今日は田村慎一さんの万華鏡展「ブリューゲルの家たち」をご紹介します。 明日6月5日まで東京神楽坂の「えすぱすミラボオ」で開催中です。
どんな万華鏡展なのかなと思われる方も多いことと思います。 田村さんは以前からブリューゲルの版画がお好きだったそうで、個展のテーマに選ばれました。 素材はお得意のダンボールを使い、版画の中にある家を再現。 それを万華鏡に仕上げています。 壁にかかっている版画の中の家がいくつも目の前に並んでいるのです。
映像もきれいな色合いで、楽しい雰囲気です。
取っ手を回してみると、色模様がどんどん変わっていきます。
オブジェクトは外からは見えませんが、鮮やかな、不思議な映像なので、いったい私は何を見ているのでしょうかとお尋ねしてみると「フラクタル」というお答えが帰ってきました。 どの部分をとっても全体に相似している図形のことだそうです。
フィルムにプリントアウトしたその図形をオブジェクトとして使い、それをミラーシステムを通してみると、こんなにユニークな色合いと映像が生まれます。
平面の家の絵から立ち上げ、ダンボールで作られた家や教会はそれぞれ暖かい雰囲気です。覗いたら当時の人の生活が見えそう・・・でも中にあるのは、これまた不思議な映像の連続。
興味を持った素材を使って、万華鏡の世界を構築なさる田村さん。
2007年日本万華鏡大賞グランプリをとられた「大聖堂」、昨年日本万華鏡作家展に出された「東京都庁」、そして今回は「ブリューゲルの家」・・・時代を乗り越えて生み出されるとてもユニークなスタイルで、万華鏡らしい不思議と驚きに満ちた作品を楽しませていただきました。