★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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義椀の男(47)了

2010年06月21日 | 短編小説「義腕の男」
「とりあえず、命拾いしたかな」
 俺は、准将と話し終えた公衆電話の受話器を左手で置いた。右腕はまだ戦闘モードのため何にも触ることができない。結構不便である。
 この先どうするかいろいろ迷ったが、結局知らん振りをして戻ってみることにした。このまま行方をくらますこともできたが、一生脱走兵として追われる身になるだけだし、バランサーの望むとおりチップはMr.Rに送ってやったのでいきなり殺されることもあるまい。
 まずは、うちに帰ってシャワーを浴びて、それからジャックのところに行って、通常の生活ができるように右腕を直してもらうのが、今一番の望みである。