「ああ、ありがとう。彼に見せてあげて」
いつの間にか、さっきのブロンドの看護師が透明なパックに入った足のようなものをワゴンに乗せて俺のベッドの傍まで来ていた。
「これですよ。あなたの前の足は」
そう言うと、俺の元足らしきものを、ベッドの俺から見やすいようにゆっくりと立ててくれた。かなり重そうだ。
生気が全くなく不気味な色に変色しているその物体は、よく見ると懐かしい傷跡があちこちに付いている紛れもない俺の足だった。それぞれの傷跡には、それなりの思い出があるが、膝は見るも無残に破壊され、骨がはみ出ている。切断部分は太ももの付け根辺りらしく、まるでマネキン人形のパーツのようだ。今まで自分のすぐ近くでしか見たことがない物体が、身体から離れたところに見えることにはものすごい違和感を感じたが、改めて包帯巻きの新しい足を見ると本当にちゃんと動くのかという現実的な不安がよぎり、ついさっきまで感じていた変な違和感を吹き飛ばした。
「あなたの足はかなり深手を負っていて、しかも治療するまで時間がかかったせいで、壊死しかけていたの。もう切断するしかなかったのよ」
ブロンドの看護師がそこまで説明すると、元俺の脚を再びワゴンに乗せて持って行った。
すると、ブロンドと入れ替えに見知らぬ白衣の男が近づいてきてクリス博士に声をかけた。
いつの間にか、さっきのブロンドの看護師が透明なパックに入った足のようなものをワゴンに乗せて俺のベッドの傍まで来ていた。
「これですよ。あなたの前の足は」
そう言うと、俺の元足らしきものを、ベッドの俺から見やすいようにゆっくりと立ててくれた。かなり重そうだ。
生気が全くなく不気味な色に変色しているその物体は、よく見ると懐かしい傷跡があちこちに付いている紛れもない俺の足だった。それぞれの傷跡には、それなりの思い出があるが、膝は見るも無残に破壊され、骨がはみ出ている。切断部分は太ももの付け根辺りらしく、まるでマネキン人形のパーツのようだ。今まで自分のすぐ近くでしか見たことがない物体が、身体から離れたところに見えることにはものすごい違和感を感じたが、改めて包帯巻きの新しい足を見ると本当にちゃんと動くのかという現実的な不安がよぎり、ついさっきまで感じていた変な違和感を吹き飛ばした。
「あなたの足はかなり深手を負っていて、しかも治療するまで時間がかかったせいで、壊死しかけていたの。もう切断するしかなかったのよ」
ブロンドの看護師がそこまで説明すると、元俺の脚を再びワゴンに乗せて持って行った。
すると、ブロンドと入れ替えに見知らぬ白衣の男が近づいてきてクリス博士に声をかけた。