万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ブリューゲルの家たち

2011-06-04 17:23:43 | 万華鏡ブログ

今日は田村慎一さんの万華鏡展「ブリューゲルの家たち」をご紹介します。 明日6月5日まで東京神楽坂の「えすぱすミラボオ」で開催中です。
どんな万華鏡展なのかなと思われる方も多いことと思います。 田村さんは以前からブリューゲルの版画がお好きだったそうで、個展のテーマに選ばれました。 素材はお得意のダンボールを使い、版画の中にある家を再現。 それを万華鏡に仕上げています。 壁にかかっている版画の中の家がいくつも目の前に並んでいるのです。

映像もきれいな色合いで、楽しい雰囲気です。

取っ手を回してみると、色模様がどんどん変わっていきます。

オブジェクトは外からは見えませんが、鮮やかな、不思議な映像なので、いったい私は何を見ているのでしょうかとお尋ねしてみると「フラクタル」というお答えが帰ってきました。 どの部分をとっても全体に相似している図形のことだそうです。
フィルムにプリントアウトしたその図形をオブジェクトとして使い、それをミラーシステムを通してみると、こんなにユニークな色合いと映像が生まれます。

平面の家の絵から立ち上げ、ダンボールで作られた家や教会はそれぞれ暖かい雰囲気です。覗いたら当時の人の生活が見えそう・・・でも中にあるのは、これまた不思議な映像の連続。

興味を持った素材を使って、万華鏡の世界を構築なさる田村さん。
2007年日本万華鏡大賞グランプリをとられた「大聖堂」、昨年日本万華鏡作家展に出された「東京都庁」、そして今回は「ブリューゲルの家」・・・時代を乗り越えて生み出されるとてもユニークなスタイルで、万華鏡らしい不思議と驚きに満ちた作品を楽しませていただきました。

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21世紀の万華鏡展 その6

2011-06-02 13:34:25 | 万華鏡ブログ

BKS, ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションへの参加歴も長い山見浩司さん、「21世紀の万華鏡展」にも大作を2点出品なさいました。
美しい2枚のホィールと、精緻なミラーシステムから生まれる映像が素晴らしい「The King」 と 「The Queen」です。

特に「The King(左)は、ポリアンギュラーと呼ばれるミラーシステムで、鏡を組む角度を、のぞきながら変えて行くことができる大変高度な技術で作られた万華鏡です。6ポイントから12ポイントまで映像を変化させることが出来るのです。ミラーを組む部分に動きがあるのにも関わらず、その映像は完璧で、アメリカの作家さんも皆さん、賞賛の声を上げていました。 (2009年9月19日のブログでもご紹介しています。)
そしてこの繊細なガラス作品をアメリカに送るにあたって、壊れないように、梱包にも時間と手間をかけられたことも伺いました。 無事に届いてよかったです。 どの作家さんも同じご苦労をなさっています。

次は矢萩弘子さんの作品。「Tower of Flowery Crown 花冠の塔」「Sign of Fortune 萌し」「Kiribame 切り嵌め」です。 作品を出品するにあたって、英語のタイトルも考えられました。 矢萩さんの込めた思いがアメリカの方に通じるといいなあと思います。(2010年11月15,24,25日のブログでご紹介しています)  独創的な外観ときれいな映像の作品です。

もうひとつ美しい花を描いたペンダントタイプの作品「Under the Rose」もあります。
下の写真の左です。
そして右側にあるクリーム色の作品が赤津純子さんの「Hoshi Tatewaku 星立涌」です。(2008年12月21日のブログでご紹介しました。) 外からの光の取り入れ方に工夫があり、映像は着物や帯のデザインを思わせる素敵な万華鏡です。

もう一点は、「華鼓」です。赤津さんは地震の被害にあわれたものの、この万華鏡展の申し込みは震災前のことでしたので、何とか出展にこぎつけました。 このブログでもご紹介してきましたが、いずれも優雅で繊細な和の雰囲気が漂う映像表現が素晴らしい作品です。 アメリカの方にも是非見てもらいたいと思いました。(2009年12月18日のブログ)

最後を飾るのは、こちらも和の心を伝える陶器の万華鏡。 清野一郎さんの作品「Miyabi」と「Cherry Blossom」です。

今年のコンベンションは予定が合わず参加されませんでしたが、昨年は陶器という素材で自由自在に生み出された豊かな発想による和の万華鏡が大人気だったことを思い出しました。 

今回のコンベンション、そして「21世紀の万華鏡展」でも日本人の作品は、高い評価を得ていることがよくわかり、嬉しくまた誇りに思ったことをご報告したいと思います。

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21世紀の万華鏡展 その5

2011-06-01 14:40:42 | 万華鏡ブログ

この「21世紀の万華鏡展」には、先日ご紹介した佐藤さんのほかにも日本人の作家さん達の作品が出品されています。
最初にご紹介するのは、沼尻のんさんの「Space Heart」というクールな万華鏡です。アルミニウムのワイヤーが特徴ですが、透明なアクリルの半球のケースで演出されてかっこいいですね。昨年の第一回日本万華鏡作家展で発表され、このブログでもご紹介しました。

こちらは麻紐で巻いた万華鏡。「Three Japanese Sisters 三姉妹」という作品です。
先端のオブジェクトセルを回すことができ、また映像もテイパードミラーシステムによって、大きな展開です。
モダンな和の万華鏡ですね。

鮮やかな色と逆三角形の形が目を惹く松宮真理子さんの「Triangle トライアングル」という作品。 

テイパードミラーシステムによる映像にもインパクトがあります。
そしてこのお二人は中里保子さんの指導を受けながら独自の作品を創り続けています。

中里さんが出品なさったのは、アイアンとの組み合わせが新しい2点の「Wall Hanging Kaleidoscope 壁掛け万華鏡」と2つの手持ち型万華鏡「Butterfly 蝶文様」です。 特に壁掛け作品は、万華鏡を含めた空間の演出というアイディアも斬新で、21世紀の万華鏡にふさわしい試みだと思います。

蝶文様は和の文様のシリーズとしてずっと取り組んでいるテーマのひとつで、サンゴバン社の赤と黄色の被せガラスという素材は共通ですが、映像はもちろん同じものはなく、いろいろな試みをしながら創りだす作品になっています。

アメリカの作家さんと日本人の作家さんの競演・・・こんなに素敵なことはないなあと思いますが、そのためには結構ハードルがあり、日本人作家の皆さんががんばってそのハードルを越えたこともご報告しておきたいと思います。 

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