雨。
侍ジャパン・マイアミへ
終日の春雨選手ら発ちしあと 正子
春雨にもちの芽吹きのあかあかと 正子
連翹や雨に雫ける全き黄 正子
●春の雨」と、「春雨」は三冊子のころは、厳密に時期を分けて使われていたことを、いつの間にか忘却。今朝、歳時記を見ていて思い出す。記憶の書き直しが必要。
●『若菜』(小宮澄江著)のお礼状を林誠司さんに書く。
『若菜』から好きな句20句
雨降りて女人高野のとろろ汁
朝市の青鬼灯の濡れてをり
被災地の箱に入れられ秋刀魚着く
忙しくも旅立つ朝の根深汁
父堀りし井戸の神様供餅
百選の水つめこんで山笑ふ
山鳩のくぐもる声や良寛忌
花茣蓙を敷いてはなやぐ奥座敷
朝霧を蹴ってランナー土手を行く
この先は鞍馬の山か時雨くる
三日はや独り参りの夫の墓
登り来て文殊古堂の遅桜
嫁きし娘のひひなに燭を灯しけり
神御座す青田に月の揺れにけり
吹越の頬に当たるや山の駅
ぼうたんや時の鐘鳴る城下町
二分咲きの梅添えられて昼の膳
ふるるたび仏間の桜こぼれけり
夏めくや人影動くカヌー工房
朝冷の薬缶をかけて湯を沸かす
※良寛忌 旧暦1月6日(新暦2月18日ごろ)
※「吹越(ふっこし)」は群馬・埼玉地方では、「風花」のことを言う。楸邨はこれを好んで使ったとのこと。