今日から開催中の赤津純子さんの作品展に伺いました。新作の「Air」並んでいます。
ユニークなアイディアと手の込んだ作り、そして赤津さんらしい端正で繊細な映像が素晴らしい作品です。
淡い色合いの背景にくっきりと重なる模様のコンビネーションが特徴の一つ。二重になったオブジェクトセルから生み出される映像です。そのオブジェクトセルはミラーシステムの先端にあり、その下にガラスで囲まれた空間があります。
もう一つとてもユニークな工夫は、下のガラス空間に使われているダイクロイックガラスの層。 光を取り入れる透明なガラス空間は、ダイクロイックガラスで挟まれて、その中にも、結構大きな音を立てて動くダイクロイックガラスのかけらが見えています。
これらのダイクロイックガラスの層での、光の反射と通過の仕方で、この映像の色合いが驚くほど変わります。
「Air」 というタイトルの通り、映像に空気感があり、軽やかに変化する色合いが見る人の心にそっと響く・・・そんな雰囲気の作品です。赤津さんのDMの言葉をお借りすれば、心の気配を感じ取る景色にも思えます。
細く、小さく、薄いガラスオブジェクトの重なりが作り出す4ポイント映像の周りは細かい光の点が囲んでいます。 これもこの作品の特徴の一つです。
筒に使われているガラスには、それぞれ模様が焼き付けられており、今までの作品とはまた違った魅力を見せています。軽くて覗きやすい作品になっています。
こちらは作り続けている「相響む」です。サンドブラストの模様にも種類が増え、ガラスの色合いも増えたでしょうか。手前の立法体の作品は「たまははき」です。
「相響む」の黒い背景の映像。 きれいです。オブジェクトに銀線細工も含まれていると教えてもらいました。
どの作品も同じものはなく、どれも精魂込めて作られた万華鏡です。 優し気でありながら、凛とした雰囲気もある万華鏡たちに、今年も感動をもらいました。
赤津純子作品展
2016年12月7日~13日
松屋銀座7階 遊びのギャラリー
午前10時~午後8時 9日と10日は午後8時30分まで
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