俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

8月23日(金)

2024-08-23 03:52:22 | 日記
晴れ
蝉時雨停車の長き救急車     正子
梨ひとつみずみずしくて供えけり 正子
初秋の夜にぞ流るるセレナーデ  正子

●今朝、窓を開けたらうれしいことにプランター一つが寄せ植えのよう花を咲かせていた。白の日日草、アメリカンブルー、赤い撫子、紫のペチュニアがそれなりの体裁に。昨日近所の人に朝顔が咲かない話をしたら、肥料をやって、少し様子を見たらということだった。けさ、水溶性の肥料をやった。咲くだろうか。

●『ヘッセ 魂の手紙』の第一次世界大戦時の手紙が興味深い。第一次大戦は連合国と中央同盟国との戦争だが、ヘッセは当時中立国のスイスのベルンに住み、ドイツ国籍であった。ベルンに住んでいたことと、健康上の問題で兵役にはついていない。『車輪の下』や『ペーター・カーメンツィント』ですでに有名になっていて、フランスの百か所ばかりのドイツ人捕虜収容所に書籍を送る仕事に携わっていた。ヘッセが中心となり送る図書の選定をしたり、捕虜の読書希望に応じたりしていた。成人教育と慰みの意味があったようだ。捕虜たちに本を送る仕事があったことは、私には驚きである。良い本とはなにかも、問題となっている。

戦争のとき、文化人の果たす意味が問われる。フランスのランス大聖堂’(ノートルダム大聖堂)をドイツが爆撃したとき、オランダ人画家の新聞での非難を擁護している。平和主義を唱えるヘッセは自身も新聞投稿で戦争批判をおこない、激しい非難にさらされていた。敵国の文化財を破壊することは、敵国の精神文化を破壊するのにつながるのは目に見えている。

※2019年に火事がったのは、パリのノートルダム大聖堂で、ドイツの爆撃を受けたのはランスにあるノートルダム大聖堂。名前は同じだが、別の建物。ランス大聖堂では歴代皇帝の戴冠式が行われた。


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