東京国際フォーラムで1月18日まで開催中の万華鏡展から 今日は佐藤元洋さんの作品をご紹介します。
吹きガラスの万華鏡を専門的に製作なさる作家さんで、地元の仙台に工房を開き、活動なさっています。 ガラス工芸にはいろいろな技法がありますが、吹きガラスで万華鏡を創る方はとても少なく、その特徴を生かしながら、万華鏡としての品質を高める努力なさっているので、どの作品もそれぞれの味があり、見ごたえがあります。
大きめなパーラータイプの作品が3点並んでいます。 上の写真左の"Rinne"はアメリカのブリュースターカレイドスコープソサエティーコンベンションで発表した作品です。 虹色に輝くオブジェクトが特徴になっています。
奥の青い作品は "Mercury” です。 筒は美しいブルー系のガラス、台座は透明なガラスに青い球体が飾られて、涼やかな万華鏡ですね。 外からはわかりませんが、オブジェクトセルが2重になっているタイプで、外側のオブジェクトセルが生み出す変化はソフトな色合いで変化し、内側のオブジェクトが生み出す変化はその上にくっきりと模様を映し出します。
細かくて繊細なガラス模様です。 そして色合いには和のセンスが感じられませんか?
右側のピンク系のガラスの作品は"Binary" です。 この作品も台座に透明感のあるガラスを使って、軽やかな雰囲気を醸し出します。 先端のセルの回転も滑らかで、春のような色合いの優しくきれいな映像展開を楽しめます。
大きな華と小さな華の組み合わさった魅力的な映像にうっとりとします。
手持ち型の個性あふれる万華鏡も並びました。
この中から左奥にある「黒彩霧」という作品です。 初めてご紹介すると思いますが、オブジェクトセルが下のベース部分にあり、基調が黒のこの作品は珍しい感じがしました。
映像の背景も黒です。 グリーン系のオブジェクトにオレンジがきれいなアクセントになっています。
新しい工夫の一つとして、この「黒彩霧」や白いガラスの「白妙」では覗き口のレンズがトップにあり、へこみがなく、きれいに磨かれてすっきりとした印象です。
佐藤さんは秋に開催されるBunkamuraでの万華鏡展の際に、万華鏡のクラスを開講されています。リピーターも多いと聞くそのクラスのためにも、毎回新しい要素を加えて準備をなさいます。 定番の作品にも、細かい工夫を重ね、ますます魅力的な作品を生み出す作家さんです。
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