昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

昭和少年漂流記:第四章“ざば~~ん”……39.公平との帰郷

2013年10月25日 | 日記
公平との帰郷 「義郎。晩飯食うか?どうだ?」 数百メートルを駆けるように歩き、公平は突然立ち止まり振り返った。小走りで後を追っていた義郎は、背中にぶつかる直前で踏みとどまる。まだ持っていた手土産の袋がかさかさと揺れた。斜め掛けにしたバッグが肩に重い。 「それとも、チェックインしておくか?」 バッグをずり上げる仕草を見て、公平はそう言ったが、ホテルの予約はしていない。聡美から「泊めてもらえる . . . 本文を読む