鹿児島国体が行われている時に桜島の噴火活動がやや盛んになり、他県からの選手が驚いたそうだが、それでも鹿児島らしく火山灰が薄っすらと積もった光景に好意的な感想を寄せる選手が多かった。
桜島の噴火は9月頃まではほとんど話題にならない程度の噴火しかなかったが、まさに時を同じくして今度の国体期間中に何度か噴煙を上げ、鹿児島市方面よりも風向きが西寄りだったので大隅半島や霧島市方面に降った。
当地鹿屋市でも、朝、車に乗ろうとしてフロントガラスにうっすらと積もったのを2度ばかり拭き取ったのを覚えている。
今日の夕方、テレビを観ていると画面の上の方にテロップが入った。地震情報かなと思ったのだが、桜島の噴火情報だった。5時少し前に噴煙の高さが3600mで、大隅半島の北部に流れるという予報だった。
10分ほどしてまた噴火情報が出たので、これは外に出て確認するしかないと思い、デジカメを手に自転車を引っ張り出して南側の畑の向こうの道路まで行ってみた。
ダイコン畑の向こうの2軒の家の後ろに横たわる高隈連山のはるか上に、さっき最初にテロップで流された桜島の上空3600メートルまで上がった噴煙が灰色の雲となって流れて行くのが見える。
噴煙の行く先は右手、鹿屋市の北部を占める輝北町の方向らしい。あと1時間くらいしたら細かい火山灰が向こうに降るのだろう。
しばらくしたらまた噴煙が上がった。左手に見える黄色い壁の住宅の上に左から右へ流れるのが分かる。
これもどうやら上がって間もなく上空のやや強い風にあおられて、右手(東)の方へと向きを定めたようだ。
この10月になっていきなり涼しくなったのだが、その原因は「西高東低」の冬型の気圧配置になったからだ。北西から吹く大陸性高気圧由来の強い風は、鹿児島の東にある大隅半島にやって来る。
ただしこの風は強烈な冷たさはもたらさない。鹿児島本土に上陸する前にまず東シナ海の海流の暖かさが寒さを和らげ、さらに大隅半島に上陸する前にはこれも暖かい鹿児島湾の上を通過する。
だから北西の風と言ってもコートが欲しくなるような冷たさはない。
それでも暖かさに慣れている大隅半島の住民には一入寒く感じられる。この点は寒暖を感じる主体の「体感的相対論」で説明ができよう。
ともあれ、今年も秋冬の「降灰のシーズン」の入り口に入ったということになる。
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