあまり良くなかったこともあるだろう。
「求めること」「追いかけること」ができなかった。
1年空き、2年空くと、7年はあっと言う間で、気付けば10年。

もう私のことなど何とも思っていないんだろうなぁと思うから、ますます「会おう」と言いづらくなっていた。
だけど、結婚しましたの葉書を送った後、彼女から素敵なお花が届いた。
そこに添えられていたメッセージからは、私の結婚を本当に心から嬉しく思う気持ちが伝わってきて、・・・そして、最後にこうあった。
『腹心の友より』

私はそれを目にした瞬間、なんだかこみ上げてくるものがあって、ボロボロ泣いた。
『腹心の友』
それは、昔、私たちが使っていた言葉だ。
こんなに離れても、まだ私を「腹心の友」だと言ってくれるんだと思ったら、もっと素直になろうと思えた。
「今度大阪に帰って来たら、会いたい」と、ようやく言えた。

そして、それは実現した。

私の腹心の友は相変わらずの天然マイペースで、私は一緒にいると心安らいで、話しているだけであたたかい気持ちになれた。
私の仕事や生活に興味をもって、じっくり話を聞いてくれる。
あの頃に戻ったようだった。

10年は完全に溶けた。
これからまた、新たな友情が築かれるはず。
10年前の心が荒んでいた私とはもう違う。
自信をもってろこちゃんに会える。
それが、今は本当に嬉しい。