亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

女郎花

2021-10-12 | 写謡

兼六園で
今回は詞の部分の文字の色を変えてみた。
その方が節のある部分ない部分の区別が付きやすいかと思ったが、さて、どうかな。
旅僧はそこに生えていた女郎花を一本手折らんとするとどこからともなく老翁が現れて話し掛けてきた。
老翁は女郎花の謂れについて話し始める。
昔。都女が契りを結んだ小野の頼風という者を訪ねてきたが会うことができなかった。女はてっきり夫に裏切られたと思い放生川に身を投げて果てた。
男山に都女の塚があると知った頼風は彼女の墓を訪れた。
そこに一本の女郎花が咲いていた。近付いたら身を揺らし、離れたら元の姿にもどった。死しても自分を慕っていてくれているんだと思った頼風は自分も放生川に身を投げて彼女のもとへと旅立ったのだ。
そのことを聞いた旅僧は哀れに思って懇ろに弔った。
男山 京都府南部、八幡市にある山。標高143m。山頂に石清水八幡宮がある。
偕老 夫婦が仲良く共に老いるまで連れ添うこと。
三千世界 須弥山を中心に、日・月・四天下・四王天・三十三天・夜摩天・兜率天・楽変化天・他化自在天・梵世天などを含んだものを一世界、年、これを千個合わせたものを中千世界、それを大千世界とする。大千世界のことを三千代世界ともいう。一仏の教化する範囲(一仏世界)。われわれが住む世界の全体。三千世界。三千界。一大三千世界。
御戸代 神に供する稲を作る田。神の御料の田。みたしろ。神殿。
放生川は京都の石清水八幡宮の近くにある川らしい。

謡本にはのうのうと書いてあるところによく出会う。
「ここはどう謡うの」。と尋ねられたところ。
私は「繰り返して謡うとことですよ。」と答えた。
そしたら、彼は「のうのう、のうのう」と謡った。
ヤバい。何か間違って教えてしまった。と思った。
実のところ、この私もそのような認識で理解していた。
「のうのうとは、遠くから人に呼びかける時の謡い方だ」と教わっていた。
「のーう、のーう」と、長く伸ばして発声する場所。とも理解していた。
ところが、テープを聞いていると、どうも人によって謡方が違うような気がした。
「のうのう」の本当の意味は人の注意を引くところのようだ。
ワキ(旅僧)はシテが言っている「女郎花」の意味がよく分からなかったのか。改めて問いただした。
何だ、お前そんなことも分からずに相手をしていたのかと、シテ(老翁)はあきれた様子。
のうのう(謡本で「なうなう」となっている)とはこんな場面で使うようだ。
いくら練習をしても上手くならない。
今度新聞に載っていた。「筆ぺん講座」を受けてみようと思う。
ハチジュウの手習い、果たして実るか。
コロナ禍もどうやら落ち着いたようだ。
そろそろ、謡曲教室も始まるかな。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 通小町 | トップ |  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

写謡」カテゴリの最新記事