俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月28日(木)

2022-04-28 11:40:06 | 日記
くもり、ときどき晴れ。

●松野苑子さんから第3句集『遠き船』(角川書店2022年4月発行)が送られて来る。角川賞受賞作者の句集。370句。

●『ウィーン愛憎』を、読み終わる。この本は読んだことがあると、思い出した。筆者の妻が病気で、2階に住むアメリカ人家族が騒がしいので注意に行った。わかりましたと言ったものの、いっこう騒ぎを止めない。翌日玄関前に、花束とお詫びの手紙があったと言う話を覚えていた。実は息子の誕生日だったのでということだった。
『ウィーン愛憎』は筆者がウィーン大学に留学していたときに遭遇した出来事を文明批評的に書いている。すでに、半世近く前の話で2度も3度も読む話ではない。なのに、「ウィーン」に魅かれて手にした自分をどう見ればいいのだろう。
この本が書かれたころの出来事を思い出した。
ウィーン大学から若いヴィレ先生が東大に来ておられ、愛媛大学に集中講義に来られた。ちょうどそのおり市民会館でコンサートがあり、ヴィレ先生と、信之先生と、私でコンサートに行った。コンサートが終わり、外に出た私はさっさと二人より先を歩いた。ヴィレ先生が慌てて追っかけて来て、私にコートを着せてくれた。そのあとを、信之先生が、オーッと言いながら、慌てて来た。ウィーンでは、夫は妻にコートを着せるのが、今も礼儀と見える。ヴィレ先生はウィーン流を守ったのか、それとも、ウィーンの礼儀や習慣をドイツ語教師の信之先生に教えてくれたのか。帰宅して、信之先生は、「そんなことできるか」と嘯いていた。今も、落ち着かない感覚が肩のあたりに残っている。

コメント
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