亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

写謡 「綾鼓」

2020-08-31 | 能楽
筑前国木の丸の御殿に庭掃きをつとめている老人が女御に恋をしてしまった。

女御というと中宮に次ぐ偉いかたです。庭掃きの老人など相手にしてくれるはずがない。女御は綾(綿の布)を張った鼓を桂の枝にかけ、これを打って皇居に聞こえたら会ってもいいと言った。喜んだ老人は必死で鼓を打つがなるわけがない。
謡本にはいろいろな印がある。
「カカル」ってなんですか?と、先生に尋ねたことがある。先生もよく分からなかったらしく、「この次迄調べてきます。」といった。
次の週になっても教えてくれませんでした。
謡本に書かれている印は感覚的なもので具体的な意味はないようです。
習うときは無い頭を絞って想像するしかない。
「綾鼓」は変化に富んでいて結構味のある曲です。その分覚えるのが大変です。

いくら頑張ってもならぬものはならぬ。思い余った老人は池に飛び込んで亡き者となった。
あの世に行っても妄執を断ち切れなかった老人は地獄の鬼となって女御を責めた。
年老いた老人が御女中に恋などするだろうか。この物語は何を狙って作られたのだろうか。
写謡はただ謡本を丸写しするのではなくその内容を深く考える所に狙いがある。結構勉強になった。
 それにしても謡は難しい。
筑前とはどこか調べてみた。九州の福岡だった。なんでそんなところが舞台になっているのだろ。
天皇と言うと奈良か京都にいるもの、それがどうして九州なのだろう。
辞書で調べてみた。7世紀中ごろ、斉明天皇と言う人がいて、飛鳥で即位した翌年百済という国を助けるために九州に移ったらしい。そこに木の丸御殿という御殿を建てて皇居としたらしい。天皇は其の地で亡くなったらしい。百済はどうなったのだろう。
医者の薬をもらいに、薬局へ行った。
若い薬剤師さんかしきりに天上を気にしている。テレビでもついているのかな?まさか。やがてのこのこ出てきて窓を開けて「シッシ、シッシ」と何かを追い出している。


そう、天井にトンボがいたのだった。
いくら頑張っても天井には手が届かない。諦めてまた部屋に入っていった。
「○○なったね。」朝の散歩仲間が言った。「えっ、何々!」耳の悪い私は何度も聞き返せた。「ああ、涼しくなった?」やっと分かった。「いやまだまだだよ(暑い)。」と言い返した。
ミミが悪いってかなしいね。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする