俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月26日(木)

2017-10-26 10:43:50 | 日記
 グレコ展
★秋光あおあおと浴び「水浴の女」  正子
秋の日射しが燦々とそそぐ野外の木洩れ日の中の光景でしょうか?エル・グレコの洋画に特有である、日射しの色を青を基調とした濃淡による表現の格調の高さが想われます。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
鈴懸けの実の青空へ野分過ぐ/桑本栄太郎
鈴懸と野分のとりあわせに意外性があるが、それは今年の季節の意外性といってよい。今年は十月になっても大型台風が来た。野分が過ぎた後、鈴懸の葉が落とされ、実が明らかになる。青空の中の鈴懸のかわいらしい実が印象的だ。(高橋正子)

●晴れ。きのより気温が上がる。クロッカスの芽はまだ。

○柘榴(ざくろ)

[柘榴/横浜日吉本町][柘榴の花/横浜日吉本町]

★石榴赤しふるさとびとの心はも 虚子
★柘榴の実一つ一つに枝垂れて 石鼎
★なまなまと枝もがれたる柘榴かな 蛇笏
★かたくなに開かぬ小さき柘榴かな 淡路女
★光こめて深くも裂けし柘榴かな 水巴
★熟れざくろ濃き朝霧を噛んでゐし 鷹女
★花散りて甕太りゆく柘榴かな 久女
★熟れそめて細枝のしなふ柘榴かな 麦南
★一粒一粒柘榴の赤い実をたべる 亞浪
★身辺に割けざる石榴置きて愛づ 誓子
★ぼんやりと出で行く石榴割れしした 三鬼
★号令の無き世柘榴のただ裂けて 草田男

★柘榴の実弾け夕日を宿したる/高橋正子
「柘榴の実」を詠んで、「夕日を宿したる」と観た。観照がよく、実感のある句だ。(高橋信之)

 ザクロ(石榴、柘榴、若榴、学名: Punica granatum)とは、ザクロ科ザクロ属の落葉小高木、また、その果実のこと。庭木などの観賞用に栽培されるほか、食用としても利用される。ザクロ科(学名: Punicaceae)は、ザクロ属(学名: Punica)のみからなる。また、ザクロ科の植物は、ザクロとイエメン領ソコトラ島産のソコトラザクロ(Punica protopunica)の2種のみである。葉は対生で楕円形、なめらかでつやがある。初夏に鮮紅色の花をつける。花は子房下位で、蕚と花弁は6枚、雄蕊は多数ある。果実は花托の発達したもので、球状を呈し、秋に熟すと赤く硬い外皮が不規則に裂け、赤く透明な多汁性の果肉(仮種皮)の粒が無数に現れる。果肉一粒ずつの中心に種子が存在する。ザクロの食用部分である種衣は種子を覆う形で発達する。
 ザクロには多くの品種、変種があり一般的な赤身ザクロのほかに、白い水晶ザクロや果肉が黒いザクロなどがあり、アメリカ合衆国ではワンダフル、ルビーレッドなど、中国では水晶石榴、剛石榴、大紅石榴などの品種が多く栽培されている。日本に輸入され店頭にしばしば並ぶのはイラン産、カリフォルニア州産が多く、輸入品は日本産の果実より大きい。原産地については、トルコあるいはイランから北インドのヒマラヤ山地にいたる西南アジアとする説、南ヨーロッパ原産とする説およびカルタゴなど北アフリカ原産とする説などがある。世界各地で栽培されており、日本における植栽範囲は東北地方南部から沖縄までである。日当たりが良い場所を好む。若木は、果実がつくまでに10年程度要する場合もある。病虫害には強いがカイガラムシがつくとスス病を併発する場合がある。
 新王国時代にエジプトに伝わり、ギリシア時代にはヨーロッパに広く伝わったとされる。東方への伝来は、前漢の武帝の命を受けた張騫が西域から帰国した際に、パルティアからザクロ(安石榴あるいは塗林)を持ち帰ったとする記述が『証類本草』(1091年-1093年)以降の書物に見られるため、紀元前2世紀の伝来であるとの説があるが、今日では3世紀頃の伝来であると考えられている。日本には923年(延長元年)に中国から渡来した(9世紀の伝来説、朝鮮半島経由の伝来説もある)。


◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)
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