明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

気難しい人?!

2007-11-09 01:30:02 | 仕事
「怖い人」の取材って面白いんだ、これが。
ちょっとワクワクするってことは、私ってM?(笑)

今日は夕方、某企業の取材。
16時半と聞いていたので行ってみたら、
「こちらは6時半ってお願いしたんですけど!」と言われた。

ああ・・・たぶん、16時と6時の聞き間違いね・・・
私は全く悪くない。
言われた通りに来ただけで、それは聞き間違いじゃないので。
取引先とこの企業との間の話。

しかし、この取材は来る前から若干不安を煽られていた。
アポをとる段階で意思疎通がうまくいっていなかったらしく、「ちょっと気難しい方なので、きちんとした対応を」と言われていたのだ。
なのに、いきなりこのザマだ。
確かに、ちょっと勢いのある女性。
「それでは出直します!」と会社を出た。

2時間もある・・・
しかし、嬉しいことに近くに上島珈琲があるではないか!
なんてタイムリーな!
おまけに読みたい本も持っていた。
うん、珈琲飲みながら読書も悪くない。

私は不思議なくらい、ライター仕事に関してはポジティブだ。
それは「絶対失敗したくない」という想いが異常に強いからだと思う。
たとえ人生に失敗しても、ライターという仕事で失敗するのはイヤなのだ。
だから、基本的にはネガティブな人間のはずなのに、ことライター仕事に関しては「絶対に」ネガティブな感情を抱かない。意識してそうする。
それは、思ったとおりになることが「本当に」怖いからだ。

上島珈琲で考える。
先ほどの、ちょっと機嫌を悪くしていた女性。
言われていた通り、こちらがまずい対応をしたら容赦がなさそうだ。
今までも何度も難しい人の取材はしてきたけれど、でも、そういう取材って実は意外に面白いのだ。
「怖い人」とか「気難しい人」なんて、自分の周りにはまずいないし、そういう人間に触れるチャンスだ。また、そういう人って、芯があって、いい人だったというケースも多い。
さらに、そういう人に、にっこりしてもらえたら、こんなに嬉しいことはない。
自分の腕試しでもある。

ほら、かなりポジティブ!
自分でもなぜこうなるのか、よくわからない。
普段は子供みたいな内容の私だが、仕事となるとめちゃくちゃ「デキる女」になる。(ほら、こういうことを自分で言うのが子供だ!)

2時間経って、ちょっとオネムでうとうとしはじめた頃、6時半前になった。
再び会社に伺うと、先ほどの女性、そして、若手社員の男性。
結論から言うと、とても良い取材だった。
楽しかった。

私は「企業取材」が一番好きなのだが、何が好きって、それは「働く人」がとても美しいからだ。
そして、自分の知らない世界の仕事があることを知り、豊かになる。
職業に貴賎なしというが、本当にそうだと思う。
どんな仕事も、仕事だ。
それに誇りをもっている人は素敵だ。
そして、「良い会社」というのはあるのだ。

今日の会社もとてもいい会社だった。
社長さんにも会ったのだけど、そういう会社の社長さんというのは、気さくで社員と仲がよい。
だけど、尊敬されている。
そういう社長だから、幹部社員も同じようなタイプで、そういう人が雇うから社員もアルバイトも同じようなタイプになる。
そうすると「社風」というのが出来上がる。
その社風がいいものだと、自然と仕事が楽しくなり、業績が上がる。
業績が上がるとまた仕事が楽しくなって、みんなが潤うからさらに人間関係が良くなる・・・
といった循環になっている良い会社がある。

今日取材した会社も、まさにそれ。
怖そう、気難しそうと思っていた女性も、しゃべってみると、とても素晴らしい人だった。
頭が良すぎてテキパキしているから、ちょっとキツい感じに見えてしまうだけなんだろうなぁ。
話しているのがとても楽しかった。
こういうとき、自分がのってくるのがわかる。

それから、まだ入って二ヶ月という若手社員の方もいい人だった。
営業さんっていうのは、取材がしやすい!
やっぱりしゃべりが上手、愛想がいい、礼儀正しい、サービス精神旺盛。
いつも取材する側みたいな立場で仕事をしているのだから、当たり前といえば、当たり前だが、こちらが欲しい言葉をスラスラと口にしてくれる。

取材しているうちからもう文章ができてしまった。
こういう取材は100点。
あとは紙に打ち込むだけでいい。

今日は、昔のライター仲間から、同じような求人サイト関連の仕事の話ももらえた。
これで同じような仕事の取引が3社目なので、どうもこの仕事がメインになりつつある。
ただ、自分が望んでいた仕事に近いので(企業を取材して働く人の想いを文章にする)、ありがたい。

今、もう一つしたいのは、自叙伝を書く仕事。
これはもうずっと前から思っていたのだけど、自分の生き様を1冊の本にしたいと思っている人って結構いるから(中小企業の社長とか。もちろん自費出版とかで)、そういう人の話を聞いて本にまとめる仕事ができたらいいのになぁと思う。
B.Bキングの自伝を読んでから、よけいにその気持ちが強くなった。

有名な人である必要なんてないのだ。
どんな人にも輝いた瞬間がある。
それを書き留めてストーリーにできたら、どんなにいいだろう。

今の求人サイトの仕事は、そのほんの断面だけど、
一生懸命誇りをもって働いている人の、小さな日々と想いを綴れる。
そんなふうに想って読んでくれる人はいないかもしれないけれど、
書き手としてはとても幸せなのだ。

人がひたむきに信念をもって生きる様っていうのは、とても尊くて美しい。
その小さな断片を拾って文章にできたら、
こんなに嬉しいことはない。